76,「フキノトウ」(キク科)

 雪の解けた日溜まりにはタンポポやフキノトウが花を咲かせています。緑のないこの時期に見られるフキノトウは特別に美しく私達を魅了します。
 フキノトウは春の使者として昔から親しまれてきました。炒りみそにしたり天ぷらにしたりしてほろ苦さを楽しんできました。フキノトウは食用として賞味されるほか,昔から薬用としても利用されてきました。せき止めや食欲促進に効果があると言われています。私は,フキノトウの天ぷらが大好きです。少し開いたフキノトウを天ぷらにしてみましょう。風味は一級品です。やってみませんか。
 ところで,フキノトウは葉に先立って花茎を地上に現し,淡い花を咲かせます。この花は雌雄異株になっています。雄株の花は黄白色をしています。雌株の花は白色です。雌株は,花の終了後,花茎をぐんぐん伸ばして,種を飛ばします。誰もがよく見かける綿毛の花は雌株なのです。
 フキにはアキタブキもあります。人間の背丈よりも高くなります。葉柄の長さは2メートルほどにもなり,葉の径は1.5メートルにもなります。傘にもなる大きなフキとして有名です。
 春,フキなどの山菜を採取するとき間違えてはならないものがあります。それはハシリドコロという植物です。みずみずしい美味しそうな葉を食べると大変です。命取りになってしまいます。ハシリドコロは猛毒ですので,絶対に食べないようにしましょう。   

                                    中西 正一 先生


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