「広島 と ヒロシマ」
(1992年6月27日)

修学旅行に行く前に,「ヒロシマ」についての学習をいくらかしていきました。
その中の,「広島とヒロシマ」の授業記録を紹介します。

T(教師) 
「広島には漢字の「広島」の意味と片仮名の「ヒロシマ」の意味があります。どう違うのだと思いますか?」

C(児童)


「漢字の「広島」は,広島県という時などに使う。」
「付け加えで,地図にのっているのが,漢字の「広島」で,片仮名の「ヒロシマ」は,原爆の落ちた広島という意味。


「よし,まず2つの意味の違いを考えるのに,「原爆」を第1のキーワードとしよう。他にどうですか。」


「漢字の「広島」は,場所を表す時使って,片仮名の「ヒロシマ」はアメリカ人とかが言う時使う。」


「アメリカ人?アメリカ人だけかな?「とか」と言ったね,じゃあこのアメリカ人「とか」を第2のキーワードにしようか。」


「片仮名の方は,外国の人が言っているという意味になる。」


「そうです。確かに,外国の言葉は片仮名で表します。だから,片仮名にするということは,日本だけでなく,外国と関係があるということかもしれない。「外国」を第3のキーワードにしましょう。しかし,同じ片仮名で,例えば「フクシマ」と書いても,あまり意味がない。「オキナワ」とか「ナガサキ」,または,「トキオ」あるいは,「トーキョー」などには,それぞれ片仮名で表す意味があります。」


「広島を片仮名で「ヒロシマ」と書くのには,特別な意味があるのだと思う。」


「そう,特別な意味が確かにあります。これを第4のキーワードにします。さて,どんな特別な意味があるのだと思いますか?」


「世界の人々が使うのが片仮名の「ヒロシマ」。」
「世界平和という意味が入っている。」
「原爆のことを忘れてはいけないという意味。」
「原爆のことを将来に伝えようということ。」
「原爆を二度と落としてはいけないということ。」
「原爆の恐ろしさを忘れないように。」
「戦争をしてはいけないという意味。」
「人の命の重み,平和の大切さを考えようということ。」
「今も苦しんでいる人がいることを忘れないようにという意味。」


「片仮名の「ヒロシマ」には,世界中のそういう思いや,願いがこめられています。」



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