第2日目 −東尋坊・三国町・山代温泉周辺・山中温泉周辺−


朝早く目が覚めました。外はまだ暗いみたい。
時計を見るとまだ5時30分。再び寝ようとしてもすっかり目が覚めてしまい、全然ダメ。
旦那サマはまだまだ夢の中のよう。
んー、ちょっと早いけど、とりあえず大浴場でも行くかな・・・と、大浴場へ向かいました。
もちろん誰もいるはずなく、またまた1人でお風呂を満喫。
しばらく長湯をしてお部屋へ戻ろうとすると、他の女性のお客さんと入れ替わりになりました。
まさか誰もいないだろうと思って来たようですが、私の姿を見てぎょぎょっと目を真ん丸くしながら、「お早いですねえ〜」と一言。
毎日6時過ぎに起きている生活が身体に染み付いているせいか、寝坊することがあまりない今日この頃。習慣とは言えおそろしー。
お部屋へ戻ると旦那サマも起きた模様。
話を聞くと、なんと3時に汗をかいて目が覚めたとか。
寝る前に寒いかと思って毛布を追加してかけたのが大失敗で、熱すぎて大汗をかいて起きてしまったそうです。
そのまま寝たんじゃ風邪をひきそうだったので、お部屋のお風呂に入ったとのこと。全然気付かなかったワタシ。
こういう時、お部屋に温泉があるとありがたいなーって思います。いつでもアツアツのお湯に入れるので。
(ここの宿のお部屋についているお風呂は、温泉だけども循環していていつでも暖かい状態を保っているようです)
旦那サマはせっかくだから大浴場へ行って来るとのこと、じゃあ私はお部屋のお風呂に入ろうかなと、すっかり明るくなった
外を眺めながら入浴。朝風呂ってなんでこんなに気持ちがいいのでしょう。
2人とも朝風呂を満喫して、朝食の8時までテレビを見たりしながらだらだら。
間もなく朝食の時間になり、お部屋に朝食が運ばれて来ました。
ドリンクはグレープフルーツジュースと牛乳。
お食事は湯豆腐に豆乳とダシ汁をかけていただくメニューがあったのですが、これがすごくおいしかったです。
他に、ちゃんとした炭をくべた網で焼く干物、温かい海苔、温泉卵、おかゆ、お漬物数種類、きのこの和え物、蟹汁、白米。
シンプルだけどもとってもおいしかったです。朝はやっぱり優しいメニューがいいですね。


お腹もいっぱいになり、私は再度お部屋のお風呂に入って、外出の準備。
すぐ近くに須田菁華窯があるので、行ってみようということになりました。
宿を10時30分に出発する送迎バスにどうしても乗りたかったので、その前に行って帰ってこなければなりません。
猛スピードで準備をし、急いでお店へ向かいました。
宿からは従業員が乗るというエレベーターに乗り、下まで行くことができますが、珍しい斜勾型のエレベーターで斜めに進むのです。
それに乗ってふもとへ。すぐ横がお店です。


ここは九谷焼の窯元で、今は4代目が跡を継いでいます。
かの有名な魯山人が、初代須田菁華に陶芸を学び、その魅力に取り付かれたことでも非常に有名です。
ちなみに右の写真の看板は魯山人が作成したものです。魯山人は書家としても有名ですよね。
お店の中に入ると土間になっていて、陶器が展示されているスペースは畳敷きになっていました。
こんにちは〜と中へ入ると、間もなく奥から人が現れ、よく見ると4代目! (うわぁすごい人が来ちゃった・・・とドキドキ)
テレビや雑誌で拝見する優しいお顔。あぁなんだか心が和んで、優しい時間が流れるよう。
ゆっくりご覧下さいと言われ、隅の事務スペースへ座り、台帳の整理を始められた模様。
私たちは1つ1つ丁寧に、陶器を見せていただきました。
お値段ははりますが、どれもふわっと温かい陶器たち。
私も旦那サマも美しい赤い色の陶器に惹かれたのですが、思わず4代目に
「この赤い色を出すのは難しいのですか?」と尋ねたところ、ニコニコしながら
「ええ、その赤を出すのはすごく手間がかかるんですよ、大変な作業なんです」とおっしゃったので
「そうなんですか、しかし本当に美しい赤い色ですねぇ」と言ったところ
「そうでしょう、日本一の赤ですよ」と、満面の笑みでおっしゃいました。
欲しかったけど、即決して買うような陶器ではないような気がして、いろいろ勉強してからまた来ようと旦那サマと話し、
今回は目の保養ということだけにさせてもらうことにしました。いつかあの美しい赤い色の器を手に入れたいと思います。

心も穏やかになって宿へ戻り、残りわずかな時間で旦那サマはお部屋のお風呂へ飛び込み、(この表現が正しいような・・)
10時30分の送迎バスに間に合うようにチェックアウト。
総合的に見て、とにかくお部屋が素晴らしかったです。広さといい、居心地の良さといい、ロケーションといい、かなり良かったです。
難を言えば、やはりお料理の質をもう少しあげてほしいということでしょうか。。。次回に期待しつつ。
駅まで送ってもらい、駅前にあるトヨタレンタカーへ。予約しておいたのでスムーズでした。
JAFの会員証を提示すると、なんと1割引になるのです。(旦那サマが事前にリサーチしていました)
さあ、東尋坊目指して出発! 
でもその前に、途中の石川県九谷焼美術館というところへ立ち寄りました。
加賀温泉からは目と鼻の先です。


入場料1人500円を支払い、中へ。
九谷焼の技法ごとにスペースが分けられており、青手の間、色絵・五彩の間、赤絵・金襴の間と続きます。
特に印象深かったのは、赤絵・金襴の間でしょうか。とにかく豪華絢爛の一言に尽きます。
そして2階の喫茶スペースには、地元の作家さんたちの作品が販売されていました。
何でも期間ごとにテーマが決められることになっていて、今回行った時のテーマは「梅」だったため、
梅が描かれていたり、梅の花の形のお皿があったりと、梅に因んだ作品がたくさん並んでいました。
旦那サマとも話したのですが、ここにはいい作家さんの作品がぎゅっとまとめられていて、迷うことなくいい買物を
することができます。とってもオススメです。
スタッフの方は陶器にとても精通していて作家さんたちのこともよくご存知のようで、お話を聞いていてとても楽しかったです。
こちらでは、「寺前瑛生」さんと、「池田綾女」さんの作品を購入しました。
寺前瑛生さんの陶器は、無何有の夕食の時にふんだんに使われていたので、とても親しみが持てました。
池田綾女さんの陶器はさすが女性らしく、繊細な絵が描かれています。旦那サマも陶芸作家さんで、作品が綾女さんの
作品と仲良く並んで展示してありました。

大満足の陶器を買うことができ、いよいよ東尋坊へ向けて出発です。
初めての石川県に続き、初めての福井県。
時間にして40分ほどで到着。それにしても近いです。
車を停めて東尋坊まではすぐなのですが、行くまでの道の両脇には昔ながらのお土産やさんが並んでいて、なんだか
やたらとハデな文字が躍っていました。あんまり買っている人はいないようです。
間も無くあの有名な岩場が見えてきました。ゴツゴツしていてすごい! 火曜サスペンスの世界です。
海の沖からこちら側を眺めることができる遊覧船もありました。


下にも降りてみて日本海の海を見てみたのですが、水が透き通っていてキレイでした。太平洋とは大違い。
でもこの場所は、1回来ればもういいかもって感じです。
そろそろお腹も空いてきたので、すぐ先の三国町を目指すことにしました。
おいしい海の幸を出してくれるお店があるとふんで行ってみたのですが、走れど走れど民家ばっかり。何もない!
えーん、店がないよーと、結局ガイドブックに載っているお寿司屋さんへ行くことにしました。
味はまあまあ。珍しいイカのゲソを巻いたお寿司がおいしかったです。

お昼も食べて、また石川県の方へ戻ります。
ホントちょこっと福井へ入っただけだったけど、これも初福井!
戻る道は国道8号線。九谷焼を買うなら国道8号線がいいと、タクシーの運転手さんや、宿の方たちが口を揃えて言うので
旦那サマは早く行きたくて行きたくて仕方がない様子。
再び加賀へ戻り、だんだん九谷焼を売っているお店も出てき始めたので、その中の1軒に入ることにしました。
入ってびっくり。観光客相手に量産された焼き物ばかり。
大型バスも停まるようなところだから当たり前かー。トイレだけ入ってさっさと出てきました。
旦那サマはこんな店見たいんじゃないんだよなーと悲しそう。
じゃあ、とりあえず山代温泉で気になっていた「魯山人寓居跡いろは草庵」へ行ってみようかということになり、再び山代温泉へ。
いろは草庵は、魯山人(山代温泉へ来た当時は、福田大観と名乗っていました)が刻字看板を彫る為に滞在した場所です。
山代温泉の旦那衆と仲良くなり、ここの場所でよく集まったそうです。
入場料は500円。ちょっと高いかな〜といった印象を受けましたが、お茶とお茶菓子をいただくことができます。
魯山人の書や陶器も展示されています。


いろは草庵でいただいたお茶、加賀棒茶を買いたかったので、(思い出した! 買いたかったの!って感じでした)
教えてもらった「あらや滔々庵(老舗の有名なお宿です)」の売店へ行くことに。
道が狭いので車を停めておくことはできず、旦那サマだけ降りて猛ダッシュで買ってきました。
そして、酒屋さんで地酒などを購入し、これまたいろは草庵で教えてもらった加賀野菜を売っているお店を目指して
山中温泉へ行くことにしました。
無何有でいただいた加賀野菜の煮物があまりにおいしくて、どうしても源助大根を買って帰りたかったのです。
山中温泉へはすぐに到着。
町営の駐車場に車を停めたものの、どうやら目指すところはもっと先みたいなので、再び車で移動。
やっと八百屋さんを発見し、期待しながらお店へ入って聞いてみると、なんと時期ではないとのこと!
ええーうそでしょーがっかり・・・と、せっかく山中へ来たのだから、山中漆器でも買って行こうと旦那サマと話し、
お願いしてその八百屋さんの横の駐車場に車を停めさせてもらいました。
山中温泉界隈は、驚くほど整備されていて、とてもキレイな街並みです。山代とは大違い。
山中漆器のお店をのぞいたところ、モダンでリーズナブルなお皿を見つけたので、黒と赤1つずつ購入。
そして、欲しかった赤い漆塗りのスプーンを4本。いいお買物ができました。
お店を出ていろいろ見て回ると、気になるお店を発見!
九谷焼のセレクトショップで、「いずも堂」といいます。
店内を見てみると、温かみのある陶器がたくさん並んでいます。
ふと見ると、漆塗りのお皿にちょこんとのった九谷焼の陶器のコンビに一瞬にして心を奪われました。
旦那サマに聞いてみると、「おっいいねー」とのこと。よし、買い!
「正木春蔵」さんという陶芸作家さんと、「大蔵信一」さんという漆器作家さん、それぞれの作品でした。
お店の人の話しによると、この2人は昔からの大親友らしく、自然と作品もぴったり合うものが多いのだとか。
なるほど、目を奪われたワケです。
それにしてもここ山中温泉では、最後に本当にいいお買物ができました。旦那サマと「買物は大成功だね」という結論に。

時間も17時30分を過ぎていたので、そろそろ小松空港へ行くことにしました。
だんだん外も暗くなってきて、街灯がほとんどない道をひたすら走ります。
空港まではすぐだったのですが、なんせ真っ暗なので、どこが空港なのか全く見えずにナビだけが便りです。
夜の小松空港周辺を移動される時は皆様ご注意を!

レンタカーのイストは結局ほとんどガソリンを消費することなく、最後に500円分ぐらいのガソリンを入れただけで済みました。
本当に優秀な車です。
無事返却して、空港内でちょこっとお土産を買い、19時40分の飛行機で羽田へ。
駆け足の旅でしたが、内容はとっても濃い、充実した旅となりました。。。


<旅を終えて>
夫婦揃って温泉と陶器をこよなく愛しているので、何処へ行っても楽しい時間を過ごすことができます。
今回は初日本海ということでしたが、やはり海のものがおいしいのは冬! 冬の日本海は最高です。(夏は知らないけど・・・)
時間があれば、是非能登半島の先端とかまで行ってみたいですね。
九谷焼も非常に美しくて温かい陶器でした。今回は自分たち好みの作家さんを発掘することができたので、
それだけでも大収穫だと思います。
父親が車でも行ける距離だと言っていたので、次回は是非車で行こうと思います。

次は7月か8月ごろ、またミニ旅行へ行こうかと話しています。
私たちにとってこういった時間というものは、心底リラックスできて、なくてはならない時間です。

★買ってきた焼き物に関しては、近々お気に入りのページにアップします。お楽しみに!


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