新採日記

(その8)

 私と同期の新採は全員で5人いました。その中に特に保護者から評価が高く,子どもに人気のある女性教師がいました。

 その教師の口癖は「そう深く考えず」でした。子どもとよく遊ばれていました。保護者との懇親会では,ある父親がその先生がどんなにすばらしいか熱弁をふるわれていたことがあります。そして,他の教師一人ひとりと話していき(面接?)その教師と比べられているようでした。その父親は「あの先生は子ども一人ひとりのテストに必ず一言ずつ言葉を書いて返している。」と自慢(?)されていました。その時の児童数は1クラス43人でしたから,そう簡単なことではなかったはずです。私など一度に採点できず,途中で休憩をしていました。

 今,私が子どものテストに必ず言葉を入れて返しているのは,この時の父親の一言が影響しています。

 1学年7クラスある学校で,それに専科として体育,理科,家庭科,音楽,言語治療の先生方もおられたので様々な教師の姿から学ぶことがたくさんありました。

 誰よりも早く学校に来る先生
 話術に長けていて人を飽きさせない先生
 年輩の女性教師で姉御的な迫力のある先生
 組合のバリバリのやり手で理論が次から次へと出てくる先生
 イラストが得意で熱意があり独創的な経営と通信を出される先生
 
 新採の時に目の前にいろいろなモデルがあったということはとても幸せなことだったと思います。