3,「ツチアケビ」


        
ツチアケビの花         ツチアケビの実
 子ども達に「ツチアケビ」を見せました。驚いたような顔をしながら「これ食べられるの?ソーセージがぶらさがっているようだなあ」と言いました。さすが子ども達は違います。
 「ツチアケビ」という名は,土に生えてあけびのような実を結ぶことから名付けられました。この町では,限られた場所で生えていることが報告されています。
 この植物は,らんの仲間です。普通らんの仲間は,緑の葉に美しい花というイメージがあります。ところが,「ツチアケビ」には葉がなく(無葉蘭)花(黄褐色)も美しいとはいえません。しかし,夏から秋にかけて,深山で赤い実をさげた姿に出会うとその不気味な姿に思わず息を飲んでしまいます。見つけた人の中には,ヤマノカミノシャクジョウ(山の神の錫杖)と言う人もいます。
 現在までに発見された場所は,杉林や竹藪が多いようです。花は6月頃に咲き始めます。ソーセージのように赤く熟した実は,夏から秋にかけて見られます。
 この町は自然の宝庫です。前回ウメバチソウを紹介しました。するとどうでしょう。早速,3年生の女の子が「墓参りに行く途中で見つけたよ」とウメバチソウを持って来ました。子ども達の優しい心,大切にしたいものです。
                                       中西 正一 先生

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