グローブ
(1992年5月13日)

     「いいじゃん,いいじゃん!」
                              (女子)

 図工の時間−−−。「スケッチ」ということで,外からフットの練習でつかれた体といっしょにゆっくり入った。
 最初は,ゆっくり,ちゃんとていねいに線を引くために,「かたつむりの線」というゆっくりとかく線をかいた。次は,へびがグルッとまるく交わっている絵をかいた。まわりの友達なんか,ふくざつで,こんなのいたら不気味・・・って感じのをかいていた。
 さあ,これは,一番しないといけないことだ。「スケッチって,なにをかくんだろう」と疑問をもっていたが,なんとあのふくざつな「グローブ」をかくというのだ。「やっぱ,6年生になるとハード!」と思った。
 グローブを一つ手にすると,見れば見るほどむずかしい。グルグルグルグル回してもむずかしい。そんなむずかしい物でもかき出したら,とまらない。夢中になる。あの,たっくさんむすんであるひも。めんどうのはずだが,グルッと体をひねらせたへびをかいたので,ひものかさなっているところが,「あっむすんである」と分かるように,うまくかけている。
 「んー,いい。」
と,少しよくなると,どんどんかくうちに,形もととのってきて,見ると,かさなっているところは,ちゃんとかさなっているし,グローブらしくなってきた。とくに,ひものむすんであるところが,かっこよくかけた。かえって,ふくざつなほうがいいのがかけたのかも。
「んー,まじめに一生けん命がんばったぶん,いいのができた。まんぞくまんぞく。」



     「おお!!」
                          (男子)

 シーンとしずまった教室に,ペンの音がコリコリとなっている。机の前にグローブを置き,そしてがようしには,グローブが本もののようにかいてある。
「おお!」
ついに完成した。「おお!」とおどろくほど自分でもうまいと思った。5年生のときとは,かなりちがう。やっぱり6年生。






(通信枠外の一言)
グローブの端の線が消えているように見えるものは,絵が画用紙いっぱいになり,描ききれなかったためです。こういう絵には迫力があります。




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