2018年4月 4泊 横浜→釜山→神戸(前編)

 

1日目

昨年秋の「にっぽん丸」のクルーズに乗るために、出発地の北海道に飛行機でとんだところ
台風でクルーズがキャンセル。

頭に血が昇って 自宅に帰っていきなり、正月のクルーズとゴールデンウイークのクルーズを申し込んだところ、
正月はキャンセル待ちになり乗れず。

やっと予約できたのが この「ダイヤモンドプリンセス 横浜→プサン→神戸 4泊5日」
GWとは言え、平日2日を挟むので、果たして行けるかどうか不安でしたが、なんとか乗船にこぎつけました。


出発は横浜港。

この日はGW初日ということで、10万トンクラスの3隻のメガシップが集合します
「スプレンディダ」「ノルウェージャン」そして「ダイヤモンドプリンセス」

3隻とも17時から18時の出航なので、夕方はギャラリーも多そうです。
出航は17時ですが、3000人の乗客を乗せるためには時間もかかるので、13時ごろから乗船することも可能です。

わが家も当然早々と乗船。
一応、海外航路になるので、出国手続きをすませ、(出国スタンプは「横浜」で手続きも簡単)船室に向かいます。

今回は「バルコニー付き」。部屋としては中の下くらいのランクでしょうか。
部屋の広さは、寝室7畳半にシャワー・洗面トイレ・クローゼット足して10畳半・バルコニーは4畳半

日本船でバルコニー付きは恐ろしく高いのですが(1人4泊だと30万円)この船は格安
4泊5日で1人 なんと118,000円。

一番安い窓なしの部屋(広さは同じ)はなんとなんと 78,000円
横浜→プサン→神戸の運賃 4泊のホテル代 食べ放題の食事 エンタメ代
すべて込みでこれは安い。

さてさて そんな訳で船室に行くと、バルコニーの向こうに、同時出航予定の「ノルウェージャン」が見えます。
この船は沖縄台湾クルーズで 9日の旅だそうで、GW満喫ですね。

向こうには友人が乗っているので、手旗信号でも持ってこようか考えたのですが、荷物になるので止めました。


このダイヤモンドプリンセス。乗客定員は3,000人弱なのですが、ダイニングは定員1,500人程度。
したがって、席は2回転します。

以前乗ったときには、夕食は好きな時間にどこのダイニングにでも行けたのですが、日本発着だと指定席になるとのことで、1回目17:30~と2回目19:45~を 選択しなければなりません。

我が家は 遅い「2回目」を選択。


13時に乗船したのですが、昼飯は食べていません。
普通なら「晩飯まで時間があるので中華街あたりで昼飯食ってから乗船」と考えそうですが、この船は食べ放題のバイキングが6時から23時まで開いており、自由に何回でも行くことができます。(海外では24時間営業でした)

なので、荷物を部屋に置いたら、なにはともあれバイキングにダッシュ。
ふつうはバイキングだと「元を取るぞ」と120%食べるのですが、何回でも出入り自由だと思うと気持ちに余裕ができて、無理はしなくなりますね。

とりあえずおなかも落ち着いたので、船内見学に出かけましょう。



この船に乗ったのは初めてですが、同型船の「サファイアプリンセス」には乗っているので
迷わないだろうと思っていました。

しかし、日本発着がメインになって、大改装して大浴場を作ったり、かなり異なる箇所も多く、思ったほど覚えていないので、もう一度覚えなおしです。

全長290m。一般客が入れる階だけで10階くらいあるので、迷いだすとどっちが前か後か分からなくなります。
同じように、迷った乗客がマップを片手に右往左往しています。

一応経験者ですし、何といっても「平面図」見るのが仕事なので、格好悪い事はできません
マップをスマホに撮り、電話するふりをして位置を確認します。

船内にはプールが3つか4つあり、入間市の市民ホールより大きいシアター。
5つのダイニング。いたる所にあるバー。広いカジノ。
4泊5日では、行けないところも多そうです。


センターホールでは 酒樽の鏡開きが始まりました。
船長はじめ船の幹部が勢ぞろい。

乗客に酒がふるまわれますが、上の階から撮影していたので出遅れ。
列の後ろに並んだのですが、配っている酒のグラスが無くなりました。

樽の底にはまだ酒が残っているはず・・・
「自分の部屋からコップ持ってこようか?」



1時間くらいであちこち歩いたら、またおなかが空いてきました。
「ホライズン行くか?」 例の食べ放題のレストランの名前がホライズン。

「あたし ハンバーガーとソフトクリーム行く!」と女房。
プールサイドでは、ハンバーガーとピザが、これまた食べ放題。
ソフトクリームも食べ放題。

チーズバーガーをもらって テーブルに帰ってきたところで
「避難訓練始めます」のアナウンス

そういえば最初に部屋に入ったとき、担当のボーイさんが「4:15から避難訓練がある」と言ってました。

「めんどくさいな~ ハンバーガーもらったばっかりだし・・・」
と聞こえないふりをしていたら、日本人のスタッフが飛んできて、
「必ず参加してください。ハンバーガーは持って行って結構ですから」と、結構強い口調です。

仕方がないので、溶けそうなソフトクリームだけ急いで食べ、ハンバーガーのお皿を持ったまま階段を小走りで降りて集合場所へ。
集合場所では乗船カード(部屋のカードキー)のバーコードをチェックするので、サボったらすぐにバレて、後で叱られて、この後にある追試に参加させられるそうです。 



避難訓練も終わり、ハンバーガーも食べたので、(この時点でビール2杯)少し眠くなりました。
最上階の甲板にある、ビーチベッドで ビール片手に横になりウトウト・・・。

もうすっかり、昨日までの現実社会から逃避して、すでに気分はドバイの大富豪。
GW明けに待っている仕事の締切や、出かける前に出すの忘れた会社の生ゴミや、
見るのが怖くて開けられなかった会社宛ての請求書など、そんなことはどうでもよくなってきます。

乗船からだいぶ遊びました、今、船はどこを航海しているのか?
ビーチベッドから起き上がり、プールサイドから、水平線を見ると・・・

横浜ランドマークタワーが見えています。
船はまだ出航していません


外の甲板も何層にも分かれていて、どこから出航シーンを見るか、今のうちにロケハンしておきます。
自室が右側の桟橋側なので、バルコニーからも見えるのですが、やっぱり360度見たいですね。

最前部のブリッジ(操舵室)が、左右に張り出した通称「ウイング」の上は、前も後ろも見えて最高です。ここに決めました。


乗船から4時間。17時になりました。ようやく出航の時間です。
奥に停泊している同時出航の「ノルウェージャン」は まだ舫(もやい)を解いていません。
どうやらこちらが先になりそうです。

「ヴオオォォォォォー!」 重い汽笛を鳴らし、ゆっくりと大桟橋を離れます。
3隻連続出航なので、ギャラリーも多いですね。

「ボオーーーーー!」 軽い汽笛は反対側に接岸している、横浜港観光船「ロイヤルウイング」の「行ってらっしゃい」挨拶でしょうか。


出航するとすぐにベイブリッジを潜ります。
ベイブリッジの 水面からのクリアランスは55m。
10万トンの「ダイヤモンドプリンセス」は高さ54m。

「くぐれるの?」「やばいやばい、ぶつかる!」と 甲板上は大騒ぎ。
真下に来ると 「おおおお~」と歓声と拍手が巻き起こります。


ベイブリッジの外には 一回り大きい13万トンの「MSCスプレンディダ」が停泊しています。この船は60m以上の為、橋を潜れず外側の貨物ターミナルに接岸しています。

「橋が低いのは設計ミスじゃないのか?」と言われていますが、当時はこんな大きな客船が頻繁に日本に来るなんて想像もできませんでした。

 




橋潜りが終わると、ほとんどの乗客は船内に戻ります。
ブリッジ上に残ったのは、私一人。

今頃部屋では、女房がスーツケース2つ分の荷物を、クローゼットに整理している頃でしょう。
たった5日の旅ですが、フォーマルの日もあり、着替えの量が半端じゃありません。

「手伝わないんなら、邪魔だから出てってよ」と言われるので、これ幸いと、甲板でボーッとして過ごします。

船は東京湾の狭い浦賀水道を12ノットで南下します。
狭い航路なので制限速度が12ノット。タグボートが露払いで先行します。


「向こうから来るのは 橘丸か?」
八丈島からの帰ってきた黄色い橘丸とすれ違います。

「しらはま丸?」
東京湾横断の赤白のフェリーが、交通量の多い水道の大型船の隙間を縫って横切します。

ずっと見ていたいのですが19:45の夕食までには着替えなくてはいけません。
そろそろ部屋に帰るとしましょう。


 

ディナーは指定席。
入り口で乗船カードを見せると、ボーイさんが席に案内してくれます。

「アッ、さっきのガルベス君がいた」
なんと、乗船してすぐに行ったバイキングで食事中、最初に話しかけてきた
「田中要次」そっくりのボーイさん。

検事ドラマ「HERO」の「あるよ!」で有名な俳優さんですが、古畑任三郎に出た時の
「ガルベス君」のイメージがピッタリだったので、我が家では「ガルベス君」でとおしていました。

ダイニング5つもあるのに彼に当たるとは。
しかも指定席のエリアが、彼の担当とはすごい確率。


指定席は6人テーブル。
我が家と同じ世代のご夫婦と少し上のご夫婦。
最終日まで同じ席なので、日を追うごとに話が盛り上がります。

メニューには前菜やメインが書かれていますが、実はこれはいくつ頼んでも良いんです。
前菜2つに メイン3つでも大丈夫。
デザートも5種類くらいありますが、全部食べても大丈夫。

乗船して散々食べて、ついさっきハンバーガーとソフトクリームを食べてしまったので
今晩は軽くメインは「リブステーキ」だけにしておきます。
(前菜とデザートは別腹)

 


デイナーの後は、軽く甲板散歩。
上甲板のプールサイドでは映画が始まりました。

もちろん船内のシアターでも上映していますが、季節も良いのでここが最高です。

本当はカジノに行きたかったのですが、日本の領海を出るまではカジノ禁止。
12時以降にオープンとの事なので、今日は諦めます

実は、今まで現金をかけることができる外国船では負け知らず。
と言ってもたかが知れてますが、その日の航海中のアルコール代(アルコールは別料金)
くらいは稼いでいます。

ちなみにアルコールは意外に高く、ビールやクラスワインは7ドル程度。
(国際航路で非課税なのにこれは高い)
10杯飲めば元が取れる50数ドル程度の飲み放題パックも有りますが、私一人ならともかく、同行者も一緒に入らなきゃならないので、日本人は元が取れないでしょうね。


「夜食に軽くフルーツでも」
と言いながら バイキングでガッツリ食べてしまい、もう動けません。
散々楽しんで部屋に戻ると、室内は夜仕様になっています。
とりあえず今日は寝ることにしましょう