5,「セツブンソウ」



 「鬼は外,福は内」節分と聞くと春の気配を感じます。
 この頃から咲き始めるというセツブンソウは,この地にもあります。2月の寒さが厳しいためもう少し暖かくならないと咲きません。私は,3月に雪の下で咲いているセツブンソウを見たことがあります。
 以前,東京のカメラマンが「セツブンソウを撮りたいので案内してくれませんか」とやって来たことがあります。2月下旬だったのですが,雪がたくさん積もっていたため見つけ出すことが出来ませんでした。
 セツブンソウは,石灰岩地帯に自生する大変珍しい植物ですから大切に保護されなければなりません。ところが,荒らす人が多く困っています。
 早春のわずかな期間に花を咲かせ,根に栄養を蓄えて再び隠れてしまう植物。他の草が繁茂しない間に全てのことをやってのける姿に感心します。私たちには到底真似ができそうもありません。
                                     中西 正一先生


セツブンソウ(「野草と共に」より)


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