A カンタータ147番 お馴染みのコラールを頼りに、いわずもがなの名曲の全曲を初めて耳にしたのが、私のMyBest、キングスカレッジのLPレコードでしたね。同じ頃に発売されたパレストリーナ(解説がFMCの高野お父さん)と一緒によく楽しんだものでした。ミュンヘンバッハの合唱とともに、西洋合唱音楽の発声についてもよく考えさせられ、教えられました。バード4声から始まったキングスカレッジ詣での初期の頃の出会いで、LPからCD買いなおしの筆頭グループにあったのも当然でした。
B マタイ受難曲 アルトのアリア Erbarme Dich 大学4年の2時間半5ステージに及ぶ定演での最終ステージ、マタイの抜粋の中で特に心に残った曲。レコードで初めて耳にしたのがクレンペラ―盤C.ルートヴィヒ。メンゲルベルク盤、アムステルダムでの聴衆のすすり泣く音などがよく話題になっていましたね。 ペテロの悔悛、人類すべての懺悔の気持ちでしょう。実に Kyrie eleison に直結する魂の歌、いつまでも飽くことのない至宝の名曲です。
何かとりとめのない話を続けましたが、我が仙唱でのロ短調を思うとき、淳一先生が仰っていた「常に何か新しい発見の気概を」ということをコツコツと積み重ねていくのがいいのではないかと思うこと頻りです。それが岡崎先生の仰る「淳一節」にも繋がることでしょう。兎に角、世間では「あの仙唱には似合わない」と思われ続けているBachをやるのですから、sepultus est のキリストが本当に甦り、生き生きと人間稼業を全うし、我が友、我が同士と互いに喜び祝福し合える人間賛歌になるような演奏にしたいものですね。