2003.9.22(Mon.)--25(Thu.)
九州・温泉三昧の旅
-別府・由布院・九重・阿蘇・黒川・有田・福岡を巡る4県縦断の旅-



今年の4月。とある日の会話。

私   今年の夏休みも9月だよねえーー。今年はどこに行こうかねえーー。
彼   ・・・・由布院って1度は行ってみたい温泉なんだよなあ。(ボソッと)
私(頭の中で) ・・・・なぬ? 由布院!? よしっ1件目の宿決定!!!

この短い会話で、今年の夏休みは九州行きが決定。
そうと決まったら宿の手配をせねばと、早速宿泊する宿を選択。
旦那サマといろいろ話した結果、由布院、黒川、福岡と3泊4日の旅にしようということになりました。
由布院は旦那サマが1度は行ってみたいという温泉地。そして私は最近話題の黒川温泉へ行ってみたいと切望。
そして福岡は旦那サマが私に屋台を見せたいということで、3泊目の宿泊先とすることに。
まだ9月まで半年もあるけれど、泊まりたいお宿はとにかく人気の宿。とにかく電話をしてみようということになり
私の頭の中で、由布院=このお宿という方程式にぴたっと当てはまったお宿に電話をしてみると、
なんと4月だというのに9月22日は満室とのこと!! (ちなみに2人ともこの週しか確実に休みをとれる週はなかったのです)
おお〜い、まだ4月だよ〜と叫びたい気持ちをおさえ、仕方がないのでとりあえず他のお宿へ予約を入れました。
そして黒川で泊まりたいお宿にも電話を入れると、23日は空いてるお部屋が1つしかないとのこと。
もちろん予約をお願いしましたが、本当に泊まりたいお風呂付のお部屋は既に満室でした。
福岡のお宿は、夜動き回る利便性を考え、私の職場の人の薦めもあって天神のど真ん中のホテルにしました。

しかし由布院のお宿はどうしても諦めきれず心にひっかかっており、6月に入った頃もう1度電話をしてみることに。
な、なんとキャンセルが出たので予約を承れますとのこと!! うれしくてうれしくて、予約を入れたその後すぐに
旦那サマの携帯に電話。「良かったね〜」と喜んでくれました。
そんな下準備をし、9月を待ったワケです。

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第1日目 −別府・由布院−

朝4時。全然眠れない。
前日の夜からずーーっと台風の動きが気になって仕方がないのです。
そう、やはりやってきてしまった台風。この15号が何日か前にニュースのお天気コーナーに登場した時から
うわっヤバイ! と、心のどこかでずーっと気になっていたのです。
案の定、まさに出発の日の午前中、東京辺りを暴風域にするとの予報。
ああ、ホントどこまでついてないのだろうと、台風の動きが気になって気になって全然眠れずにいました。
しかし、出発する頃になって再び見てみると、なんだかだいぶ東の方に寄ってくれた感じ。
まあ、とりあえず空港へは行かなくちゃと、5時32分発の電車に乗って羽田へ向かいました。
雨はもう降っていなくて、ただ風がちょっと強いかなといった感じ。
もし飛行機が飛ばなくても、私達は新幹線で九州へ辿り着いてみせる! と決心も固かったので
そんなに暗い雰囲気ではなく、仲良く(?)空港へ到着。
情報を見てみると、八丈島や三宅島へ飛ぶ飛行機は欠航していましたが、他は全て普通に飛んでいます。
「飛行機は大丈夫?」と友達や妹が心配してメールをくれて、本当にうれしかったです。
早々にANAのカウンターでチェックイン。
今回はバースデー割引という格安のチケットを事前にネットで申し込んでいたので、誕生日を証明する
公的なものを提示する必要があるために、カウンターに人のいるところでチェックインの手続きをしました。
このバースデー割引、誕生日の前後1週間の間、全国どこでも一律1万円で行く事ができます。
旦那サマの誕生日は9月28日、そして私は29日と1日違いなのです。(みんなによくびっくりされます)
そのため、2人往復4万円で飛行機に乗れてしまうのです。ものすごくお得なので、利用しない手はありません。
(誕生日の人がいれば、、その人を含め同行者3名までこのサービスが適用されます。
 行く人全てが誕生日じゃなきゃないけないというわけではありませんので、誤解の無いように・・・・)
チケットも発券してもらい、荷物も預け、出発まで腹ごなしにサンドイッチを食べながら待ちました。
そして時間になったので出発ロビーへ移動。8時25分発の便で大分空港へ向かいます。


台風が去った後とは言え、機体は全く揺れる事なく大分空港へ到着。約1時間30分のフライト。
空港へ到着してレンタカーを借りる営業所までバンで送ってくれます。(って言っても空港から見えるぐらい近いのですが)
今回はトヨタレンタカーで借りることにしました。もちろんナビ付き(無かったら大変)、CDプレイヤー付き(これも無かったら大変)です。
ぴっかぴかのイストが今回の旅のお供です。中は結構広くて快適でした。
別府を目指して大分空港道路を走ります。それにしても見事な快晴!! 神様に感謝!!


別府市街へ到着。本当に快適なドライブ。大分空港から本当にすぐでした。
朝をかなりセーブ気味にしたので、まずは腹ごなし!
ガイドブックで調べたお店「とよ常本店」へ行きましたが、おいしい海の幸をたくさん出してくれるものだと思っていたのでがっかりでした。
お刺身なども東京のお店で食べるものの半分ぐらいの厚さしかなくペラペラだったし、本当にちょこちょこっとしか魚がなかったのです。
海の幸がとにかく好きな旦那サマは、お店を出た時「しょっぱなから外れだ〜!!」と叫んでいました。
でも気を取り直して、次の目的地柴石温泉にある血の池地獄へ。
真っ赤な池ってどんななんだろう? と私がすごく行ってみたかったところです。
別府の市街地からはちょっと離れたところにあり、本当にこんな所にあるんだろうか? って所に突然あります。
平日な為か、観光客もまばらでした。
でも池は本当に真っ赤!! 本当に血のようでした。
ここでは血の池地獄の底にある泥で作った軟膏を買ってみました。効くのかな??



そして次に明礬温泉へ。
通販生活で購入している入浴剤がここの湯の花を使っているので、どうしても湯の花小屋というものを見てみたくて。
辺り一帯硫黄の匂いがしてまさに温泉地。上質な湯の花が採れるのも頷けます。
真ん中の写真はその湯の花小屋の内部です。一番右は明礬温泉から別府湾を見た景色。


そしてここの明礬温泉にある「別府温泉保養ランド」へ。ここの泥湯に入ってみたくて仕方がなかったのです。
建物やお風呂はすごく古いのですが、旦那サマも私もそのお湯には大絶賛!!
入ってみると、内風呂にある泥湯はかなりぬるめで、泥を肌に塗るとスベスベになります。
そしてここの最大のお風呂は外の混浴の露天風呂なのですが、さすがに混浴は抵抗があったので、外へは行かずに
内風呂のコロイド湯に入っていました。しかしこのコロイド湯が素晴らしい!! 本当にいい硫黄泉の白いお湯でした。
そしてここの温泉は本当に開放的で、男性の露天風呂は普通に見えてしまったりします。(笑) 


上質なお湯を堪能し、いよいよ今日の宿泊地由布院を目指します。
別府からは車で40分ほど。やまなみハイウェイという道を走るのですが、この道が本当に素晴らしい道で驚きです。
しばらく走ると由布院の街が眼下に見えてきました。あっと言う間に金鱗湖の横を通過し、今日のお宿へはもうすぐ。
しかし、ここから迷いに迷ってしまったのです。由布院の街って道が本当に狭くて大変!
行っては引き返し行っては引き返しを繰り返し、なんとか今日のお宿「玉の湯」へ到着。
ホッとして車を駐車場へ入れ、荷物を持って入口へ。
姿に気付いたスタッフの方がカートを押しながらこちらへ出迎えに来てくれました。
本当はお宿の前に車をつけ、荷物を預けたあとスタッフの方が駐車場へ車を入れてくれるのだそうです。
そして荷物を預け、玉の湯と看板を掲げた入口から談話室へ案内されました。
品良くクラシックが流れたお部屋で、壁にはたくさんの本がぎっしり詰まっています。
間もなくお茶とお茶菓子が出され、宿帳に旦那サマが記帳。
それにしてもなんて静かなんでしょう! 本当に落ち着けます。
左から玉の湯の入口、チェックインをした談話室、そして談話室から中庭を見たところです。



チェックインも終わり、お部屋へ案内されました。
由布院市というお店の横を通り、奥へ歩いて行くと、今日のお部屋「あさぎ」がありました。
各お部屋の名前は、「きはだ」「あかね」など、全て染物の名前で統一しているとのこと。その織物のハギレが
各お部屋の入口に飾ってあるそうです。ん〜ステキ。
そしてお部屋のお風呂は温泉なので出しっぱなしにしておいて下さいとのこと。結構熱めのお湯でした。


お部屋に荷物も置いて落ち着いたところで時間は16時過ぎ。由布院の街を歩くことにしました。
玉の湯を出て正面の橋を渡ってまっすぐの道沿いに、大変有名な「まきのや」というパン屋さんがあります。
もう既にこの時間にはお店を閉めていました。売り切れたのでしょう。
そしていろいろ歩いてみると、驚くほど清里などに近いことがわかります。本当に観光地って感じなのです。
旦那サマも私もちょっと思っていたのと違っていたので、街を歩いていても全然おもしろくありませんでした。
お土産やさんや、ワケの解らない何とか工房とか、何とか美術館とか。
ただ1つ見てみたかったのが、マルク・シャガール美術館。
中を見てみたかったのではなく、外観が見てみたかったのです。
そんなワケで金鱗湖へ向かって歩きました。
途中亀の井別荘という、こちらもまた由布院の老舗の旅館なのですが、こちらのお土産やさん「鍵屋」さんを覗いてみることに。
玉の湯のお土産やさん「由布院市」とは比べ物にならないくらい品揃えが豊富! お土産を買うなら断然こっちでしょう。
そして店内を一通り見た後、金鱗湖へ。ここの湖はたいしたことないのですが、マルク・シャガール美術館の茶色い外観は
やっぱりかっこ良かったです。
いつか田舎に引越した時に、あんな外観のお家に住みたいなーなんて想像しながら玉の湯へ帰りました。
お部屋へ戻り、着替えて、2人で大浴場のお風呂へ行く事にしました。
フロントにキーを預け、早く出た方が先にお部屋へ戻っているのです。(どの旅館でもこのパターン)
浴槽は2つ。結構ゆったりできる広さ。
それにしてもお湯に浸かったとたん、自分の肌があまりにつるつるなので驚きました!(旦那サマも同じことを言っていました)
きっとさっき保養ランドで入った上質なお湯とのダブル効果なんだろうという結論に達しましたが、本当に凄い効果です。


広いお風呂を堪能し、お部屋へ戻ってPCに向かいます。忘れないうちに行動を記録しておかないと。。。
1時間ほどしてお食事どころの「葡萄屋」へ。
ここで夕食を戴けるのは、1日4組までなのだそうです。
せっかく玉の湯へ来たので、夕食は是非こちらのお食事処で戴きたいと思っていたのでラッキーでした。
大広間みたいなスペースに4箇所掘りごたつがあり、それぞれで食事を戴きます。
センスのいい小枝の箸置きなど、随所に繊細さが表現されていてそれはそれはステキな食卓でした。
しかしお食事は絶品の一言!!  それにかなりのボリュームです。


メインは、豊後牛のステーキ(ヒレ・ロース)、すっぽん鍋、鶏鍋の3種類から選べるのですが、
旦那サマは豊後牛を、私はすっぽん鍋を注文してシェアして食べる事にしました。


この豊後牛、霜降りがものすごくてしかもかなりぶ厚くてボリューム満点!
目の前に七輪が置かれて、好きな焼加減に焼いて食べます。もう絶品!
そして旦那サマが「すっぽんはちょっと・・・」と言っていたすっぽん鍋、これはぜったいに頼むべき!!!
言葉で表現できないのが悲しいのですが、もう絶品中の絶品なのです!! これは本当に本当においしい!!
驚いたのが、なんと味付けはすっぽんのお出汁としょうがのみなのだそう。調味料は一切使っていないんですよ、と説明を受け
ウソでしょ!? 何このお味は!? 参りましたーーーってな感じです。
そして躊躇していた旦那サマも一口食べて絶句。「う、うまい・・・」と一言。
すっぽんも全然クセがなくて、大変おいしく戴きました。コラーゲンたっぷり。女性にはありがたいメニューです。
そして最後にこのお鍋で戴いた雑炊!! こんなおいしい雑炊、今まで食べた事がありません。
この後の旅行中も、何度か旦那サマと「すっぽん鍋が食べたいね〜」と言ってしまうほど、それくらい強烈な味でした。
夕食の最後にかぼすのシャーベットを戴いて終了。本当に本当においしかったです。

夕食後お部屋へ戻り、ちょっと休憩をした後私は大浴場へ、旦那サマはお部屋のお風呂へ。
大浴場は誰も居なくて貸し切り状態。お腹もいっぱいだし幸せ〜。
そしてお部屋へ戻ってこれまた楽しみにしていた「ニコルズバー」へ。
カウンターに何名かお客さんがいたけれど、やはりバーテンさんと話がしたかったのでカウンターに座りました。
後で解ったのですが、私達以外全て外部からのお客さんでした。(外を見ていると帰って行く方向で解るのです)
浴衣姿の方が1人いらっしゃいましたが、その方は亀の井別荘からわざわざ飲みにいらしたお客さんだということ。
確かにこんなステキなバー、飲みに来たくなるよね〜。ものすごくシンプルなんだけど、かえってそのシンプルさが心地良くて。
こちらのバーテンさん、岩本さんは、東京の帝国ホテルにあるインペリアルバーにいらっしゃったかた。
もう1人バーテンさんがいましたが、なんと同い年! 一気に親しみが湧いてきました。(笑)
早速大好きなカクテル「スカイ・ダイビング」をオーダー。旦那サマはお酒がそんなに強くないのでカンパリオレンジを。
左の写真がオーダーしたカクテル。右がスカイダイビング。いかにも空って感じがしませんか? すごくブルーが美しいのです。
そして右の写真が岩本さん。 気取ったところがなく本当に気さくな方で、とてもステキなバーテンさんでした。


同い年のバーテンさんに、「古いカクテルをご存知なんですね」と言われて、え? そんなに古いカクテルなの!?と初めて知りました。
スカイダイビングのレシピを少し変えるとマイアミ・ビーチになるそう。へえ〜。カクテルもきっと勉強が必要なのでしょうね。
岩本さんともお話をしました。
「以前帝国ホテルの中にあるレ・セゾンでお食事をしたことがあるんですよ」と伝えると
「そうですかー、ではインペリアル・バーヘは行かれました?」と聞かれたので
「残念ながらバーへは行きませんでしたが、やはりステキなバーなのですか?」と尋ねると
「あそこは本当にいいバーなので、是非東京へ戻られたら行ってみて下さい」と言われて、機会を見つけて是非行ってみたくなりました。
その後もいろいろ話をし、結局私はスカイ・ダイビングを2杯とマイアミビーチを1杯、旦那サマはカンパリオレンジと
カシスベースのお酒をそれぞれ戴いてお部屋へ戻りました。
さて1日の締めにまたお風呂へ行こうと、またまた大浴場へ。
お部屋へ戻ってまたお部屋のお風呂に浸かって極楽・・・。あーー幸せ・・・・。
旦那サマはこの時点で夢の中。私はこの旅行の為に準備しておいた、SK-Uのパックをスタンバイ。
そう、旅行中は温泉三昧ということで、お肌の集中ケアもしたくてSK-Uのパック持参で来たのです。
SK-Uはお高いですが、やはりこうした贅沢もたまには必要。しかも温泉効果と合わせて本当に肌はツルツルに。
パックをしたまま再びPCに向かい、いつの間にかついウトウト・・・。気がつくと2時30分! パックもすっかり乾いています。
きゃあーーベッドに入らなくちゃ! と慌てて就寝。内容盛りだくさんの1日でした。。。。

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