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谷川岳(トマノ耳、オキノ耳)・一ノ倉岳・芝倉岳1963m・1977m・1974.2m・1977.9m |
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登山日 | 2014年 5月24日 | パーティ | 単独 | 参考書籍 | 山と高原地図 |
工程 | ロープウェイ[7:00]〜天神峠リフト〜天神山[7:30]〜肩の小屋[9:40〜55]〜トマノ耳[10:05〜15]〜オキノ耳[10:25〜55]一ノ倉岳[11:50]〜芝倉岳[12:10〜40]〜中之新道〜旧道〜ロープウェイ[17:00] | ||||
今回は残雪の谷川連峰を歩いてきました。 7時前に谷川岳ロープウェイに到着し、始発便で『天神峠』へ。 さらにここからリフトで『天神山』へ。 リフトから降りてすぐ左の池では、ミスバショウが満開。 ここは標高1500mぐらいなので、来週の尾瀬散策に期待が膨らみます。 ここから少し登ったところが山頂で、周りの景色が望めました。 準備を整えたら、いよいよ谷川岳に向け出発です。 この尾根道は、正面は谷川連峰、右手には朝日岳、足元はショウジョウバカマやイワウチワやカタクリなどの可愛い花々が咲いているので、のんびり歩いていきます。 時折残雪があるものの、アイゼンを使うまでもないくらい。 ただし避難小屋までの間に2か所ほどアイゼンがあったら安心の斜面があったので慎重に突破しました。 避難小屋から少し行った先に雪の登り斜面がありましたが、続かないと判断しストックを使いながら登りました。 読みは正解で斜面を突破するとすぐに雪が無くなりました。 ここから傾斜がきつくなってくるので、咲き始めたシャクナゲや周りの景色を見ながらゆっくり登っていきます。 肩の小屋手前の斜面は、長い雪の斜面。 ロープが張られているので蹴りこみながら登れば、アイゼンなしでも可能ですが、念のためアイゼンを装着し登りました。 この雪も不思議なもので、肩の小屋まで登ると消えました。 『肩の小屋』のベンチで万太郎山に続く稜線を眺めながら休憩です。 小屋から一登りすれば、『トマノ耳』。 さらにここから少し歩けば『オキノ耳(谷川岳山頂)』です。 展望は360°と素晴らしく、しかも誰もいないのでのんびりくつろぎました。 しかも上空には彩雲が出現してラッキー♪。 |
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天神山より谷川岳を望む | 登山道の片隅に[イワナシ] | ||||
イワウチワ | カタクリ | ||||
咲きそうなシャクナゲと | 爼ー(まないたぐら)方面を | ||||
背後は赤城山、子持山方面 | 肩の小屋手前は雪の斜面 | ||||
万太郎山方面に続く尾根道 | オキノ耳より白毛門、旭岳を望む | ||||
彩雲と共に | オキノ耳と彩雲 | ||||
オキノ耳で下山をする人が多いそうですが、今回は茂倉岳まで行きます。 まずは一ノ倉岳を目指しますが、その途中にある一ノ倉沢は見たかった場所。 見下ろすその光景は迫力があり、吸い込まれそうな感じがするほど。 ここをロッククライミングする人がいて、死者も多く出ているそうですが、自分はそもそもこれを登ろうとは思えません… 一ノ倉岳の最後の登りは疲れましたが、一歩一歩登っていけば山頂に到着。 ここから茂倉岳に続く尾根道の半分は雪の上。 しかも右も左も斜面なので、滑落しないように足元を確認しながら歩んでいきます。 辿り着いた『茂倉岳』も誰もいない静かな山頂だったので、360°の景色を楽しみながらお昼休憩です。 |
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一ノ倉岳、茂倉岳へ続く尾根道 | 一ノ倉沢を見下ろす | ||||
一ノ倉岳よりオキノ耳を望む | 今にも咲きそう[ショウジョウバカマ] | ||||
茂倉岳へ続く雪の尾根道 | 茂倉岳山頂 | ||||
歩いてきた谷川岳の尾根 | 苗場方面の山々を望む | ||||
土樽PA,荒沢山方面 | .茂倉岳より一ノ倉岳 | ||||
さて下山ルートですが、一ノ倉沢を下から見たかったので『中芝新道』を選びました。(旧道は現在工事中で、車で行けない為) 登山地図は破線、現地の標識も「難路・熟達者」と書いてありましたが、登山道の岩場道なら経験しているし問題ないと判断しました。 ただこれは正直失敗だったと後悔することに(-.-) 正面の朝日岳や大源太山などの周りの景色もそうですが、ハクサンコザクラやヤマザクラなどの花々や幽ノ沢などの岩壁を見ながら楽しく下っていく。 想定通り岩場も多いが、難無く突破していきます。 しかし下っていくと予想に反し雪の量が増えていく。 安全のためアイゼンを装着したが、軽アイゼンだったのもあり少し滑落… 滑落先の笹に突っ込んだ瞬間に全力で掴んだので、手の平以外怪我はない。 安心したのもつかの間で、目の前に急斜面の雪渓が立ちふさがる。 確かに登山地図を見ると雪渓のど真ん中を降りていく。 帰宅後に調べたら、7月ぐらいでも雪渓部分があるみたい… とても軽アイゼンで歩いて下る自信は無い。 登り返すかどうか迷ったが、雪渓に立ち入らず笹の斜面を下れば大丈夫だと判断し下ってみます。 途中までは問題なかったのだが、後半そうもいかなくなる。 さてどうしたものかと考えていたら、下で何やら訓練をしている人たちの姿が。 その方々に『大丈夫ですか?』と声をかけられた。 『大丈夫です。何とか降ります。』とは返事をしたものの、雪渓滑り台をすると、下の人に当たりそうなので思考していたら、 『訓練してますし、そこまでロープを持って行きますので待っていて下さい。』と言われたので、無理せず甘えることにしました。 目の前の急斜面をピッケルを巧みに使いながら登ってきてくれました。 ロープの足りない部分は滑り台となったが、怪我をすることなく降りることができました。 何度も頭を下げ、お礼を言って別れたが、頭の中では、自分の情けなさと腹立たしい気持ちが沸き起こっていた。 ここから先の雪渓は軽アイゼンなら少し滑るくらいの傾斜で、景色も良かったが頭の中で葛藤が続いていた。 そのせいで分岐道を通り過ぎてしまった事に後で気づいた… テープらしきものが見えたので進んでみたら外れ道… 自分の情けなさがさらに積もることになった。 雪渓上で野宿は洒落にならないので、雪解け水で頭を冷やして冷静になり、基本に戻り分かる場所まで戻ってみることにした。 その結果容易に、正しい道を見つけることができました。 そこは旧道で、幽ノ沢や一ノ倉沢を経由する道。 ブナの新緑がまぶしいくらいで、気持ちがだいぶ落ち着きました。 途中の一ノ倉沢では、明日に備えてテントを設営する方たち、マチガ沢では下部で登攀する人たちがいた。 雪渓から1時間30分程歩くと、ロープウェイ乗り場に辿り着きました。 下山後、谷川温泉で汗を流したり、水上名物『みなかみダムカレー』を食べたりしながら、帰路につきました。 今回様々な景色や花々を楽しめた一方、自分の力に対する慢心さや下調べ不足の痛感など身をもって感じた。 改めて思い知ることができたのは、これからの事を考えると良かったのかもしれないと思う。 谷川岳はそれを教えてくれた印象深い山になった。 |
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中芝新道を行く | 迫力の岩壁を見ながら | ||||
良い色です♪[ハクサンコザクラ] | 残雪の山々と共に | ||||
武能岳とシャクナゲ | 雪上訓練をしていた方々 | ||||
芝倉沢 | 一ノ倉沢を旧道より |