2001年に聴いた曲   
Lyrico「Tears in Christmas」@ソニー・ミュージック
lyrico
 露崎春女改めLyrico(リリコ)としての再出発第一弾はストリングスとオーケストレーションをフィーチャーした壮大なクリスマスソング。歌唱力抜群の歌姫の本領発揮の一枚。ただし、「優等生」すぎるのがたまにキズか。うまいんだけど…。(★★)
 1. Tears in Christmas
2. 事情
3. Messin' w/ my mind
4. Tears in Christmas (Instrumental)
Tina「CUORE」@キティMME
 cuoreパワフルかつ繊細なボーカルが魅力のTinaの最新アルバム。CUOREはイタリア語で「ハート=心」。そのタイトル通り、心に映る11の短編を歌いあげる。シングル先行した「M−7」の情感たっぷりのボーカルはTinaの真骨頂。(★★★)

1. TIME'S STORY
2. Nobody Knows
3. everything I need...
4. Every day Every night
5. 祈り〜心からのI love you〜
6. Number 1.2.3
7. This one's for you
8. Rock you!
9. Baby Blue
10. 薔薇色の空
11. Remember of you
東京中低域「火の玉ボーイ」@真鍮レコード
fireboy
 バリトンサツクス11本のアンサンブル「東京中低域」によるムーンライダース=鈴木慶一のフルカバーアルバム。ボーカルで野宮真貴(01、06、10)、鈴木慶一(04.05.08.10.)が、小林克也(01)がDJで参加。「「火の玉ボーイ」はムーンライダースのアルバムの中で一番好き。70年代ロックアルバムの中でもピカ一の完成度だと思う。レコードは田舎に置いてあるので、ついつい買ってしまったのだった。もちろんオリジナルに比肩すべくもないが、これはこれでよしとしよう。実は「野宮真貴のボーカル」に惹かれたのだが、2曲しか歌っていない。ちょっと肩透かし。(★★)

1.あの娘のラブレター
2.スカンピン
3.酔いどれダンスミュージック
4.火の玉ボーイ
5.午後のレディ
6.地中海地方の天気予報
7.ラム亭のママ
8.ウェディング ソング
9.魅惑の港
10.ラム亭のテーマ〜ホタルの光
傳田真央「Diamond Kisses」@キティMME

 絶対音感の傳田真央が自ら影響を受けた80年代R&B、ロックをカバーした80年代リスペクトアルバム。うねるようなグルーブ感、大胆な原曲のアレンジがgood。(★★)
1. Diamond Kiss Show (Intro)
2. Holiday(マドンナ)
3. True Colors(シンディ・ローパー)
4. Human Nature(マイケル・ジャクソン)
5. love is Stronger Than Pride(シャーデー)
6. Don't be surprised! (Interlude)
7. Keep On Movin'(ソウルUソウル)
8. Every Breath You Take(ポリス)
9. Slow it down a bit・・・ (Interlude)
10. L.M.I.A.S.W.I.
11. Love Me In A Special Way(デバージ)
12. Bohemian Rhapsody
 〜Mao meets Tiny Voice〜(クイーン)
「ブリジット・ジョーンズの日記」オリジナル・サウンドトラック@ユニバーサルレコード
ブリジット
 30過ぎの独身女性ブリジットが「私の人生、こんなはずじゃなかったのに。さびしいよー」と枕を抱えて歌う「オール・バイ・マイセルフ」。情感たっぷりに歌い上げるのはオーストラリアのカントリーシンガー、ジェイミー・オニール。イギリスのソウルシンガー、ガブリエルの「アウト・オブ・リーチ」もせつない。セクシーボーカル、アリーシャズ・アティックは姉妹ポップ・デュオ。シェリル・クロウ、シェルビー・リンといったところもお気に入り。(★★★)

1、「アウト・オブ・リーチ」(ガブリエル)
2、「リスペクト」(アレサ・フランクリン)
3、「ハレルヤ・ハリケーン」(ジェリ・ハリウェル)
4、「ジョーンズ嬢に会ったかい?」(ロビー・ウィリアムス)
5、「アイム・エブリ・ウーマン」(チャカ・カーン)
6、「キス・ザット・ガール」(シェリル・クロウ)
7、「キリン・カインド」(シェルビー・リン)
8、「サムワン・ライク・ユー」(ディナ・キャロル)
9、「ノット・オブ・ディス・アース」(ロビー・ウィリアムス)
10、「ラヴ」(ロージー)
11、「ストップ・ルック・リッスン」(ダイアナ・ロス&マーヴィン・ゲイ)
12、「ドリームサム」(シェルビー・リン)
13、「イッツ・オンリー・ア・ダイアリー」(パトリック・ドイル)
14、「プリテンダー・ガット・マイ・ハート」(アリーシャズ・アティック)
15、「オール・バイ・マイセルフ」(ジェイミー・オニール)
16「リング。リング、リング」(アーロン・ソウル)

サラ・ブライトマン「CLASSICS」@東芝EMI
サラ・ブライトマン
 97年にアンドレア・ボチェッリとデュエットした「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」が900万枚の大ヒットとなったミュージカル畑出身の歌姫(1962年生まれ)の新作。といっても、旧譜の再録も混在した変則的なベスト盤。ジャケットのビジュアルもgood!(★★★)

1、AVE MARIA(アヴェ・マリア)
2、LASCIA CH’IO PIANGA(私を泣かせてください)
3、WINTER LIGHT
4、ANYTIME ANYWHERE
5、ALHAMBRA(アルハンブラの想い出)
6、LA WALLY(さようなら、ふるさとの家よ〜歌劇「ワリー」第1幕より(未発表ヴァージョン) )
7、DANS LA NUT(夜の踊り )
8、SERENADE(セレナーデ )
9、HOW FAIR THIS PLACE(ここは素晴らしい場所 )
10、/O MIO BABBINO CARO(私のお父さん〜歌劇「ジャンニ・スキッキ」より(新ヴァージョン)
11、LA LUNA/12、PIE JESU
13、FIGLIO PERDUTO
14、NESSUN DORMA(ネッスン・ドルマ(誰も寝てはならぬ/新ヴァージョン) )
15、BAILERO(バイレロ)
16、TIME TO SAY GOODBYE(ソロバージョン)
17、REGNAVA NEL SILENZIO(あたりは沈黙に閉ざされ〜歌劇「ランメルムーアのルチア」より(ライヴ・ヴァージョン) )

テレジア「ゴスペルウーマン」@テクノデザイン
テレジア
 ソウルフルなエビス・ミホのボーカルが印象的なR&B色濃厚なミニアルバム。(2)はパッフェルベルの「カノン」をモチーフにしたオリジナル歌詞。「何にも言わずに抱きしめて♪」のサビが耳に残る。斬新なアレンジとコーラスワークで歌い上げた逸品。(★★☆)

1、Friend
2、MoonLight
3、walki’n
4、Up to You
5、How can I let you know
6、SNOW
7、Standing by my side

「弁天アジア弁当」@ベンテン・レーベル
ベンテンレーベル
 「ロリータ18号」「フラメンコ・ア・ゴーゴー」などのパンク系ギャルバンドを輩出しているベンテン・レーベルのガールズバンド集第6弾。参加バンドは日本、韓国、中国。パンク系は苦手だけど、ジャニス・ジョプリンの「サマータイム」をコピーした中国のバンドにつられてつい購入。あまり聴かないだろうなあという予感。(11・14)
1「Pennty geen」belters(東京)
2、「Fuck shit up」nonstopbody(韓国)
3、「Go ahead!!」AMP PEZ(静岡)
4、「Boys Don’t Cry」mummy the peepshow(大阪) 
5、「Grandpa Train」world wide love(福島)
6、「Summertime」hang on the box(北京)
7、「これからの君に… shrimps」(高松)
8、「PAPAPA」BU☆Li(札幌)
9、キャトルドッグ BU☆LI
10、「LADY WENDY」mummy the peepshow
11、「LET’S FIGHT」non stop body
12、「THE UGLY SIDE OF THE FACE」hung on the box
13、「サムライズムで斬!」world wide love
14、「17−SWEET HONEY BABY BABY」amp pez
15、「夏の花」SHIRIMPS
16,「HAPPY HOP!」belters

aine[Round」@Baby Boy records
アイネ 
FMラジオのDJもやってるaineのセカンドシングル。歯切れのいいギターのシャッフルにのせて、シェリル・クロウばりのロックボーカルが炸裂する。初めて聴いたが、これは拾い物。(★★)
1、Round
2、同じ風
3、A broken Flower

Tina「This one’s for you」@ユニバーサルミュージック
ティナ
 Tina初の本格的バラード・マキシシングル。メインアレンジ・バージョンのほかに英語詞バージョン、アンプラグド・バージョンが収録されていて、Tinaのしっとりとした情熱的なバラードが3パターン味わえる。うまいんだなあ、相変わらず。表現力の奥深さ、枯葉舞う都会の冬の散歩道にぴったりのスローバラード。11・08(★★★)
GO!GO!7188「とのさまツアー2001於日比谷野外音楽堂=DVD@東芝EMI
とのさまツアー
 やっぱりこのグループはライブが一番似合う。映像が始まった瞬間、体中の血液が沸騰、中島優美(ギター、ボーカル)のキュート&ポップな演奏にシビれてしまった。「カッコいい」のひと言。「蒼い星くず」「恋のフーガ」とレトロな曲も泣かせる。浜田亜紀子(ベース、ボーカル)、ターキー(ドラムス)−−3人の個性が際立つ最強のギターポップバンド。あまり売れずにこの線でしばらく楽しませてほしい。(★★★)10・30

 01、ロック
02、西部
03、行方不明
04、ゆげ
05、C7
06、蒼い星くず
07、恋のフーガ
08、君といつまでも
09、あぁ青春
10、ドタンバでキャンセル
11、ぬかるみ
12、ジェットにんじん
13、太陽
14、文具
15、パンク
16、こいのうた
17、ひょっこりひょうたん島
18、かみなりが鳴ってたくさん雨が降る

「ヘイ! ブルースマン!」@エアプレーンレーベル/T.E.E
ヘイ!ブルースマン
 ”ウィーピング・ハープ・セノオ”ことナンバーワン・ブルースハープ奏者、妹尾隆一郎、元トランザムの西濱哲男、元キャロルの内海利勝、「大西順子トリオ」の荒巻茂生、元「ウエスト・ロード・ブルース・バンド」の松本照夫、5人のベテラン・ミュージシャンのごきげんなセッション。「01」は西濱のドスのきいた渋いボーカルがなんともいえずいい。「03」はおなじみのブルースナンバー。ホンモノを知る男たちの和気あいあいとしたセッション。(★★★)
01、Hey! Blues Man!/02.Rock Me!/03.Sweet Home Chicago
SAKURA「光の海」@東芝EMI
光の海
 緩急自在、スケールの大きいボーカル、甘くせつない歌の世界の広がりーーいま一番安定しているのがSAKURAだろう。「永遠が見えるまで探し続ける 二人のかたち」と愛の航海を歌う表題曲は秋にぴったりのラブソング。(★★★)
 01.光の海/02.JOYandPAIN/光の海(inst)

Soul lovers「Everyday Sunshine」@REーWIND RECORDINGS
ソウルラバース
 5thマキシシングル。表題作は80年代の香りがするハウスミュージック。02.のDREAD LADYは8分を超すレゲエナンバー。いつまでもひたっていたいmahyaのボーカル!(★★★)
キース・ジャレット「ウイスパー・ノット」@ECMレコード
ウイスパーノット
 療養のため、長いこと活動停止していたキース・ジャレットの再開作。スイングジャーナル・ゴールドディスクを受賞した名作。久々に聴いたけど、ソロとは違うコラボレーションの味わいがあり、キース健在を確認。

1、Bouncing With Bud/2、Whisper Not/3、Groovin’High/4、Chelsea Bridge/5、Wrap Your Troubles In Dreams/6、Round Midnight/7、Sandu/8、What Is This Thing Called Love/9、Conception/10、Prelude To A Kiss/11、Hallucinations/12、All My Tomorrows/13、Poinciana/14、When I Fall In Love

<パーソネル>
Keith Jarrett piano
Gary Peacock double−bass
Jack Dejonette drums
「喫茶ロック」〜風をあつめて@東芝EMI編東芝EMI
 (01)は2nd「風街ろまん」から。(02)はフォーククルセダース解散直後に出したシングル。ほのぼのとしたフォークポップ。(03)はその後の久保田麻琴からは想像できないオフコースふう叙情フォーク。(06)は西岡たかし「5つの赤い風船」の紅一点・藤原秀子のソロアルバムから。この声を聴くと60年代だなあ、としみじみしてしまう。(08)はジャックスのローディーだった高橋照幸の伝説的ユニット。(09)は作詞・作曲=西岡たかし。中川イサト、瀬尾一三、金延幸子が参加。(11)は小島康子、相馬淳子、桜庭よし子、杉田久美子の4人の女性フォークグループ。村井邦彦プロデュース。(13)は西岡たかし、木田高介、斎藤哲夫、加藤和彦、細野晴臣らのセッションバンド。(14)は三保啓太郎のバンド・ホワイトキックスのボーカリストのシングル盤。73年録音だが、ソウルフルな歌声は、最近のJポップ盤といわれても気がつかない。(16)は今聴くと結構ハイレベルなフォークデュオだったんだなあ、と再認識。(17)は大瀧詠一が変名で編曲したシングルのアルバムバージョン。細野晴臣編曲。

01.風をあつめて(はっぴいえんど)/02.僕のおもちゃ箱(加藤和彦)/03.あさの光(久保田麻琴)/04.すきま風(オフコース)/05.今日は空が雨で出来てる(りりィ)/06.去りゆくものは(藤原秀子)/07.風が焦げる匂いがするだろう(柳田ヒロ)/08.マリー・ジェーン(休みの国)/09.マリアンヌ(愚)/10.静寂(野沢享司)/11.失われたもの達(ROW)/12.雨あがりのビル街ー僕は待ちすぎてとても疲れてしまった(遠藤賢司)/13.何がなんだかわからない説き(吐痙睡舐汰伽藍沙箱)/14.彼へのおくりもの(森野多恵子)/15.小さなおまえ(ジローズ)/16.誰かのために(トワ・エ・モア)/17.時にまかせて(金延幸子)/18.かごの中のカナリア(イースト)/19.街の海(中川イサト)
「喫茶ロック」〜キング編@キングレコード

 キング(01)(05)は2ndアルバム「かなしみごっこ」から収録。フォージョーハーフ(小坂忠のバックバンド)、かまやつひろし、ガロ、荒井由実、高橋幸宏の兄・高橋信之らが参加。(02)は細野晴臣の1stアルバムから。これが松任谷正隆、鈴木茂、林立夫、駒沢裕城らキャラメルママ、ティンパンアレーへにつながる。(06)はココナツバンクに移行する前の伊藤銀次のバンド。(09)は鈴木慶一・ムーンライダースの前身ユニット。自由劇場の吉田日出子らを中心に、劇団周辺で活動していた仲間の定期ライブ公演盤。大津彰はつかこうへいの音楽担当をしており、この曲は坂本龍一が編曲している。(12)は東京キッドブラザースの坪田直子のリリカルな声が印象的。(14)は第八次六文銭の作品。ボーカルは原茂。(18)はキャメル・ママとのセッション。こんなにスイング感あふれる歌だったとは。南正人のよさはオトナにならないとわからないようだ。


01.やさしい朝の唄(小林啓子)/02.恋は桃色(細野晴臣)/03.氷雨月のスケッチ(はっぴいえんど)/04.忘れ物(佐藤博)/05.昼下がり(小林啓子)/06.のぞきからくり(ごまのはえ)/07.まちのうた(BUZZ)/08.それは僕ぢゃないよ(大瀧詠一)/09.月夜のドライヴ(はちみつぱい)/10.とても長い橋を僕は(大津彰)/11.カラカラ秋風(銀河鉄道)/12.ジュン(坪田直子)/13.古井戸(トラスト)/14.私の家(六文銭)/15.日の暮れぬままに(キリギリス)/16.夜の窓はあけたくない(クニ河内)/17.春を待って(神崎みゆき)/18.五月の雨(南正人)/19.風来坊(はっぴいえんど)
「喫茶ロック」ソニー・ミュージック編@ソニー・ミュージック・エンターテインメント

ソニー 1960年代後半から70年代前半にかけて隆盛を誇ったフォーク・ロック。岡林信康、初期の吉田拓郎などが持つメッセージフォーク、はっぴいえんどが提唱した日本のオリジナルロック、「赤い鳥」「オフコース」などの叙情フォークなどが渾然一体となっていた音楽カテゴリーのことだ。それはユーミンこと荒井由実の登場によってやがてニューミュージックの名称で一くくりにされていくわけだが、音楽的な多様性を内包したフォーク・ロックには今聴いても古びない名曲が多い。いわゆるヒット曲ではなく、シングル盤のB面やアルバムの中の知られざる名曲を集めた「喫茶ロック」はコンピ盤としては異例の作りだが、それだけに新たな発見があり、当時聴き逃した世代にもまた初めて聴く世代にもうれしい曲がそろっている。

 ジャズシンガーのイメージが強い笠井紀美子の(03)は珍しくロック歌謡の趣き。岡林信康の(12)は松本隆プロデュース、後藤次利、矢野誠、伊藤銀次らがバッキング。斎藤哲夫の(15)はシタールを効果的に使ったバラードポップ。つのだひろの(20)はサディスティック・ミカバンド入りを蹴って結成した自前バンドの3rdアルバムの中の1曲。「♪春も夏も秋も冬も君は静かにほほえむ」と歌うフォーク調。(1)のガロは「学生街の喫茶店」だけでなくこんな正統路線のポップロックを歌っていたんだと再認識。

01.地球はメリーゴーランド(ガロ)/02.忘れていた朝(赤い鳥)/03.四つの季節(笠井紀美子)/04.はずかしそうに(小坂忠)/05.うん、と僕は(センチメンタル・シティ・ロマンス)/ 06.やすらぎの世界(成田賢)/ 07.風は何も恐れはしない(杏)/08.種子(カルメン・マキ)/09.僕を呼んでおくれ(MAO)/10.水に沈みゆく影(五輪真弓)/11.ねえ君(古井戸)/12.あの娘と遠くまで(岡林信康)/13.動物達の世界(チューインガム)/14.高円寺(吉田拓郎)/15.今日から昨日へ(斎藤哲夫)/16.雨模様(愛奴)/17.君が気がかり(野沢享司)/18.ゆうだち(中川イサト)/19.僕の家(アーリィタイムス・ストリングス・バンド)/20.風ごよみ(つのだひろとスペース・バンド)/21.輝く明日はない(杏)
「ニューロックの夜明け 番外編5」@ビクターエンターテインメント

浅川マキ ナツメロブームだが、こういう掘り出しレコードのコンピアルバムこそうれしい。70年代前後の埋もれたシングル盤を収録している。

 布谷文夫は大瀧詠一のナイヤガラ音頭でおなじみ。東京R&B5→タブー→ビッキーズ→ブルースクリエイション→DEW→ソロ活動。これが布谷の軌跡。ソロ第一弾が「からのベッドのブルース」。ウッドベース=細野晴臣、ピアノ=矢野誠、ドラムス=松本隆、アレンジアドバイザー=大瀧詠一。言わずと知れたはっぴいえんどメンバーがズラリ。02「台風」はそのはっぴえんどのカヴァー曲。
 03、04、05は頭脳警察のアルバム未収録シングル。06、07はゴールデンカップス脱退後のミッキー吉野のセッションバンド。06はグラスルーツのカバー曲。北山修の日本語詞。

 08、09は浅川マキのデビューシングル。唯一のビクター盤。
 10、11は寺山修司の秘書・田中未知の秘蔵っ子だった荒井沙知による映画「もう頬杖はつかない」(東陽一監督)の主題歌。寺山修司・作詞、田中未知・曲、JAシーザー編曲。

12は詩人の富岡多恵子が歌っている超珍しいレコード。しかも、「無名で才能のある若者を探してほしい」との富岡の指示で、まだ大学在学中の坂本龍一に白羽の矢が立ったという。まさに珍盤だが、坂本龍一の音楽的才能の萌芽が見える。
 そのほか、フォークソング時代のもんたよしのり(門田頼命)の珍しいプロテストソング、無名(変名)時代の宇崎竜童の曲なども収録。(★★★)2001.09.26

01、「からのベッドのブルース」布谷文夫/02、「台風」布谷文夫/03、「孤独という言葉の中に」頭脳警察/04、「今日は別に変わらない」頭脳警察/05、「いとこの結婚式」頭脳警察/06、「ベイビー・ホールド・オン」サンライズ/07、「Music Town」サンライズ/08、「アーメン・ジロー」浅川マキ/09「東京挽歌」浅川マキ/10「もう頬杖はつかない」荒井沙知/11、「しゃぼん玉消えた」荒井沙知/12、「歌いましょうひとりで」富岡多恵子/13、「早川義夫さんに捧げる唄」山本コータロー/14、「この足の鎖ひきちぎりたい」もんたよしのり/15、「イブのブルース」もんたよしのり/16、「乾いた世界」もんたよしのり/17、「イエス・マン」まざあ・こんぷれっくす/19、「電気くらげ」ダディ竹千代と東京おとぼけCATs/20、「なかよし音頭」/ダディ竹千代と東京おとぼけCATs
KAZUHUMI KODAMA A.K.A.”ECHO”fromDUB STATION「Pistol Opera soundtrack」
pistol
 鈴木清順監督「新・殺しの烙印 ピストルオペラ」のサウンドトラック盤。音楽監督、こだま和文。2曲目の「野良猫のテーマ」はエゴ・ラッピンの中納良恵の作詞。これがなんともカッコいい。鈴木清順監督とエゴーーなんともスリリングな組み合わせではないか! 豪華版写真集が封入されているので値段は2、205円とやや高め。(★★★)

01、野良猫のテーマ(trumpet solo/slow)/02、野良猫のテーマ(meets EGO−WRAPPIN’)/03、野良猫のテーマ(strings+piano version)/04、野良猫のテーマ(steelpan solo)/05、殺しのブルース/,06、テーマX(main version)/07、テーマX(piano version)/08、テーマX(trumpet solo)/09、ULUK(steelpan solo)/10、FLAG(trumpet solo)/ボーナストラック=野良猫のテーマ(フィーチャリングTICO from Little Tempo)
KÅÅNA「KÅÅNA」@東芝EMI
 kaana
  R&Bというよりもレゲエシーンで人気のあるカーナ。もうとっくにアルバムを出していると思っていたが、これが 初アルバムだったとは意外。個性的で多彩な表情を見せるボーカル、抜群のリズム感、これぞレゲエバイブレーション。16の「そっと目を閉じて01」はカーナの代表作。やはり名曲だ。(★★★)

01、Introduction/02、Sad Song/03、Emotion/04、Dancehall fire/05、interude#1/06、Dear Sweet Love〜夜明けと落日に〜(Dawn Sky version)/07、interude#2/08、雨の日/09、interude#3/10、青の世界/11、interude#4/12、Life Goes Around(Dancehallmix)/13、Together〜このまま〜/14、同じ夕陽/15、KAANAS DAWN/16、そっと目を閉じて’01/17、Dear Sweet Love〜夜明けと落日に〜(Afterglow version)/18、Sad Song Remix
Shifo「Tom’s diner/seeds」@OWL WORKSshifo

 ユニバーサルミュージックがプロデュースしたR&Bのコンピアルバム「I LOVE R&B premium CLUB master」に日本人として唯一参加したShifo。その実力が遺憾なく発揮されたのが本作。タイトル曲はスザンヌ・ヴェガの名作。ソウルフルなバックコーラス、淡々と歌い上げる情感豊かなメインボーカル、そのすべてを一人で担当。この先が楽しみな歌姫がまた一人誕生した。(★★★)

01、Tom’s Diner/02、seeds/03、Tom’s Diner(Original mix)/04、Tom’s Diner(instrumental)/05、seeds(instrumental)
Hiro:n「Dirty Shoes」@日本コロムビア

hiron 北海道出身のキューティーガールhiro:nのニューマキシ。「♪汚れた靴でリズムとるあなたをまたひとつ好きになる」とせつない恋を歌うDirty Shoes。ハイトーンな彼女の声質が好き。(★★)
 01、Dirty Shoes/02、Rendez−vous/03、Dirty Shoes−DJ KRUSH Remix
畠山美由紀「輝く月が照らす夜」@東芝EMI
hatakeyama
 ギタリスト・小島大介とのユニット「ポート・オブ・ノーツ」のボーカル・畠山美由紀のソロデビュー作。大人の雰囲気を漂わせるしっとりとした表現力。ジョニ・ミッチェル、キャロル・キングといった70年代女性シンガーソングライターの系譜につながる正統派ボーカリストだろう。03はトッド・ラングレンの曲。(★★)
 01、輝く月が照らす夜/02、青い夕凪/03、A Dream Goes On Forever
唐沢美帆「ライヴ」@ポニー・キャニオン
ライヴ
 アーティストの好き嫌いはやっぱり声質による。その意味で、唐沢美帆の声は好みなんだなぁ。ストレートでのびやか、クセのない歌い方。「ぬるくなった缶ジュース飲み干し やっと空の青さに気づいた」と歌う02は古きよき時代の女子高生の書くさわやかさな詞を思わせる。胸がせつなくなるスローバラード02に★★★。2001.09.09
1、ライヴ/2、two of us/3、ライヴ(tiny vocal)/4、ライヴ(inst.)/5、two of us (inst.)

小川範子「ホオズキ」@kaeru cafe
 ホオズキ
 テレビや舞台だけじゃなく、歌手としてライブ活動も続けている小川範子がミュージシャン・ヲノサトルと組んだ新譜。クレモンティーヌが好きという彼女のボーカルはどことなくフレンチポップスの香りがする。今回はより大胆に変身。セクシャルでバイオレンスな詞は、脱・清純派を目指す新展開か。素直なボーカルに好感。(★★)2001.090.09

1、ホオズキ/2、Queen,KIng,Joker/3、ヴァンパイヤ/4、星/5、共謀者/6、90年代/7.ヴァンパイヤ(virtual philharmony Mix)/9、共謀者(Groove Mix)
Organs cafe「ah〜 Never Forget You」@ZAINレコード
オーガンズカフェ
 organs cafeのセカンドシングル。加藤沙果菜のボーカルに艶とのびやかさが加わり、前作よりはるかにいい出来。春の陽だまりのようなぬくもりのある歌。でも、甘いチョコレートと一緒で、何度も聴く歌じゃない。(★)2001.09.09
1、ah〜 Never Forget You/2、夏の匂い/3.ah〜 Never Forget You(all that jazzmix)/4.ah〜 Never Forget You(less vocal)
Organs cafe「カカリア」@ZAINレコード
カカリア  
  カヴァー曲「Nothing to declare」でインディーズ・デビューした加藤沙果菜(22)が率いる5人組バンド。”カカリア”は 和名が“絵筆菊”という花。花言葉は“秘めたる恋”。その花言葉に託した片想いを歌っているが、音もボーカルも平凡で、伝わってくるものがない。アイドル系バンドの一つだろう。(★)2001.09.09
1.カカリア/2、晴れ。時々は下り坂/3、カカリア(all that jazzmix)/4、カカリア(less vocal)
asa「Do me」@flexy
アサ
 デビュー前に、m-flo の Lisa が参加したユニット「BLUE ON BLUE」の作品にもフィーチャーされるなど、早くから実力を認められたasaのマキシシングル。R&B、ヒップホップレーベルのFlexyがプッシュするだけあって、小手先のテクニックにとらわれない安定したボーカルが光る。ただ、際立つほど個性的ではないというのが難点。(★★)2001.09.09
1、朝/2、Do me/3、ざくろの色/4、朝−after summer remix
小島麻由美「MY NAME IS BLUE」@ポニー・キャニオン

 小島麻由美 昭和歌謡、あるいはキュートなジャジー・ポップの元祖・小島麻由美。このところ、ライブ盤やベスト盤で”お茶を濁してきた”が、今回3年ぶりのオリジナルニューアルバム。独特のスキャットも健在。
 03はディブ・ブルーベックの「テイク・ファイヴ」ばりの変則5拍子のラブソング。05、06のジャズ・テイストの曲が好き。(★★)2001.09.09
 1、甘い恋/2、doo−bee−doo−goo[scat]/3、エレクトラ/4、Study in A−minor[inst.]/5、黒猫/6、背後に気をつけろ!/7、星に願いを/8、ブルーのテーマ[scat]/9、ひまわり/10、あの娘はあぶないよ/11、わいわいわい[アルバムバージョン]
「TRIBUTE TO YASUYUKI OKAMURA EP」@ビキニレコード
朝日美穂
 朝日美穂、直枝政広&ブラウンノーズによる岡村靖幸トリビュートミニアルバム。ジャケットは漫画家の江口寿史。仕上がりが遅くて、発売に間に合うか朝日美穂が気をもんでいたという。せっかく江口寿史を使った割にはデザインがイマイチでまるでそのへんのインディーズ盤のようなチープさ。音の方は上田禎をフィーチャーした3、がかろうじて好みの範囲内。しかし、「ファミコンやってディスコに行って知らない女のコとレンタルのビデオを見てる」なんていう歌詞の俗っぽさ、チープさはなんとかならんのか。せっかくのスローバラードもその歌詞に思わず笑ってしまう。考えてみれば、70年代のフォークやユーミンは偉大だった。どんなに卑俗であっても「詩」になってたもの。(★★)2001.08.21

1、大好き(朝日美穂)/2、あの娘ぼくがロングシュートを決めたらどんな顔するだろう(直枝政広&ブラウンノーズ)/3、カルアミルク(直枝政広&朝日美穂 featuring上田禎)
ゴーグルエース「セコハン・ラブ 中古の恋でもいいかしら」@K・O・G・A Records
ノーザンロック
 ”60年代フォロワーズ”ゴーグルエース2ndアルバム。相変わらずのGS、テケテケ、ムード、サーフミュージックミクスチャーがも絶好調。5,8,10は60年代にヒットした日本語カバー洋楽。単なるノスタルジーではなく、2001年のテイストを織り込んだオリジナルサウンドが楽しい。惜しむらくは女性ボーカルEriがちょっと弱い。(★★)2001・08・21

1、Count−ups&down to the Secondhand Love/2、サラバで行こう/3、夕陽のロック/4、A Sharp cut−man vs AWildDrive−Man/5、ハンガリアン・ロック/6、Mad Dice Go A Go/7、ヤンヤン’01/8、レッツ・ダンス/9、Silver510sss/10、月影のナポリ/11、俺のバイクのケツに乗せて
ゴーグルエース「太陽ピチガイ」@K・O・G・A Records
ゴーグルエースファースト
 男3人女1人の長野県出身バンドによる遊び心いっぱいの1stアルバム。60年代のGSサウンズ、ムード歌謡、青春歌謡、ロックンロール、ベンチャーズをごった煮にしたようなワクワク・サウンド。「キャーッ」とい女の子の悲鳴をフィーチャー、「テケテケテケ」のエレキギターを駆使したり、60〜70年代世代にはのけぞり笑いで楽しめる1枚。こういうセンスは大好き。(★★)

1、Y・M・G・A/2、handcuffsman悲しみの手錠男/3、恋の赤リンゴ/4、spy out the bug盗聴器を探せ/5、洋ナシはいかが?/6、魚眼レンズで見ればいい/7、渚のオートバイ/8、エクボの太陽/9、僕のステッキ、君のステップ/Black Sand Beach/恋のドクター
ラリーパパ&カーネギーママ「Good Times Are Comin’」@citymusicラリーパパ
 
関西地区でブレイクした男4人女1人のバンド。70年代のセンチメンタル・シティ・ロマンス、はちみつぱい、夕焼け楽団など初期のフォーク&ロックをほうふつとさせるノスタルジックサウンド。ゲントウキといい、このラリーパパといい、ジャケットからライナーノーツまで今なぜか70年代ブーム?(★★)2001.08.16

1、冬の情景/ふらいと/まちとまち/風に乗って
ゲントウキゲントウキ「お前の足跡」@childish soup

 男3人組みのギターバンドによるポップセンスあふれる1stミニアルバム。Lucy Van PeltやNona Reevesなどと共通するハーモニーとセンチメンタリズムが心地よい。キリンジと共通するテイスト。(★★)2001.08.16

1、どうか思い出して/2、お前の足跡/休日/カフェオーレ/ふたりの生活
SLOW「ON YOUR LOVIN’」@ユーズ音楽
スロウ
 「遂に動き出した正真正銘ジャパニーズ・ディーバ」の惹句につられて視聴もしないで買ってしまったが、ウーン、意外と凡庸な歌姫。もう少し聴きこまないと味がわからないか?★★

1、ON YOUR LOVIN'/2、BabyU/3、4、5、6=ON YOUR LOVIN’別バージョン
SUGAR SOUL「SOULMATE」@ワーナー・ミュージック・ジャパン
ソウルメイト 
  AIKOのボーカルの魅力は表情豊な官能性にある。新譜は「あなたにあげた愛の炎たやさないでいつまでも」と愛の永遠を謳いあげるスローバラード。ハード路線もいいけど、この平易さの方が好き。(★★★)
(2001.07.31)
V・A/DANCEHALL DIVAS@ニッポンクラウン
レゲエディーバ レゲエシーンの先駆者・NAHKIがプロデュースしたオリジナル・レゲエ・オムニバス。女性アーチスト10人がダンスホールスタイルで集合。オーディションで厳選しただけあって、実力派ばかり。猛暑にぴったりの一枚。
 参加メンバーは以下の通り。
1、FLY、GIRL、FLY(BABY−M&NAHKI)
2、I WANT YOUR LOVE(SHYNDICATE GIRL)
3、ZERO〜恋の逃避行(荻野桂子)
4、SUMMA FLING(JAMOSA)
5、大江戸ゲットー・ガール(REENA)
6、YELLOW MAMA(IZ)
7、ドキドキウキウキ恋愛気分(麻夕)
8、NAMIDA WO FUITE(広木由架)
9、NO WAY OUT(SABUU)
10、SOUTH SONG(池間アカネ)
(★★★)
(2001.07.25)
PUSHIM「COLORS」@KI/OON RECORDS
プシン

 ファーストアルバム「GREETING」ではレゲエ、R&B、ヒップホップと多彩な貌を見せたプシン。しかし、本領発揮はやはりレゲエミュージック。今回はまるごとレゲエ盤。08.では60年代にフォーククルセダースが歌ってでヒットした「悲しくてやりきれない」(加藤和彦・作曲、サトーハチロー詞)を取り上げている。(★★★)
01.Burn Fire/02.Heavenly/03.Music is Mystic/04.Set Me Free/05.Crystal Flower/06.Lyrical Feeling/07.Candy(featuring UA)/08.悲しくてやりきれない/09.波が…/10..For Your Song/11.I'ts Goin' on/12.Clors/13.Vibes Up(DJ WATARAI Remix)/14.Vibes Up (Future Funk Remix)
久保田麻琴「ON THE BORDER」@ビーンズレコード
 久保田麻琴夕焼け楽団まではよく聴いたが、サンディー&サンセッツ時代はほとんど聴いてない。ワールドミュージックになじめなかったせいだろうか。このアルバムは’00年11月リリース。ウッドストック、ニューオリンズで収録したまさにロード・ミュージック。レボン・ヘルム、ジョン・セバスチャンといった錚々たるミュージシャンが参加。国籍不明のボーダーレスな音楽は久保田麻琴ならでは。夏に聴くとなお心地よい。(★★)
1、Occapella/Gator point of View/Bon Temps Rouler/Magic Hotel Incident/遠い願い/Marrano/Blessing/Waimanalo Blues/Mezcal/I Can See Clearly Now/DSUK/Me&Bobby Mcgee/Akubi/Oaxaca/Long Gone Lonesome Blues/Rain on the Border
GO!GO!7188「あぁ青春」@東芝EMIああ青春
 
新譜が出るとつい手が伸びてしまう7188のマキシシングル。「あぁ青春」「A・M・7・30」「かみなりが鳴ってたくさん雨が降る夜」を収録。タイトル曲はいつもの軽快なギターポップ。ただ、ひねりのないストレートさがイマイチ薄味でもう一工夫ほしいところ。ブレイクまであと一歩。
(★★)
akiko「GIRL TALK」@ユニバーサル
ガール・トーク
 ジャズの名門・ヴァーヴ・レーベルの初の日本人女性ボーカルとして華々しく登場したakiko。オールディーズ、ロック、カントリー、ドゥーワップ、パンク、ジャズと音楽的な変遷を重ねただけあってそのボーカルの奥行きは深い。99年に中央大学文学部英米文学専攻卒業。好きなアーチストはエリカ・バドゥ、ローリン・ヒル、ドアーズ。甘美で豊かな情感を漂わせるタイトル曲「ガール・トーク」ほか珠玉のスタンダードナンバー。ジャズ界に現れた超新星、これからの活躍と成功は保証されたようなもの。ただ、あまりにもソツがなさすぎてそれが欠点になるかも。はみ出した部分がコクとなるのに、ピタリとおさまりかえっていてムダがなさすぎる。(★★★)
 曲目:Spring can rearlly hang you up the most/Love is here to stay/Don'cha go 'way mad/Crazy he calls me/Close your eyes/Girl talk/Sweet georgia brown/Fly me to the moon/Night and day/Autumn leaves/Honeysuckle rose/Born to be blue/Rim shot-on&on
マイケル・ブレッカー「NEARNESS OF YOU/THE BALLAD BOOK」@ユニバーサル・ミュージック・カンパニー
マイケル・ブレッカー
 テナー奏者マイケル・ブレッカーの初バラードアルバム。ゲスト陣も豪華。2曲目の「Don’t Let Me Be Lonely Tonight」、5曲目の「The  Nearness Of You」はボーカルにジェームス・テーラーをフィーチャー。甘くせつないラブソングをうたいあげている。癒し系音楽が流行している今、泣かせるジャズバラードもたまにはいい。(★★★)
 [パーソネル] マイケル・ブレッカー(ts)/パット・メセニー(g)/ハービー・ハンコック(p)/チャーリー・ヘイデン(b)/ジャック・デジョネット(ds)/ジェームス・テイラー(vo)
Neo「Tiny Honey」@ポニーキャニオン
neo
 名コンピ・アルバム「WIRED」に17歳で参加したNeoのメジャーデビューマキシ。DJ HASEBEがサポートするリミックスも収録。R&B、ヒップホップの心地よさが伝わってくる。ほかに「TEAR DROPS」収録。(★★)
EGO-WRAPPIN'「His choice of shoes is ill!」
99年2月リリース。ギター、ピアノ、ハープ、ボーカルーー見事なアンサンブル。これこそオトナの音楽。
1、SETSUNAI KUDARANAI MUSABORU SONO TE]
2、AKAI NUKUMORI
3、MR.RICHMAN
4、AMAI KAGE
5、BYRD 
(★★)

EGO-WRAPPIN'「SWING FOR JOY」@RD RECORDS
スイング
 
ライブを含む1999年のインディーズ盤。粘っこい中納のボーカルがライブで生きている。収録曲は以下の通り。
1、FINGER
2、Rendezvous under the moonlight
3、A Love Song
4、官能漂流
5、Calling me(snow dolphin mix)
(★★)
EGO-WRAPPN'「Blue Speaker」RD RECORDS
1、平凡にして非凡なる日傘/2、Bright/3、Its A Miracle/4、No name/5、EGOLOGY/6、PAPPAYA/7、SUGAR/8、A LIE/9、SO BLUE/10、MONOTONOUS LIFE/11、平凡にして非凡なる日傘(REPRISE)
ブルー・スピーカー
 98年リリースのインディーズ盤。中納良恵のボーカルもソフト&メロウで、まだ”普通”のジャズ&ブルースシンガーの域を出ていない。黒っぽい音を目指しているのはわかるが、消化し切れていない。次への助走作といったところ。(★★)


EGO−WRAPPIN’(エゴ・ラッピン)「色彩のブルース」「満ち汐のロマンス」@ポリドール
色彩のブルース
 満ち汐のロマンスこのサウンド、ボーカルーー「色彩のブルース」を耳にした瞬間、大量のアドレナリンが体中を駆け巡った。久しぶりの胸の高鳴り。ジャズ、ブルース、ソウル、ロック、どのカテゴリーにも収まりきらない独特のサウンドと中納良恵(なかの・よしえ)のディープなボーカル。新譜「満ち汐のロマンス」に至っては完璧なアルバム。「むっちゃ、カッコええやん」ーー私が関西人ならそう叫ばずにはいられないだろう。いや、ほんま、このアルバムの気持ちいいこと。ホントの音楽を知ってる人が作った極上のディナー。恐るべし中納良恵。どこまで深化するか見届けたい。(★★★★)2001.06.05
「色彩のブルース」@
1、nervous break down/2、Gigoro/3、色彩のブルース/4、Flowers/5、タバコ

「満ち汐のロマンス」
1、かつて…/2、Room#1102/3、サイコアナルシス/4、Crazy Fruits/5、Calling Me6、満ち汐のロマンス/7、Kind of You
/8、Wherever You May Be/9、PARANOIA


唐沢美帆「Way to Love」@ポニーキャニオン
唐沢美帆
 「わがままでも 勝手でもね 今君に逢いたいよ♪」と女のコのせつない恋を歌うタイトル曲はミディアムテンポのバラード。17歳。典型的な美少女顔に似合わず情感のこもった歌に説得力がある。際立って歌がうまいというわけではないが、そばについていてあげないと悪い男にだまされそうな隣のクラスの転校生といった風情。でも、芯がしっかりしてそう。C/Wは「冷たい雨」。(★★)2001.06.05
五島良子「NOW AND FOREVER#1」@ポリスター
五島
 井上陽水のカバーアルバムがヒットしたからというわけではないだろうが、このところカバー曲が流行の兆し。
 この五島良子のアルバムは昭和の流行歌をカバーしたもので、「ウナ・セラ・ディ東京」「遠くへ行きたい」「星影の小径」「空に星があるように」「忘れな草をあなたに」「夏の日の想い出」「アカシアの雨がやむとき」「見上げてごらん夜の星を」の8曲。どれもが名曲中の名曲。原曲にそった単なるカラオケ・カバーじゃなく、原曲に忠実ながら、五島独自のアレンジを施しているので、飽きがこない。同時発売の「NOW AND FOREVER#2」は洋楽カバー。ビートルズの「In My Life」など鳥肌もの。カバーはこうありたいもの、というお手本のような1枚。ただ、アレンジにバリエーションがないのが難点。
(★★★)
山本美絵「カゲロフ」@リワインド 05.17リリースカゲロフ
 
「カゲロフ」「17」(シングルバージョン)、「かげろう」を収録。美絵多面体とでも言いたくなる歌姫のニューシングル。「いずれ消えゆくもののために叫びはどこへ」と歌う「かげろう」。詞をおざなりにした歌が氾濫している中、シンガーソングライターの系譜を継ぐ山本美絵の存在は貴重。(★★★)
MISIA「MARVELOUS」@BMG

 DCTと組んだり、今やR&Bの歌姫としてミュージックシーンの最前線を独走するミーシャの3rdアルバム。さすがというべきか、ヒップホップ、R&Bを深化させ過ぎて、うっとうしくなったミーシャ現象を自ら打ち壊すべく、今回のアルバムは初期のポップで”聴きやすい”路線に軌道修正。それは、プログレ路線を突っ走り、もはやART・哲学の域にまで達したACOの新作「MATERIAL」と対称的。(★★★)
山本美絵「オナモミ」@リワインド
オナモミ
 マキシシングル「猫」を聴いたときには、あまりのブッ飛びぶりに、のけぞってしまったが、なかなかどうしてその才能たるや、一筋縄ではいかない「くせもの」だ。このアルバムでもその才能の片鱗をさりげなく全編に展開している。曲ごとに変化するボーカルの表情の多彩さは特筆もの。人間精神の暗部に迫る皮肉な歌詞といい、山本美絵は21世紀の中島みゆきか?(★★★)
SAKURA「シシラ」@東芝EMI

 朝本浩文、河野伸、ZOOCOら外部のアーティストに曲、詞を委ねたSAKURAの新譜。一回りスケールが大きくなり、パワーと繊細さが同居した絶妙なボーカルで恋の切なさをうたい上げる。スロー、ミディアムテンポのバラードは彼女の独壇場。駄作なし。どれもがすばらしい逸品。@ONEAコエヲキカセテB愛する人よCパーフェクト・キスDETERNALLYEはじまりFくちづけGESSENCEHSO DIVINEIThe ∞ place we wanna beJSista siataKPrecious Love
(★★★★)
蜂の巣城勝野慎子「蜂の巣城」@ニッポンクラウン

 「カクシゴト」「リラ」「いやな予感」などのマキシシングルと新作を収録した初アルバム。女のコのせつない思いやシニカルな日常の機微を歌わせたら勝野慎子の右に出るものはいないんじゃないか。特に「この際 雨上がりの窓を開け リラの香りに包まれて このままあなたを殺してしまおう そんなこと」と歌う「リラ」は叩きつけるようなボーカルの後ろに繊細な情感をたたえて、出色。これからは勝野の時代が来る。(★★★★)
gogo7188GO!GO!7188「ドタン場でキャンセル」@東芝EMI

 「ドタン場でキャンセル」「文具」「地中海」を収録。 ユウとアッコのツインボーカルがキュート。「ジッタリン・ジン」や「ノーマ・ジーン」みたいな(ちょっと古い!)遊び心いっぱいのソリッドなギターバンドで、もっともっと売れてもいいと思うのだけど。ちょっとマニアっぽさが入っているのが、それに歯止めをかけているのかも。(★★)
葛谷葉子葛谷葉子(くずや・ようこ)「最後の夜」@エピックレコード

 ほかのアーティストに提供した曲を、新たに自分でリリースしたという。それだけ思い入れのある曲なのだろう。確かに売れ線を突いている。ミディアムテンポのしっとりとしたバラードで、一度聴くと耳について離れない。ジャケット写真もGood!(★★★)
quererQuerer「HOW I LOVE YOU」@ビクター

 「♪ 祈るように瞳閉じて 頬に感じる風の色〜」というサビの部分の高音域が露崎女に似ている。ということは、うまいということ。 ブラジルと日本とのハーフ。音感は確かだ。1作目はあまり好みではなかったが、これはいい線いってる。(★★)
lovable002「LOVABLE.002」@RIP CURL
ヒップホップ、R&Bの名盤「DIGABLE 001」のオール女性ボーカル版。「DIGABLE001」からハイトーン・ボイスのSHO「月が空を泳ぐ間…」を収録。聴くほどに味が出る名作。ほかに「beret」「delighted mint」「wild peach」「chappara」「Boo−Doo−Boon」「ナンバキイチロウfeaturing RINAKO」と、今のクラブシーンで活躍する実力派が参加している。隠れた名盤だ。(★★★)
ティナ2000Tina「Love Tina2000」DVD@徳間ジャパン

 ティナのボーカルを聴くとホッとする。艶と伸びのある声。スケールの大きな表現力。「MAGIC」「迷路」「I’ll be there」…シングルヒットした曲をライブ映像で見る至福の時。やっぱりいいものはいい。ライブで音程がずれるのもご愛嬌。(★★★)
風の庭イノトモ「風の庭」@クラウンレコード

 アコースティックギターと押さえ気味のボーカル。これがセカンドアルバム。3rdの「やさしい手。」のシンプルさに比べると、これでもうるさく聴こえてしまう。イノトモのボーカルはストレート&シンプルがいい。なるほど、去年、これを聴いてイノトモを買わなかったわけがわかった。音が作りすぎなんだな。(★)
美菜呼美菜呼「美菜呼」@Ajaレコード

 「癒し系」「”逢いたいよ”がシングルヒット」という謳い文句につられてこれまた、聴かず買い。ネーミングがストリート系を思わせるし、「自転車の鍵」という歌の歌詞が「自転車の鍵がみつからない、つけっぱなしなら、と期待して、ふっと見た。やっぱりなかった。一週間探しても見つからない…」。おいおい、どこが癒し系なんだ。お笑い系の間違いじゃないの。裏ジャケットは電話ボックスでしっとり憂いの横顔が結構サマになっているのに、「あんたの心の中に 少しでもあたしがいればいいのに。逢いたいよ」と歌われてもなあ。ジャケット買い3点大爆沈の巻(★)
MEMe−「棘のある女」@フォーライフ

 これまたジャケットだけで買ってしまった1枚。ビデオ付きで1300枚限定の宣伝文句につられてしまった。トホホ。想像した以上でも以下でもないハードコアポップ。重ね録りしてボーカルが背面にあるため、せっかくのキューティーボイスが生かされていない。うーん、なんだかなあ、の一枚。(★)
SOLTSOLT「beautiful voice」@CFC

 小柳ゆきの姉・裕美が紅一点ボーカルを務めるインディーズバンド「SOLT」。硬質なロックバンドで、裕美のボーカルは妹に比べてやや線が細く高音域が苦しい。楽曲に恵まれていないためもあるのか、凡庸な印象しか受けない。視聴せずに買うのはリスクが大きかった…。イラストをあしらったジャケットはちょっとしゃれているのに。(★)
イノトモ やさしい手イノトモ「やさしい手。」@クラウンレコード
1、落ち葉の道/2、富士/3、夕やけ/4、消えないもの/5、やさしい手/6、冬の匂い/7、愛のコロッケ(サンアイホームCM曲)

 ”キミが最後に振り返ったとき ボクはうまく笑えたかなァ”と歌う「落ち葉の道」、「遠い目をしたキミを見てると 不思議とボクは哀しくなった」ーー「富士」。

 
「キミ」「ボク」を多用するイノトモのか細い声と繊細な叙情は、どこか70年代の森田童子と通じるものがある。むろん、森田童子は1970年という政治の季節の挫折を背景にしていて、「個」に退行した現代の若者の感傷とは別ものだ。しかし、哀しいまでにやさしい青春の叙情は共通する。「もうすぐボクは大人になるよ。離れた場所で暮らしてゆくよ」(やさしい手)を聴いていると、忘れかけていた何かが胸の底からこみ上げてきて、思わず涙ぐみそうになる。(★★★)
露崎春女プレイヤー露崎春女「プレイヤー」@ソニーミュージック・エンターテインメント

 Misiaが出てこなかったら、たぶん、この人がR&B中興の祖としてもっと活躍したのだろうけど、タイミングが悪かった。Misia超新星が爆発して、その周りに様々な惑星が出来たためにすっかり影が薄れてしまった。彼女が登場したときにはその抜群の歌唱力に度肝を抜かされたものだが、今となってはそのうまさが逆にアダになってイマイチ時流に乗れない。新譜タイトルはprayer=祈り。相変わらず抜群のグルーブ感。C/Wは「Ride On Time」。山下達郎の往年のヒットナンバーだ。無難に歌いこなしているのはさすが。もっと売れてもいい人なんだけどなあ(★★)
ボニーピンクBONNIE PINK「Take Me In」@ワーナーミュージック・ジャパン

 こちらも、ここのところご無沙汰のボニー・ピンク。スウェディッシュ・ポップのトーレ・ヨハンセンから離れて、今回は昔とった杵柄。R&Bに里帰り。とはいっても、オシャレ系の匂いがついてまわり、軽いR&Bポップという雰囲気。最近のボニピンにしては、聴ける方だが。(★★)
ピチカート・ファイヴ「東京」@ヒートウエイブ
             
もう東京いいやと思いながらも、つい買ってしまうピチカートの新譜はディスカバー・ジャパネスク。「サン・ホセへの道」風の「君が代」、デューク・エイセスをフィーチャーした「アメリカでは」(谷川俊太郎の原詩)、国民総背番号制と携帯電話を皮肉った「現代人」、雪村いづみと野宮真貴の「さくらさくら」TVジーザスのファーストから「キモノ」、そして、はっぴいえんどの「愛餓を」とコアな楽曲がズラリ。ウーン、でもやっぱり聴き終わると「もういいや」と思ってしまうんだな。(★★)

ヒロン・マーガレットHiro:n「マーガレット」@日本コロムビア

キュート、ポップ、グルービー! ヒロンのマキシ第3弾。「マーガレットの似合う女の子になって陽だまりのそばでいつも笑っていたい」と素直な女の子の心情をストレートに歌う。伸びやかで無垢な歌い方、声質が好き。(★★)
エミルー・ハリスエミルー・ハリス「RED DIRT GIRL」@NONESUCH

  久しぶりの新譜。80年代によく聴いたものだけど、名前さえ懐かしい。今は人畜無害・美男美女が主流の米カントリー界に対抗する「オルタナティブ・カントリー」の旗頭として頑張っているとか。年輪を加え、渋さを増したエミルー・ハリスの心意気が感じられる1枚。(★★)
山本美絵山本美絵「猫」@RW

 ジャケットがマンホールのフタが開いて、その中から手首がニュッと突き出ている絵柄。裏面に佐藤藍子似の本人がフタを押しのけ顔を出している写真。こりゃ、リングの「裏・貞子」じゃあーりませんかと苦笑しながら聴くと、「舗道に打ち捨てられた猫の死骸。日ごとに腐っていくのは、あれは猫じゃない」と、おお、懐かしい橘いずみ風のハード・ポップ。(★★)
カーナKAANA「Dear Sweet Love」@東芝EMI
 
インディーズからのメジャーデビュー第1弾。独特のメローな歌声がDJWATARAIとのコラボレーションでより”甘さ”を増した。(★★)
ajicoajico「a beautiful thing」@ビクター

 UAの歌はあまりにもスピリチュアルで敷居が高かったが、浅井健一、トキエ(Rize)、椎野恭一とのユニットバンドでのUAは程よく俗化していてなじみやすい。せつなげなメロディーとソリッドなギターは70年代ロックをほうふつとさせる。(★★★)
タイラーTYLER「Beautiful@BMGファンハウス

 サビが福山雅治の「HEAVEN」そっくり。ちょっと大衆受けを狙ったか。ダンサブルで耳あたりのいい曲だけど、全体にぬるい印象。(★)

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