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槍ヶ岳・大喰岳・中岳・南岳
北穂高岳・涸沢岳・奥穂高岳・前穂高岳

(3180m・3101m・3084m・3032.7m)
(3106m・3103.1m・3190m・3090.2m)
登山日 2013年8月
25日〜28日
パーティ 2人(変動) 参考書籍 山と高原地図・岳
工程 1日目:上高地バスターミナル[5:40]〜横尾[8:55]〜槍沢ロッジ[10:40]〜天狗原分岐[13:40]〜ヒュッテ大槍[16:10]
2日目:ヒュッテ大槍[6:00]〜槍ヶ岳山荘[6:50]〜槍ヶ岳[7:20]〜槍ヶ岳山荘[7:50]〜大喰岳[8:35]〜中岳[9:15]〜南岳[10:40]〜南岳小屋[10:50]〜大キレット〜北穂高小屋[14:30]
3日目:北穂高岳[6:35]〜涸沢岳[8:40]〜奥穂高岳[10:00]〜紀美子平[11:50]〜前穂高岳[12:30]〜紀美子平[13:20]〜岳沢小屋[15:10]
4日目:岳沢小屋[6:10]〜岳沢湿原[7:35](以後、上高地散策)
※各山頂で休憩及び各所で小休止をしています。(見難くなる為○〜○は省略しています)
前夜
今回は登山を始めた時から、いつか行ってみたかった場所の1つである、槍ヶ岳&穂高連峰歩きです。
楽しみと高山病の不安が入り混じるのを感じながら、この山旅を待ち望んでいました。
前日22時30分新宿発、さわやか信州(グリーンカー)に乗車。
さすがグリーンカー!
3列シートなので、前も横も広いし、信州リンゴジュースのサービスやタオルケットもあります。
とは言っても、夜行バスで熟睡は無理ですね。

1日目
朝方、雨音で目を覚ます。
カーテンを開けて外を見ると、上高地までもうすぐ。
冴えない天気に車内は重い雰囲気で包まれている。
上高地バスターミナルでは雨は降っていませんでしたが、歩き始めると降ってきた…
山小屋で聞いた話だが、今年の夏の北アルプス(山の上)は天気が安定しないことが多く、雨が多いそうだ。
雨の中、本日の宿 ヒュッテ大槍を目指し歩きます。
横尾までは、整備された道なので、梓川や明神岳などを眺めながらのんびり歩きます。
いつしか天気は曇りに変わり、時折日がさしていますが、山の上は雲で覆われています。
横尾で小休止(ここまで11キロ、残り11キロ)したら出発です。
ここからは、槍沢沿いの登山道を進みます。
槍沢の水はとても冷たいので、冷気が白煙となっています。
横尾から1時間40分程歩くと槍沢ロッジに到着。
ここは槍ヶ岳を目指す人と降りる人の中継地点になっているようで、人がとても多い。
休憩後、再度登り始めます。
槍沢キャンプ場を過ぎた辺りから、西岳など周囲の山の上空は青空が広がってきていますが、目指す槍ヶ岳はガスの中…
大曲を過ぎてくると雪渓が現れだす。
さらに登るとヒュッテ大槍と槍ヶ岳の分岐に到着。
この頃には大分青空が広がってきて、槍ヶ岳方面もだいぶ見えてきました。
一休みしていると、左上部から落石の音が。
音の方を見るとサルが4匹いるようで、活発に動くことにより落石を誘発しているようです。
ヒュッテ大槍に続く最後の登りは、ここまで歩いてきた疲れもあり、きつかったですが無事到着。
周囲は青空が広がり、ついに槍ヶ岳の山頂を見ることができました。
槍ヶ岳方面に沈む夕日を眺めたら、豪華な晩御飯を頂きました。
夜は満天の星空で、天の川も見えますが、強風が吹き荒れています。
持ってきた三脚は軽いので、この状況では撮影は無理と判断し諦めましたが、明日の朝はいい天気を期待させてくれます。
小屋内では、団体客があちこちで談義をしているよう。
寝床に戻って早めに就寝しましたが、夜中に気分が悪くなり起床。
やはり高山の山小屋内は、苦手(>_<)
水を飲んだり外の空気を吸ったりして気分転換して落ち着いてから寝ました。
煙る明神岳 冷気漂う槍沢
槍ヶ岳はガスの中… アオノツガザクラ
尾根から大天井岳を望む 槍ヶ岳方面に夕日が沈む
2日目
早朝起床すると予想通り天気はとても良い。
大天井岳・常念岳方面からの日の出や朝日に染まる槍ヶ岳や穂高岳を眺めました。
身支度を整えたら、槍ヶ岳を目指して東鎌尾根を進んでいきます。
正面に見える槍ヶ岳は、とても迫力があります。
50分程で、槍ヶ岳山荘に到着。ここから山頂に登ります。
槍ヶ岳山頂への道は、見た目通り急峻ですが、各所に鎖場やハシゴがあるので、思っていたより楽。
山頂からの景色は勿論360°で北アルプスの山々を一望でき、とても素晴らしい。
展望を楽しんだら、槍ヶ岳山荘まで戻ります。
次は北穂高岳を目指すので、まずは大喰岳を目指します。
一度下り、ガレ場を登り返せば大喰岳山頂。
さらに30分歩けば中岳山頂に到着です。
この辺りの道中は危険箇所も無く、歩んできた道やこれから歩く道、そして北アルプスの山々を眺めながら気持ちよく歩けます。
中岳から少し下りゆるい登りの尾根道を歩いていくと南岳に到着。
山頂から10分程の南岳小屋でお昼休憩です。
日の出の時 朝日に染められ
赤く染まる槍ヶ岳 穂高連峰・中岳を染めていく
青空の下 青空に槍ヶ岳に映える
山頂から笠ヶ岳方面を望む 山頂から北鎌尾根方面
穂高連峰方面を望む 薬師岳・水晶岳を望む
大喰岳 大喰岳から槍ヶ岳を
大喰岳から笠ヶ岳を 大喰岳から次に目指す中岳を
南岳に続く尾根道 尾根道から中岳・大喰岳を望む
アキノキリンソウと常念岳方面を 南岳山頂から大天井岳、常念岳を望む
昼休憩をしたら、いよいよ大キレットです。
本やネットで危険箇所多数で大変という情報を得ていたので、気合を入れて挑みますが楽しみ♪
まず南岳から梯子や鎖を使って下りていきますが、浮石がとても多いので、足元を確認しながら進む必要がありました。
長谷川ピークに近づくころから、笠ヶ岳方面からきた雲に包まれて視界が悪くなっていく。
そんな時、南岳小屋でまた後で!と別れた同じく単独の方と出会い行動を共にすることになりました。
そしていよいよ長谷川ピークや飛騨泣きとなりましたが、西上州の山で鍛えられているので、特に苦になる場所はありません。
(飛騨泣きは気がつかぬまま通過し、後で聞いて知りました。)
なお、先行していたグループの1人が滑落して救助ヘリで運ばれたので、厳しいと感じたら戻る勇気も必要なのかもしれません。
北穂高小屋が近づき、3000mぐらいになってくると、かなり息苦しい。
やはり岩場より高山病の方が厄介です。
最後はバテながら、北穂高岳小屋に到着。
ここからの夕焼けを見たかったですが、ガスが広がって見えません。
残念…
それでは夜中の満天の星空を期待!!と思っていたら、逆に強烈な雨が降り続いた…
明日に不安を残しながら翌朝を迎えることになりました。
これから挑む大キレットと北穂高岳 ガレ場を慎重に下る
霧の大キレット通過中 長谷川ピーク付近
滑落者救助ヘリ(画面中央) 北穂高岳への登り
3日目
朝を迎える頃には雨はやんでいたが、濃霧に覆われ視界がかなり悪い。
ここから先も一度も歩いた事が無い為、危険という事から稜線歩きを諦めようという思いと諦めたくない思いで葛藤していると、突如日が射してきた!!
希望の光だ!!
この後天候が回復すると信じ、出発を遅らせるとどんどん青空が広がってきました。
そして、昨日歩いた大キレットが姿を現しました。
改めて見ると中々凄い尾根道。
小屋から少し登れば北穂高岳山頂です。
山頂からは360°の景色を楽しむ事ができ、昨日歩いた槍ヶ岳方面は勿論、これから歩く奥穂高岳や雲上の前穂高岳など素晴らしい眺めです。
眺めを楽しんだら、まずは涸沢岳を目指して出発。
尾根道は、岩稜の間を進む感じとなり不安定な浮石が多いので、落石を起こさないように注意して進みます。
岩は昨晩の雨で少し濡れていますが、ほとんど滑らないので大丈夫。
最低コルから涸沢岳は、鎖場(日本一長い鎖場らしい)とハシゴが連続する場所が多い。
高度感はここまで来るといまさら関係ないですが、標高がある分疲れます。
鎖場を越えて少し登ると涸沢岳山頂に到着です。
日本第8位の高さですが、周りの山が有名なのもあり誰もいません。
なので、今まで歩いてきた道やこれから目指す奥穂高岳などの素晴らしい景色をのんびり楽しみました。
希望の光 雲が晴れていき
姿を現す大キレット 山頂から前穂高・奥穂高・涸沢岳を望む
雲上の前穂高岳 これから挑む奥穂高岳・涸沢岳を望む
涸沢岳 ミヤマセンキュウと前穂高岳
涸沢岳の登り 涸沢岳の登りから振り返る
涸沢岳山頂から槍ヶ岳を望む 奥穂高岳
休憩後は、奥穂高岳を目指します。
奥穂高岳山頂までの道のりは、見た目はキツそうに見えたが、実際は涸沢岳よりかなり楽。
序盤こそ梯子等がありますが、その後はガレ場歩きとなります。
こちらは先程とは違い人が多い(山荘〜山頂の往復の人が多数)ので、ペースものんびりです。
登っていると前方右側にジャンダルムが見えてきます。
いつか歩いてみようと思いますが、中々恐そう…
のんびり歩いてたどり着いた奥穂高の展望は360°の素晴らしい光景で、しばしその景色に見とれました。
休憩後は、今回最後の山となる前穂高岳を目指します。
前穂高岳付近は、雲の通り道になっているのか、雲に覆われたり晴れたりしています。
この長旅の最後となる前穂高岳が近づくにつれ、様々な思いが沸き起こってきます。
様々な事を思い出しながらも、目の前の景色を楽しみながら歩くと紀美子平に到着。
山頂方面を見上げると、濃いガスで覆われているようです。
皆ここで、リュックを置き山頂を目指しているようなので、自分も貴重品とカメラ一式と少しの食料を持って、頂上を目指すことにします。
登り途中に団体約30人(下り)と遭遇。
石がぱらぱら落ちてくるので、危なくない箇所でやり過ごします。
山頂が近づくにつれ、一面を覆っていたガスがはれてきた。
景色を期待し、力を振り絞って山頂まで一気に登ると景色が見えるではないか!
下には梓川(新村橋付近)の流れなども見え、とても嬉しい。
到着して少しすると再び霧が辺りを覆い始めた。
あのつかの間の景色は、登ってきたご褒美だったのかもしれない。
一休憩後、紀美子平まで戻ります。
あとは重太郎新道を下って岳沢小屋を目指すだけです。
重太郎新道は、下山時に滑落/転倒事故(昨年11件で内1件死亡)があるので、油断せず慎重に下ります。
途中前穂高岳の登りですれ違った団体を抜きさらに下ります。
道中は傾斜がキツいガレ場などもありましたが、それ以上に単調な道が長い…
疲れ&飽きてきた頃、岳沢小屋に到着。
部屋は、1部屋6人で隣の人と隙間が無い…
しかもピーク時でもない平日なのに満室とは( ̄□ ̄;)!!
部屋には既に寝ている人がいるので、外のベンチで、焼岳、乗鞍岳、霧沢岳を眺めながら、カメラの手入れなどして過ごしました。
夕飯時、名古屋から来られた2人組の方と山談義で盛り上がり楽しい時間を過ごした後、眠りにつきました。
険しいジャンダルム 奥穂高岳山頂にて
良い色♪[イワギキョウ] 涸沢を見下ろす
前穂高岳 前穂高岳山頂から北穂高岳を望む
山頂から梓川を見下ろす 再び雲が多くなっていく
重太郎新道から明神岳を望む
4日目
最終日は、岳沢小屋から朝の爽やかな風を感じながら、のんびり下れば、あっという間に岳沢湿原。
今日はこれから上高地散策をして帰宅します。
この山旅を思い返すと、
初の3泊4日の山旅は、雨や高山病など苦労する事もあったけど、登りたかった槍ヶ岳や穂高連峰を歩けて楽しかったです。
また様々な方と出会い語れたのは良い経験になったと思います。
いつか西穂高岳とジャンダルムを歩いてみたいけど、まずは高山病の克服か高山病になっても耐えられる体力をつけるためのトレーニングが先かなと感じました。
前穂高岳方面を見上げる ミヤマセンキュウ