87,「キキョウ」(キキョウ科)

 キキョウは秋の七草の1つです。紫色の花を見ると郷愁を誘います。昔は棚田の周りや山々の芝刈りが盛んに行われていたのでキキョウも多く見ることができました。しかし,今では結構珍しい花になってきました。キキョウの花は,リトマス試験紙の青の働きをします。青梅…赤梅…すっぱい…酸性ですから,青い花が赤くかわればそれは酸性ということになります。子どもの頃からアリの尻から出す液をこのキキョウの花につけて遊んだものです。青い(紫色)花が赤色に変わっていくのです。アリの出す液は酸性だ。なめると強い刺激と酸っぱさを感じるので「希塩酸と同じだ」と子ども心に思うのでした。

                                    中西 正一 先生


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