日記の返事

  
  「日記で (その5)  2月19日  74号
        −「追従」タイプ−

    例3
 「家に帰ってからシャボン玉で遊んだんだね。
  屋根までとんだら,こわれてしまったんだね。
  風がふかなければ,もっと遠くまでとんで行ったかもしれないね。」 

前回の(例3)の返事を見られて,おわかりになったと思いますが,この「追従」タイプには,何も新しいものが含まれていません。
子どもの書いてきた日記の内容を次々となぞっていくだけでいいのです。
一見,何となくたくさん書いてあるように見えますが,読んでみると,何か物足りなさを感じるのが,このタイプです。
返事を書く方にとっては,これくらい楽なことはありません。
子どもが日記に,「A してB してC したら,D になってE と思った。」と書いていれば,それに,後,「そう」と「だね」をつけ足せばいいのです。
つまり,
「そう,A してB したんだね。そしてC したら,D になって,E と思ったんだね。」
と書けば,子どもの書いた日記と同じくらいの長さの返事ができ上がります。
これに,後,「すごいなァ。」なんて一口感想をつければ,いかにもたくさん返事が書いてある雰囲気になります。
低学年の子などは案外これで喜びます。
それに,これは見方を変えれば,「受容」の精神に満ちた慈悲深い返事でもあり,いつも書き方にうるさい,要求ばかりの返事よりは,子どもに日記嫌いを起こさせないかもしれません。
しかし,「新しいもの」が得られない返事が続くと,子どもの日記には,変化しない,たれ流し文ばかりが並んでいきます。

さて,次(例4)の日記には,どんな返事を書けばよいでしょう。
    例4
 「今日,学校から帰って,○○君と△△君と□□君と××君とかくれんぼをして遊びました。   
 とても楽しかったです。」




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