2004.2.20(Fri.)-21(Sat.)
北陸・九谷焼と海の幸堪能の旅
-金沢・加賀・山中・ちょこっと福井を巡る足早の旅-



去年の夏、九州旅行から戻ってすぐに今回の旅の予定をたてました。
冬あたりに発売される格安航空チケットはあるかな? と思って探してみたら、超割というチケットで2月搭乗分が
発売されることがわかり、そのチケットをとることを前提に、私にとっては初日本海となる金沢周辺辺りを探してみました。
すると、旦那サマが雑誌を見て一目惚れした宿が山代温泉にあることがわかり、予約がとれるかどうか確認をしたところ
承れますとのこと。
早速宿泊予約を入れてホッとしたのも束の間、いよいよチケット発売の日を迎え、発売時間と同時に電話をかけたものの、なんと
ANAの希望の便はあっと言う間に売り切れ! 
うそでしょ〜! まだ10分しか経ってないのに・・・・(涙)
仕方がないので帰りの便の予約だけ入れて急いで旦那サマに電話をすると、JALでも同じように超割が発売されたらしいから
そっちでトライしてみるよと言われ、しばらくして電話をかけてみると、とれた!! とのこと!
あーー良かったねーー。2人でホッと一安心。
そして、またまた何ヶ月もの間待って今回の旅行を迎えました。

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第1日目 −金沢市内−

朝4時30分起床。
冬の朝ほどお布団から出るのが辛いことはない。
でも電車に乗り遅れたら大変! 早く起きて準備準備・・・・。しかし本当に寒くてブルブル震えながらの支度。
前回の九州の時と同じく5時32分発の電車に乗って羽田へ向かいました。
羽田へ到着すると、朝もまだ早いというのに結構人がいるものですね。みんな何処へ行くのだろう? とキョロキョロしながら
JALのチェックインカウンターへ。
外で待っていた私は、スキー板やボードを抱えた人たちを見て、「あ、北海道かな?」と思ったり、九州のガイドブックを持った
カップルを見て「あ、私たちが行ったところへも行ったりするのかなぁ」など、人間観察を楽しんでいました。(笑)
やはりシーズンなのか、札幌便はどこの会社も満席の表示が出ていました。ウィンタースポーツをやる人たちにとっては
まさに2月はトップシーズンですものね。
無事にチェックインを済ませて、コンビニでサンドイッチなどの軽い朝ごはんを買って、早々に出発ロビーで食べながら待つことに。
今回の羽田-小松間の航空チケットは、なんと1人片道7,000円なのです。往復しても2人で30,000円以内でおさまるので
最近はこの航空チケットが安く買える時期に旅行を組むことが2人の暗黙の了解のようになってきています。(^^;
朝ごはんを食べながら周りを見ると、ビジネスマンの人が非常に多くてびっくりです。
金沢へ出張とか会議とかなのでしょうねえ。ホントお疲れ様です。
すぐに搭乗時間を迎え、機内へ。あらあら、小松行きはやっぱりガラガラなのね、空席が目立ちます。
7時40分、ほぼ定刻通りの離陸です。


離陸してすぐに、左の写真の富士山が眼下にそびえ立っていました。
そして着陸の少し前には、右の写真の北アルプス連峰も。 言葉にできないほど美しかったです。
この山々を見ながら思ったのですが、こんな巨大な山を一気に飛び越えてしまえるような飛行機を造った人間の力って
本当にすごいなぁ、と。だって飛行機がこの世になかったら、こんな美しい景色を見ることなんて、あり得ないんですから。。。
まもなく日本海が見えてきて、一度日本海の海上を旋回し、小松空港へ着陸。
驚いたことに雪なんてほとんどないのです。ついこの前まで日本海側は大雪って言ってたのに・・・。
雪の積もった金沢の街並みが見てみたかったのになー。どうやら2,3日ポカポカ陽気が続いているために、雪も溶けてしまったみたい。
荷物をピックアップし、(1泊2日なのにトランク1コ持参です。。。荷物の多い私たち。。。)ホッとする間もなく
出発時刻ギリギリのバスに飛び乗りました。
金沢駅まで直行のバスです。約40分。片道1人1,100円です。
金沢駅に着いて、まず大きいコインロッカーにトランクとカメラケースを預けました。
さー身軽になったところで、市内散策!
と、その前に、明日のレンタカーの予約をしておこうと、道端でトヨタレンタカーへ電話を入れました。
そう、雪の中の運転はぜったいに無理と、今回の旅は全て電車とバスで移動するつもりだったのですが、来てみてびっくり、
道路に雪が全く無かったので(植え込みなどには積もっていましたが)、2日目はレンタカーを使うことにしたのです。
加賀温泉駅前の営業所から小松空港の営業所まで、九州旅行と同じくイストをお願いしました。
予約も無事にでき、金沢周遊バスのチケット(市内を周遊してくれる観光バスで、乗り放題です。1人500円)も買って、
まず徒歩圏内の近江町市場へ向かいました。
ホント海の幸が所狭しと並んでいて圧倒されます。一番賑わっていた「大口水産」というお店で海の幸を買い、実家や親戚に送りました。
この時期、もちろんズワイガニはありますが、能登牡蠣や甘海老も有名です。
そして時間も11時を過ぎたので、少し早いですがお昼を食べに、近江町市場の中にある「源平」というお寿司屋さんへ。
旦那サマの職場に金沢に長年いらっしゃった方がいて、その方に教えてもらったお寿司屋さんです。
開店は10時30分。 しかしお店に行ってみると、狭い店内は既に満席。カウンターのみのお店なのですが、さすが人気店。
板さんが3人で切り盛りしていますが、非常に活気があっていいお店です。お値段も非常に良心的。
10分、15分ほど待って、ようやく席に着くことができました。
どれも非常においしかったですが、やはり地物の甘海老やブリはほっぺたが落ちそうなくらい美味でした。


おいしいお寿司をお腹いっぱい堪能し、次にひがし茶屋街へ行くことに。
バスに乗るより歩くほうが早そうだったので、腹ごなしも兼ねて歩くことにしました。
古くて味のある家屋が並んでいて、古きよき時代の日本の街並みといった感じです。
しかしよく見てみると、お土産やさんや喫茶店なんかが多く、中身はあまりたいしたことがないのかなーといった印象。
ちゃんと見ればいいお店もあったかもしれませんが、早々に写真だけ撮って次へ行くことに。
ただ、きっとこの場所は夜の方が風情があっていいところだねと、旦那サマと話しました。


次に、初めて周遊バスに乗って兼六園へ。
さすがにここは観光名所だけあって、観光客がとっても多いです。
ただ悲しいことに、兼六園に関しては一番タイミングの悪い時に来てしまったようです。
雪吊りで有名な木々には雪は積もってないし、梅園の梅は咲いてないし。。。。
お散歩だけして、ここも早々に出てきてしまいました。


兼六園のすぐ側にある、「クラフト広坂」というお店を目指します。
事前にチェックしていた「二俣和紙」という和紙や、他の伝統工芸品などが売られいてるお店です。
「二俣和紙」とは、金沢市から北東へちょっと走ったところ、富山県との県境にある「二俣村」で作られている和紙で、
1300年の歴史があります。
前田利家に保護され、加賀藩御用達の高級和紙として、非常に有名な和紙とのことです。
お店では、二俣和紙で作られた葉書きを何点か購入しました。

そして次は尾山神社へ。
明治時代に建築された神社で、前田利家とまつが祀られている神社としても有名です。
珍しくステンドグラスがはめ込まれていて、非常に美しいです。
屋根には日本最古と言われている避雷針がついています。


足早に回ったものの、市内観光はこれくらいでいいねと、周遊バスに乗って金沢駅へ戻りました。
あ、これが周遊バスです。
中は結構狭くて、人気の兼六園の前などからたくさんのお客さんが乗ってくると、車内はぎゅうぎゅうになってしまいます。


さあ、いよいよ今回の宿がある加賀温泉駅を目指します。
コインロッカーから荷物もとり、時刻表を見るとちょうど15時15分発の「雷鳥34号」に乗れそうです。
いそいでチケットを買って電車に乗りましたが、金沢始発ということもあってか車内はガラガラ。
発車までの時間、今日宿泊する宿に電話をして、駅までの迎えをお願いしました。
金沢駅から加賀温泉駅までは、特急で30分ほど。
走れど走れど、景色は見渡す限り冬の田園風景です。
それにしてもホントのどかな眺め。こちらの土地では時間がゆっくりゆっくり流れているようでした。

間もなく加賀温泉駅へ到着。駅前にはなーんにもありません。
山代温泉や山中温泉、粟津温泉と言った有名な温泉地の最寄り駅にしては、すごく小さな駅で驚きでした。
改札を抜けると、「・・・様(私たちの名前)」と書かれた紙を持ったタクシーの運転手さんを発見。
宿からの車ではなく、宿で手配されたタクシーのようです。
宿のある山代温泉までは、車で15分ほど。あっと言う間に到着しました。
今回のお宿は「べにや無何有
」です。
雑誌などで見つけ、私たちが大好きなモダンなインテリアでものすごく興味を持った宿だったのですが、よくよく調べみると
強羅花壇の設計も手がけた竹山聖さんという建築家の方の設計ということがわかり、更に興味を持ちました。
エントランスに到着すると、宿の方が出迎えて下さっていました。
ロビーに通され、ウェルカムドリンク(絞りたてのりんごジュース)とお絞りが出され、宿帳に記帳。
まず思ったのが、必要以上のものが何も置いていないこと。非常にシンプルだけれど洗練された造り。
まさにまさに私好みで、お部屋に対する期待もどんどん膨らみます。


記帳が終わり、ロビーと同じ建物の中の4階へ移動。
どこかの掲示板で「上の階の音がうるさくて、すごく不快だった」というのを見つけたので、予約を入れた時に、最上階のお部屋でと
お願いしておいたのですが、これが大正解!
お部屋からの眺めがハンパなく良く、上の階もないので静かに過ごすことができました。
そして、泊まるお部屋「411 唐紅花(からくれない)」です。
お部屋は全て名前が違っていて、日本の伝統色で名づけされているそうです。


お部屋の構造が解るでしょうか・・? 解りやすい写真をちゃんと撮れば良かったなぁとちょっと後悔。
入り口を入ってまず右側にウォークインクローゼット、正面に和室、その奥に床が竹造りのリビングのようなお部屋、
そして入り口のすぐ左側に冷蔵庫やお茶セットなど、ベッドルーム、その奥が洗面スペース、トイレ、シャワールーム、露天風呂と
なっています。とにかく広い!
そして、右上の写真のように、窓の外にはこんな景色が広がります。
椅子に座ってボーっと外を眺めていると、なんとも言えず幸せな気分でいっぱい。
しかしこのダークブラウンの床がものすごく落ち着くトーンになっていて、照明も結構暗めの間接照明が多く、とにかく
心地よい空間でボーっとする最高の場所だと思います。
もう1つ特筆すべき点は、珪藻土の壁ということでしょうか。自然素材を取り入れていて、すごく気持ちのいい空間になっています。
お部屋には2人とも大大大満足。 予約を入れた時にもう1つリクエストしていた加湿器もきちんとあります。
早速旦那サマはお部屋のお風呂へ。
前面ガラス張りの、部屋の中から丸見えのお風呂は、もちろんロールカーテンを閉めることができます。
お風呂に浸かりながら、「あーもう最高!」と連発していました。
私は大浴場へ行くことに。しかし女性のお風呂は大混雑! 
今夜泊まる宿中の女性客が集結してしまったんじゃないかというくらい、偶然にも大勢集まってしまったようです。
入浴は諦めてお部屋へ戻り、旦那サマが出た後お部屋のお風呂を満喫。言葉が出ないほど気持ちいい。
やっぱりたまにこういう所へ来て、心身ともにリラックスするのは私たちにとってすごく大事な時間だなあーと、
改めてそんな風に思いながら、長湯しました。

さて、いよいよ夕食の時間!
お部屋には大満足したけど、ここのお宿のお食事はどんな感じだろうと、期待いっぱい。
フロントで借りたCDをかけて、ちょっと暗めの照明がいい感じ。食卓には蝋燭が灯されました。


特産のこうばこ蟹、ズワイ蟹が出てきたのはうれしいのですが、どれもあまり手の込んだ料理とは思えませんでした。
どの料理もバリエーションに欠けていて、はっきり言って料金に見合ったお料理とは言えないと思います。
蟹は確かにめちゃめちゃおいしかったですが、おつくりの貧素さには驚かされたし、品数の少なさにも驚かされました。
この時の夕食で一番おいしかったものは、2人とも同じ意見で「蟹と加賀野菜の煮物」でした。
お料理を作る人によって味付けされたお料理は、煮物以外本当にどれも普通なのです。これはかなり致命的だと思うのですが。。。
そして、それ以上に呆れてしまったのが、お料理を運んでくれる仲居さんからお料理についての説明が何もなかったことです。
毎回毎回「お待たせしました」と、キレイに配膳していくだけ。お料理の説明がない宿は初めてです。
旅慣れた人にとっては、きっと不満が残る内容だろうなぁと思いながら、食事を終えました。
あ、この時にいただいたお酒は、天狗舞の山廃仕込です。ちょっとクセのあるお酒でした。
最初に1合だけ頼んだ「常きげん」が絶品だったので、こっちを1本頼めば良かったねと、あとでちょっと後悔。

何はともあれ、夕食も終えてお腹いっぱい!
夕食の最後に、仲居さんから「アロマオイルをお持ちすることができますが・・」と言われたので、ラベンダーをリクエストしました。
ベッドサイドにセット。
そして、今度こそ入れるかな〜と、大浴場へ行ってみると誰もいません。
1人で満喫しましたが、ここの大浴場はちょっと狭いかな。露天風呂なんかは4、5人ぐらいが限界かも。。。。
あとで旦那サマがこの写真を見たときに、男性のお風呂の方が広いと思うと言ってました。


お部屋へ戻ってダラダラ。お部屋のお風呂へ入ったりしてゆっくり寛ぎました。
そして温泉宿へ来た時のお約束、SK-Uのパックをしながらテレビを見たり。
朝早くからの行動で疲れていたので、2人とも23時には就寝。おやすみなさい。

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