まず、「人権学習」を2つ。1つ目は、 「男らしさ、女らしさという言葉の奥に潜む性差別」 について考えます。 対象は中学年です。 |
「うわぐつあらい」
出典(にんげん)
しゅくだいで
「うわぐつあらい」があった。
せっけんをつけてたら、
おばあちゃんが
「そんなこと、男の子はせんでええ。
おかあちゃんがすることや。」
と、とりあげていった。
あした、
先生にどういおう。
この詩で1時間授業をするとしたら、どのような発問、展開を考えられるでしょうか。 私は、まず黒板に次のように書きました。 |
うわぐつあらい しゅくだいで、 「うわぐつあらい」があった。 せっけんをつけてたら、 ( )が、 「そんなこと、( )はせんでええ。 ( )がすることや。」 と、とりあげていった。 あした、 先生にどういおう。 (黒板では、縦書きにしています。) |
板書した後、次のような発問をしていきました。 |
1,( )の中にはどんな言葉が入ると思いますか。 2,自分でくつを洗うことがなぜ宿題になったのでしょう。 3,この詩の作者は男でしょうか、女でしょうか。 4,もし、この子が女の子だったら、「女の子はせんでええ。」と言われたでしょうか。 5,このおばあちゃんは、「男の子は、くつ洗いをしなくていい」と思っています。 なぜ、「男の子はしなくていい」と思っているのでしょう。 6,このおばあちゃんの考えに自分は賛成ですか、反対ですか。理由をつけて言ってください。 7,男子に聞きます。 もし、自分がくつ洗いをしなくていいと言われたらどうしますか。 女子に聞きます。 もし、宿題等をしていて、女の子は勉強なんかしなくていいと言われたらどうしますか。 8,今までこんなことを言われたことがありますか。 9,男だから、女だからという考えについてどう思いますか。 |
以前、父子家庭の児童を担任した時は、詩の中の「おかあちゃんがすることや」を削除した形で提示して学習していきました。 意見のよく出る学級では、 発問→発表、発問→発表 の繰り返しでいいのでしょうが、学級の実態によっては、道徳ノートを1冊つくり、それぞれの発問に対する自分の考えをまずノートに書かせてから発表させたり、例えばFの発問では、 「男子に聞きます。」 の後、男子だけ起立させて、 「自分がくつ洗いをしなくていいと言われたらどうしますか。言える人から座ってください。」 等の発問に対する応答の変化をつけていきます。 とにかく、児童が 【ワンパターンの道徳】 という感じを持たないように工夫していくことも必要かと思います。 ドローンとした道徳授業からの脱皮 一人ひとりに確実に思考させる道徳授業 これが、最初に紹介した 「フィンガーボールのずっこけ」 からの反省に基づく精一杯の取り組みでもあります。 |