
(その11)
| 新採で初めて担任した3年生女子の保護者の中に,私が高校生の時の美術の先生がおられてびっくりしました。その高校と小学校は県の東の端と西の端に位置していたからです。こんなに離れた所で,6学年中,3年生7クラスの中でその先生の子を担任するとは・・・と,この偶然を不思議に思ったものでした。 その先生はとても気さくな方で,高校時代もよく声をかけて下さいましたが,その小学校でも家庭訪問は最後にするように言われて,最後に行くと話の後,(今ではできないことでしょうが)すき焼きの夕食をいただいたり,休みの日には近くの海に魚釣りに連れて行ってもらったりしました。 更に今でも覚えている一番びっくりしたことは,教師になって初めての個人懇談の時,その奥さんが和服で学校に来られたことです。初めての個人懇談で緊張しているところに和服という正装を前にして,より気持ちが引き締まったのを覚えています。その時は個人懇談では親の方はこういう正装をして来られるものかと思っていましたが,そんなことは二度とないことだと後で分かりました。 この先生の子は1年後に転校することになりましたが,それから十数年経って私はその子と会いに大阪に行くことになります。 |