■平成17年12月 7日 定例会の会議録からの抜粋
(市議会議事録の全体は、市のホームページの市議会のコーナーを参照してください。)
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岡本秀衞議員の質問
通告により、議長のお許しを得ましたので、大きく2つの質問をさせていただきます。
1つ目は、新川千本桜植栽事業について伺います。
八千代市第3次総合計画後期基本計画のリーディングプロジェクトに、未来につなぐ八千代潤いの水辺ネットワーク構想として、「都市化が進展する中で、市域の中心部に位置する新川・桑納川とその周辺は、水と緑の骨格を形成し、市民にやすらぎと潤いを与える八千代市のシンボルゾーンとなっています。」「周辺の緑を生かし、自然とのふれあいの場を創出していきます」としています。自然遊歩道整備事業などで市の名所、市民の誇れる憩いの場所として整備が進められております。休日に限らず平日でもたくさんの市民が、この新川の土手を活用しております。ウォーキングやジョギング、サイクリング、中学校の部活動のトレーニングと、また和太鼓やドラムの練習にと多様に使われております。
桜は大和田排水機場から神尾橋までの7キロ、両岸で14キロ、10メートル間隔で1,200本を超える桜を植栽し、潤いと安らぎの場として一段と充実させてきております。平成13年に、新川千本桜植栽事業委員会が発足し、10月の広報で、桜の里親の募集があり具体的にスタートしました。昨年の春ごろから2期目、3期目の桜がようやく花を咲かせ始め、多くの方の目を楽しませてくれるようになってきております。昨年度植栽した桜が来年の春になれば、新川の両岸が八千代市の新しい名所になることでしょう。
そのような願いを持って、ボランティアの会として新川千本桜の会が平成15年4月に設立されました。創設の趣旨に次のように述べられています。「八千代に市民の誇れる名所を、新川に千本の桜をという構想に、千を超える市民の皆様より賛同を得、桜が植栽されております。10年で成木になるといわれ、らんまんの春が待ち望まれます。しかしながら、川沿いの厳しい自然環境の中で立派な桜に育てるには、成木になるまでの10年が特に重要とも言われております。10年後、20年後の市民が春らんまんの桜のもとで植栽し、育ててくれた人々に対して感謝の思いを抱く春が必ず来るであろうと、我が喜びとして寒風の冬、炎暑の夏に、我が子をいとおしむような愛情と根気を持って桜を育てる自発的活動の人々の集まりを新川千本桜の会として創設するものである」と、こういうふうに述べております。平成15年です。
会員の願い、夢がこの中にあらわれています。平成13年度の10月の広報には、里親とあわせてボランティアの募集も掲載されております。「桜の管理は委員会とともに里親の中からボランティアとして参加できる人に協力をお願いして管理します。」委員会というのは新川千本桜植栽委員会のことで、植栽が実質終了しましたから委員会は解散しております。現在、ボランティアの会員は130名を超えており、年間での参加者は延べ人数で500名以上になっております。しかし、管理は市とともにと書いてあったことから、多くの方はかまを持ち、草刈りなどのだれでもできるボランティア活動だろうと会員になった方が多数です。ところがボランティア活動は想像以上に厳しいもので、次第に参加者が固定化し、減少化の傾向にあります。かま1丁ではどうにもならないのです。新川の堤防の下は他の水路になっていて、アシが生えております。もちろん新川のどこにでもアシが生えていますが、この草は根をしっかり張り繁殖力が旺盛です。放っておくと桜の根元まで押し寄せ枯らしてしまいます。しっかり根切りをしない限り、上の葉だけをかまで切ったくらいでは桜は育てられません。アシだけではありません。ツタクサ、特にヤブカラシと言われているクズのツタは、桜に巻きつき、なかなか手に負えません。それでも多くのボランティアの地道な活動で桜は守られてきています。
しかし、そんな努力にもかかわらず、かなりの桜が枯れてきました。一体どのくらいの数でしょうか。その原因はどんなことでしょうか。新川千本桜の会の方々は、枯れないように昨年から支柱の立て直しに取り組んできています。植栽をして以来、竹の支柱は腐食し、そのほとんどは役をなしていません。ことしはありがたいことに台風が少なかったのですが、昨年は何度も飛来し多くの被害を日本じゅうに残しました。新川の桜もその被害を受け、かなりの数が倒れてしまいました。風をまともに受ける土手の上では、竹の支柱が傷んでいれば倒れるのは当然と言えます。植栽してからわずか2年、市はその間に点検や補修などを一生懸命やったというふうには思えません。ボランティアの皆さんは、市の対応に期待していたのですが、残念ながら期待外れだったようです。
そこで、ことしは台風が来る前に支柱の立て直しをすることになりました。班によっては鉄パイプのくいを打ち、それにパイプをつなぐ、また他の班では丸太のくいを打ち込み、そのくいに竹をバンセンでつなぐなど、各班とも大変な努力をしてきています。竹を使うことにした班では、人づてに竹林を持っている方に渡りをつけ竹を切り出しています。その竹を活動日にトラックで運び支柱としています。その数は数十本にもなります。1つの班の管理本数が100本以上になるわけですから1回の活動日に100本できません。したがって、10本とか20本やりましょうということで延々と続いていたわけです。竹を切り出す人数が足りない班、竹を運ぶトラックの手配ができない班は本当に困っていました。支柱を立てた後に、その支柱と桜の木を風で木が倒されないためにシュロ縄で固定しなければなりません。1本に二、三カ所、それも剪定をしながらの炎天下の作業でした。果たしてこれはボランティアの活動内容でしょうか。そのためか参加者は固定化し人数は減少してきています。
ことし新川千本桜の会のボランティア活動に参加した皆さんが激怒したことがあります。それは桜の木を固定するためにつないだシュロ縄が次の日に鋭利な刃物、多分カッターナイフだと思うんですが、すべて切られてしまったことです。くい打ちと支柱立ては、それまでの支柱を取り除き行いました。したがって、縄を切られてしまうと全く支えがなくなり、桜は最悪の状態に置かれてしまいます。急いで直してもまた切られてしまいました。そこで、ひもではなくて針金を使いすべてやり直した班もありました。余りにも腹立たしいのでパトロールを実施した班がありましたが、最近その針金さえ何カ所か切られております。ある班の代表は警察に告訴したとのことですが、市はどのように対処してきたのでしょうか。
ボランティアの方は里親として我が子のように桜を見守り育てていますが、それでも残念ながら枯れてしまう木があります。病害虫によるものです。新川の土手はくいを打つときに苦労してわかったことですが、場所によっては石や瓦れきなどで固めてあるところがあります。桜の苗が根を張れずに弱ったためとも考えられます。今まで何本の木が枯れたのでしょうか。そしてその後はどのように措置されてきたのでしょうか。
新川千本桜の会の皆さんの努力、また多くの市民の方々の支援で桜は着実に成長しております。ことしより来春は、さらに多くの花を咲かせると思います。木が大きくなればなるほど素人のボランティアでは管理が難しくなります。剪定にしても防虫防疫など専門的な知識と技術が必要とされるはずです。
一方、3月上旬に咲き始める河津桜から5月上旬開花の兼六園菊桜までのおよそ4カ月の管理は、多くのボランティア活動を必要と予想されます。市は管理の一端を担っていますが、今までのところその責任を十分果たしているとは思えません。八千代市の新しい名勝、そして潤いの実感できる魅力あふれた水辺として、市民に安らぎを与える場になるような取り組みを期待したいと思います。そのためにも多くの市民が、この事業にかかわりが持てることが重要です。市が管理しているんでしょうと思っている里親の方が多くいるはずです。そのことを通じて、その方々への積極的な働きかけなど市ができるはずです。そのことを通して市政の理解と参加意識の高揚に役立つのではないかと考えています。どこかのだれかのように丸投げと批判が高まらないよう、今後の方向についてお答えください。
2つ目は、教育関係について伺います。 (略)
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市側の答え
市川卓司土木部長
私からは、新川千本桜とボランティアにつきましての御質問にお答えをさせていただきます。
平成2年に、国は開発が進む都市の中で一番自然が残されています河川区域を市民に開放する方策として、河川管理者以外にも工作物等の設置を認める、ふるさとの川モデル事業を創設いたしました。これを受けまして、八千代市も平成5年3月に新川・桑納川水辺空間整備計画を策定し、同年5月に千葉県と連名で新川と桑納川の一部区域においてふるさとの川モデル事業の認定を受けました。
また、第3次総合計画に位置づけられました花のまちづくり構想の一事業であります新川千本桜植栽構想事業も、ふるさとの川モデル事業に加えたものでございます。この花のまちづくり構想は、花を素材にして美しいまちをつくることにより地域への愛着を高めてもらうというもので、行政と市民が連携しまして事業を推進することと、市民や民間団体、企業等によるボランティアや寄附によりまして事業の推進を図るものでございます。
そして新川千本桜植栽構想事業は、百万本のバラ植栽構想事業とともに花のまちづくり構想の中核をなす事業で、新川の両岸に桜並木を創出することを事業目的としております。
この新川千本桜植栽構想事業は、平成13年度に新川千本桜植栽事業となりまして、新川千本桜植栽事業委員会のもとで事業が進められ、植栽場所や桜の種類、植栽する木の大きさ等がこの委員会で決定されました。
平成12年度には民間団体からの寄附によりまして、委員会での事業に先立ち、市において大和田排水機場から村上橋の間にソメイヨシノの植栽をしたのを初め、平成15年度末までに1,230本の植栽を行いました。各年度ごとの植栽本数でございますけれども、平成12年度には78本、平成13年度は500本、平成14年度は444本、平成15年度には208本となっております。またこれまで病害虫で枯れたものやいたずらなどにより折られたりしたものがあるため、現地調査を行いまして、平成16年度までに73本の補植や支柱の交換等を行っております。
このほかに支柱に結束しておりますシュロ縄等を故意に切断するなどのいたずらも多く発生しましたことから、八千代警察署に被害届を提出いたしまして、定期的なパトロールを依頼しましたところ、最近ではこの被害も減少してきております。また平成15年度には環境美化里親制度、いわゆるアダプト制度が正式に発足いたしました。アダプト制度とは、市の公園や道路、河川、緑地等の公共スペースを子供に見立てまして、希望します市民の皆さんに親がわりの里親になっていただき、一定区間の清掃や美化活動をお願いする制度でありまして、里親の活動内容は、希望します公共スペースの一定区間の清掃や除草、植え込みの剪定や花壇づくりなどの美化活動をボランティアで行っていただき、市からは清掃用具やボランティア用のごみ袋を支給するほか、剪定ばさみ等の備品をお貸ししております。
また、活動中の事故等に対応するためボランティア保険に加入しますほか、希望する団体には活動を示す看板を掲示いたします。この制度の発足によりまして、広報等でボランティアを募集いたしましたところ、新川千本桜の会より里親の申し入れがありましたので、市と新川千本桜の会で合意書を取り交わしまして、新川千本桜植栽事業で植栽されました桜の周囲の除草や桜の剪定及び草花の植栽や情報の提供、そのほか環境美化活動に関しますことなどをできる範囲内で行うこととなったものでございます。
新川千本桜の会の会員数でございますけれども、9月現在で145名いらっしゃいまして、ボランティア活動の参加者は月平均100人前後の方々が活動されております。この活動状況といたしましては、草刈りや桜の剪定、支柱の設置や補修、プレートの点検等を行っていただいており、大変な苦労をされているとの報告も受けております。なお、市といたしましては、本年度、千本桜の消毒を2回実施するとともに、現在、枯れた桜の補植や壊れた支柱の取りかえなどを行うための発注準備をしているところでございます。
今後は市とボランティアとの役割分担の明確化や意識の向上を図るとともに、桜の現状を里親の方々にお知らせするなど、予算化を含めまして検討してまいりますのでよろしくお願いいたします。
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岡本秀衞議員の要望
最後は要望とします。新川千本桜のことです。第3次総合計画のプロジェクトに位置づけてありながら、八千代市の新しい名所、市民の誇りとなる名所を、ボランティアとともに立ち上げようとする意欲が感じられません。こんなことでは、これからもかなりの桜が枯れてしまうのではないかと心配です。一刻も早く組織体制を確立し、担当者を明確にすることこそ、そして10年後を夢見て予算をつけるように強く要望いたします。