第4日目 −有田−
朝6時30分起床。それにしてもよく寝たー。
どうやらついさっきまで雨が降っていたよう。
昨日の夜に、バスにお湯をはってドアを開けっ放しで寝たので、乾燥しがちなホテルのお部屋だけど
喉は悪化せずに済んだみたい。熱も無いようで一安心。
今日はとうとう旅行の最終日! 楽しい時間が過ぎるのってホントあっと言う間でイヤになります。
昨日フロントで、有田までどれくらい時間がかかるのか尋ねたところ、1時間見ておけば余裕ですよ、とのこと。
それなら今日も立ち寄り湯に入れるねと、有田近くの武雄温泉のお湯に入ることも楽しみにしながら、昨日買っておいた
パンを食べて8時にチェックアウト。
陶器が大好きな旦那サマは、朝からなんだか楽しそう。良かったねー。
昨日降りた天神北インターから入り、鳥栖ジャンクションを経て長崎自動車道へ入り、途中から西九州自動車道へ入って
波佐見有田を目指しましたが、1時間なんてとんでもない!
福岡市街も結構混雑していたし、そんな時間も合わせると、2時間もかかってしまいました。
これで今日の立ち寄り温泉は無くなることとなり、2人でがっかり。でもその分有田の街を満喫しよう! ということに。
有田へ到着し、懐かしい街並みが広がります。
まず旦那サマがチェックしていた「卸売り団地」というところへ行ってみましたが、ここはいろんな会社が一箇所に集まった
ショールームみたいな感じで、ガイドブックに載っていた店の前で露天売りしている様子は全く見られず、がっかり。
仕方がないので、今回は有名どころの窯元を尋ねてみよう! と、順番に巡る事にしました。
まず、有田のメインストリートからはちょっと離れたところにある「柿右衛門窯」へ。
有田では、この柿右衛門、古伊万里、鍋島の3様式に分けられており、ここの柿右衛門様式を使った作品も
ヨーロッパへ多く輸出され、ドイツのマイセン窯をはじめ、ヨーロッパの陶磁器に影響を与えた事でも有名です。
展示室をのぞくと、歴史的価値の非常に高い品物が並べられていました。
左が道路からの入口、真ん中が敷地内にある歴史を感じる建物、そして右が展示室の中です。
右の写真の壷は、イギリス王室に飾られていたもので、ヨーロッパと日本の技法が巧みに合わさった逸品だそう。
他には有名なマイセンのサーベルマークの入った歴史的な壷などが展示されていました。
ショールームものぞきましたが、値段は全て0が一桁多いような感じでした。
欲しくて欲しくて仕方がなく、お金を本気で貯める気になったら買えるかも。(笑)
充分堪能した後で、次に目指すは思い出の香蘭社。
歴史を感じる建物が懐かしい。早くショップに入りたくてワクワク。
ドアを開けて中へ。うわー変わってない。そしてここから2人とも別行動。欲しいものを物色し始めました。
さんざん迷った挙句、左下の写真、コーヒーカップのセットと、右下の写真、手前にある深鉢と奥にある長方形のお皿を2枚購入。
コーヒーカップはいわゆる旦那サマの誕生日プレゼント。
皇室に献上された陶器と同じ棚に並んでいたので、結構高い・・・。
そしてお皿はここ本店でしか買うことができない本店オリジナルの作品です。
(って書いてあったのに、帰って来てネットを見たら、阪急や大丸のHPで売ってたぞーー。)
山帰来(サンキライ)のお花の絵が描いてあります。
もちろん宅急便で送ってもらいました。
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香蘭社を満喫し、そろそろお腹も空いてきたので、すぐ近くにある「紀文鮨」というお鮨屋さんへ。
ここのお店へ入ったのが大正解! ご主人から有田についていろいろお話を聞くことができて、すごく楽しかったのです。
ご主人のお父様の代からここにお店を構えているらしく、有名な窯元などともご縁があるらしいです。
そしてお店に入ってびっくりしたのが、カウンターの後ろに並んでいた食器類の数々。高そうなものばかり。
しかしこれでも30分の1の量だとか! あとは全て地下の倉庫にあるそうで、季節によっても入れ替えたりしているそうです。
そしてカウンターの上には籠に盛られたたくさんのぐい呑みが。
さりげなく盛られてはいるけれど、かなり高そうなものが・・・。私が興味を示すとご主人自ら1つ1つ説明してくれました。
柿右衛門、源右衛門、今右衛門・・・・。はー恐れ入りましたー。
いろいろな窯元で何かイベントがあるとお呼ばれし、その時に来たお客様だけに配られる焼き物なども結構あるそうで、
ぐい呑みのうちのいくつかもそんな感じでした。まさにお宝ですよね。うらやましーー。
あーこのぐい呑みで日本酒が飲みたい! おっといけないいけない、まだ運転が・・・。
お手洗いのシンクも源右衛門窯に勤めていた職人さんが引退されて、ほとんどその人の道楽で作ってもらったものとか。
もちろんそのシンクが完成して、他は完全にオーダーだったそうです。すごいですね〜。
あと、香蘭社でお買い物をしてきたと言うと、有名な料理研究家の江上栄子さんは、香蘭社、深川家の娘さんだということです。
さすが、街のお鮨やさんは、いろいろな情報を知っているのですね〜。
おいしいお寿司を戴き、次にご主人オススメの有田館という所へ行ってみることにしました。
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有田館の駐車場がどこだか解らなかったので、商工会議所の駐車場に停めてしまいました。
そして有田館へ。
平日なせいか、観光客の姿はどこにもなく、まさに旦那サマと私だけ。
入口には有田の有名な様式の説明や、著名な窯元などの情報が展示されていて、すごく勉強になります。
そしてすごいのはここの2階! ご覧戴くと解ると思いますが、この建物ができた時に、有田の数々の窯元から提供してもらった
コーヒーカップが、部屋の周りにぐるっと展示されているのです。
旦那サマも私も、この部屋に入ったとたん鳥肌が立ちました。まさに圧巻!!
もしどこの窯元に行っていいか迷った時は、ここに来る事をお薦めします。
これだけいろんな窯元の作品が一箇所に集まっているところはここだけだと思うので、自分の好きな感じの焼き物を探して
その窯元へ行くほうがてっとり早いです。もちろんその作品の窯元はどこだか、全て書いてあります。
そしてこのお部屋の奥に、テーブルと椅子が置いてあるお茶を戴けるスペースがあります。
な、なんと、好きなコーヒーカップを選んでコーヒーを戴く事ができるのです! しかも1杯100円!
コーヒーはインスタントっぽいのですが、なんせ高価なカップで戴く事ができるので、もう2人ともどれにしようかとあれこれ迷い、
結局旦那サマは柿右衛門のものを、私は今右衛門のものを選びました。
下の写真左が展示室の様子。真ん中がお茶を戴けるお部屋から展示室の方を見たところ、
そして右の写真の左のカップが柿右衛門、右のカップが今右衛門です。
それはそれは優雅な時間でした。
素晴らしいカップを100円で使わせていただいて、大満足。
ここへ来て解ったのですが、私は結構今右衛門の作品が好みなようです。旦那サマは柿右衛門がいいと言っていました。
そこで、是非今右衛門の窯元へ行ってみたくなり、お鮨をいただいたお店の近くにまたまた車を停めて、行く事にしました。
お鮨屋さんからは本当にすぐのところです。
かなり古い建物が入口になっていて、普通の一般のお家へ入っていくような感じ。
ここ入っていいのかなあーと迷ってしまうような入口でした。
中は昔の古民家のようで、土間になっていました。
ドアを開けると、そこがショールームになっています。
最初間違って別の扉を開けてしまったら、何やら応接室のようで、打ち合わせ真っ最中って感じでした。ごめんなさーい。
数々の陶器を見ていて、あーやっぱり私この感じ好きだーーと実感。
シンプルな白い陶器にシンプルな絵付け。 んー欲しい! でもコーヒーカップは1客22,000円なのです。
私達はコーヒーカップは必ず2客セットで買うと決めているので、2客買ったら・・・ひえーー。
でももし次有田に来たら、勢いで買ってしまうかもしれません。それくらい気に入りました。
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さあー、本当に有田の街ともお別れ。福岡に戻らなきゃ。
有田に来て気付いたのですが、ここからだったら断然長崎空港の方が近いのです。失敗した!!
でも、福岡でこの旅の終わりにお土産を買うと決めていたので、頑張って福岡へ戻りました。
それにしても、福岡空港って国際線と国内線のターミナルがあって、すごくややこしいのですね。
どうやら国際線と国内線とでは、高速道路も降りる場所が別みたい。
でもいずれにせよガソリンを満タンにして返さなければならないので、とりあえずスタンドを探して給油。
今回借りたイストは、全くガソリンをくわないめちゃめちゃ優秀な車でした。
大分で借りて、最終日の有田へ行く時にちょっと不安になって10L給油しただけで、あとは返却時に満タンにしただけ。
最初の方は山道もガンガン走ったのに、全く減る事がなかったのです。すごいラッキーでした。
そして空港の目の前にあるトヨタレンタカーで車を返却したのですが、返却時にどこもチェックすることがなく、
え? 見なくていいの? と逆にこっちが心配になってしまいました。
もしどこかちょっと凹んだりしていても、たぶん全然気付かないだろうなー。信じられない。
もう次に借りる人が待っていたようで、私達が返却したイストにそのまま乗って行ってしまいました。
そしていよいよ福岡空港に到着し、チェックイン。ちょうど15時。荷物を預けて身軽になったところで
おみやげを買いに行きました。
ものすごく大荷物になってしまいましたが、それは旅の終わりには当たり前なので我慢我慢。
そして、最後に空港の中で博多ラーメンを食べました。んー、これで九州のごはんも最後だー。かなしーー。
帰りの便は、17時発羽田行きのANA。
ほとんど満席で、びっくり。しかもだいたいスーツを着たサラリーマンでした。出張帰りなんだろうなー。
OL時代に勤めていた会社の人たちも日本全国を飛び回っていたので、私がよくチケットをとったものです。懐かしくなりました。
そんなこんなでとうとう九州ともお別れ。。。
東京に着き自宅のポストを開けると、4日分の新聞と郵便物。
なんとその中に黒川の山みず木でお世話になった仲居さんから、既にお礼状が届いていました。
墨で書かれた美しい文字。見ていて本当に幸せな気分になります。
こういうステキな心遣いが、お客様の心を掴むのでしょうね。
<旅を終えて>
この時期にしか2人で夏休みをとれないので、来年もどうやらこの時期にとることになりそうです。
九州は以前長崎を旅行したことがありますが、大分、熊本の大自然には完全にやられました。ものすごくいい所です。
九重や阿蘇周辺は、ドライブするだけでも楽しいです。
上質な温泉、おいしい食べ物、おいしいお酒、美しい自然。
私達夫婦が大好きなものがたくさんありました。
由布院の街はあまり気に入らなかったけど、全国的に有名な今回お世話になった「玉の湯」、「亀の井別荘」、「山荘無量塔」、
そして「田乃倉」などの名旅館が集結していて、日頃の喧騒から離れて素晴らしい宿で静かな空間で過ごしたい、という時に
来る所だなーと改めて思いました。またこれらの旅館のどこかに泊まりに来たいものです。
黒川もすごくこじんまりしたいい温泉地でした。今度は別の旅館に泊まって温泉巡りをするのも楽しそう。
そして残念だったのが、福岡の夜を満喫できなかったこと。おいしいお店を発見したかったのですが、体調が良くなくてすごく残念。
有田は2回目だったのですが、旦那サマとも話して、次来る時は1日かけてゆっくり見たい街だね、という結論に至りました。
時間がなくて行けなかった武雄温泉で1泊しながら、なんてプランも考える事になりそうです。
九州旅行を終えて、旅の楽しさがまだ身体に染み付いているせいか、冬辺りにまたどこかへ行きたいねと話し始めています。
冬景色の中、温泉に入るのもなかなかステキですよね。