(1992年10月19日) (10月13日 第2次の1時間目) 「やまなし」は,次の一文から始まります。
まず6頁の1行目までを4種類の音読(一文範読,個人,二人交互,班内群読)で繰り返し読んだ後,上の一文を板書しました。 T,この文から分かることを言って下さい。 (まず最初に立って意見を言ったのは○君でした。) C,「谷川の底」というところから,底が見えるくらいだから,深くない川だと思います。 C,付け加えで,「小さな谷川」だから深くないんだと思います。 C,深いと,かにが住めないので,深くないと思います。 C,底が見えるくらいだから,きれいな川だと思います。 C,「小さな谷」だから,がけになっているんだと思います。 C,そのがけは急角度だと思います。 C,「小さな谷川」だから,がけは低いんだと思います。 C,川は山と山の間にあるんだと思います。 C,「二枚」というのは,5月と12月のことだと思います。 C,「青い」ということから,水がきれいなんだと思います。 T,どんどん意見を付け加えていくのもいいですが,この意見には反対だという意見はありませんか? (そこで○君が立ちました。) C,ぼくは,「深くない」に反対で,川は深いと思います。それは,かにの子どもがはいたあわがゆれながら上に上っていくのだから,深いと思います。 C,私も深いと思います。かわせみが飛びこんでくるんだから,深くないと飛びこんでこられないから,それだけ深いんだと思います。 C,魚が住んでいるくらいだから深いと思う。 C,ぼくは深くないと思います。深いとかにの足がつかないし,息ができないからです。 C,それに,かには,よく浅い所の石の下などにいます。 C,でも,7頁に,「白い岩」と書いてあって,「石」でなく,「岩」だから,大きいんだと思います。だから岩が中にあるぐらい水は深いんだと思います。 C,でも,かには浅い所にいます。 C,5頁に「暗く」と書いてあるので,深いから暗いんだと思います。 C,それに,やまなしが落ちて,ずうっとしずんで,上に上っていくんだから,深いと思います。 C,やまなしが落ちた時,浅いと「チャポン」とか音がするけど,ここでは「トブン」と書いてあるから,深いんだと思います。 ・ ・ ・ と,いうわけで,1時間のほとんどをこの討論に使いました。意見の中には勘違いしているものがあったり,「深くない」と「浅い」を同じに取り扱っていたり,「深い」といってもどれくらいまで深いのかをはっきりさせていないところもあります。しかし,大切なことは「深さ」ではありません。 「水の深さ」を討論することで,この「小さな谷川」で起きていることの重要なポイントを子どもたちは文章の記述に即して確認し,イメージをはっきりさせていきます。 次の時間では「底が見える?」でまた1時間使ってしまうことになります。 |
(通信枠外の一言) 「やまなし」の話を通信で紹介し始めて,さっそく国語の教科書を読んでみられた,○さん,○子さん,○さんのお母さん。お忙しい中ありがとうございます。家でも話題の一つにしていって下さい。 |