12回目 2013年7月20日

2013年7月20日

富士宮口
天候  晴れ  気温 8度 (登頂時) 風 5ノット 
登り  5時間20分
下り  3時間15分 



7月20日、急に仕事が片付き、富士山に行くことになりました。
今回は「富士宮ルート」


今年から大混在が予想される富士山は、大規模なマイカー規制が行われ、この富士宮5合目には、8月末まで自家用車では上がれません。
そのため2合目の駐車場に車を止め、シャトルバスかタクシー利用となります。

仕事から帰宅して23時頃寝たものの、酒を飲んでいないので寝付けず、 やっと寝付いたら1時に目覚し時計が。

急いで支度して2合目に着いたのは4時。
6時始発のシャトルバスは、今日は同時に5台も出るとか。
富士宮の狭い5合目は、おそらく250人で満員になるはず。

そんな訳で、登山者ナンパして、一足先に4人でタクシー乗り合いで5合目に。
これが正解でした。

2合目は霧の中でしたが、5合目は雲の上。
山頂もはっきり見え、風もありません。最高のコンディションです。

あとから混みそうなので、高度順応もそこそこに、6時にスタート!
登山道入口には、「弾丸登山禁止」の看板が。



6合目を通過、7合目には1時間半で到着。
良いペースですが、寝てないのと高度順応してないので、高山病が気になり、意識的に少しペースを落とします。


頂上はすぐそこ


弾丸登山禁止!



3時間で8合目に到着。下界は雲海で幻想的でが、少し上がったようで、5合目が隠れました。
だんだん雲は上がりそうで、登頂したら早めに下山しなくては。
それにしてもいつもなら 

登山前日   ・・・気が重いな
自宅出る時  ・・・眠いよ
5合目    ・・・このまま帰ろうかな
6合目    ・・・TUTAYAで DVDでも借りて見てれば良かった
7合目    ・・・下山ルートどこだっけ
8号目    ・・・いきなりスイッチが入り「行くぞ!」

となるのですが、今回は

前日     ・・・仕事のため行く予定なし
自宅出る時  ・・・富士山に行く実感なし
5合目    ・・・「行くぞ!」
6合目    ・・・「おらおら行くぞ!」
7合目    ・・・「がんがん行くぞ!」
8合目    ・・・「上へ!上へ!」

急に決めたためか、ヤケくそで気合があります。
体調も良く、暑くも無く寒くも無く。苦しくもありません。
実はこんな時、後半が怖いんです・・・



8合目からが本当の富士登山。
9合目目指して、深呼吸しながら岩場を登り、さすがにペースダウン。

9合目まで4時間。
このままでは前回の5時間ペースは無理。 9合目からが長い!

20歩岩場を登り、深呼吸。
「海女ちゃん」式で深呼吸。

上を見ようと頭を上げると クラクラと立ちくらみ。
あわてて頭を下げて脳に血を回します。

9合5勺の山小屋を通過。あとは登るだけ。
ゴールの鳥居は すぐそこに見えてます。
地上なら3分でしょうが、このペースだと30分はかかります。

深呼吸を繰り返し、最後の岩場を登って鳥居をくぐれば・・・

「やった~ やっと着いた」
所要時間 5時間20分でした。


下界は雲海

鳥居をくぐれば頂上


富士宮側の頂上は結構混雑しています。
マグロのように転がってる人、元気に万歳してる人、ラーメン炊いてる人。 人間観察も楽しいです。

「今回は楽だったなあ~」
普段は頂上では 体力使い切ってヘロヘロなんですが、今回は、力が余ってます。



富士登山の疲労は4つ。

1. 持久力の低下・息切れ 
   これは平地のジョギングでもおきます。予防はダラダラと歩き、
    ハンガーノック(燃料切れで低血糖状態)を防止するため、常に栄養を補給する。

2. 足の痛み・筋肉の痛み
   特に富士宮ルートは急な岩場が続くので、普段使わないモモの筋肉や
   足首が痛くなります。 少しでも張りが出たら、立ち止まって休憩。

3. 寒さ
   寒いと思って厚着をすると、汗をかきすぎ体が冷えます。今回はドライのTシャツ1枚のみ。
   寒ければ風よけにカッパを着るか、緊急事態用のダウンの防寒具を着る予定。

4. 高山病
   とにかくゆっくり上昇すること。深呼吸や水分補給も重要。


今回は4つとも成功。



ウイダーゼリーで栄養補給、暑くもなく寒くもなく。筋肉を痛め無い程度にペースダウン。
高山病も、5合目での高度順応が心配でしたが、問題なし。
(1週間前に スカイダイビングで3,700mまで上がったので 体が覚えていたのか?)

余裕が有るので人間観察を終えたら、神社にお参りし、次は「剣が峰」(3776m地点)に急ぎます。
富士宮だと近いので良いですね。



混雑していたら止めようかと思ったのですが、剣が峰に向かう「馬の背」には行列は出来ていません。
遠め目には混雑してないと思った「剣が峰」行って見たら標識の前に撮影の行列が20人ほど。

各々後ろの人にカメラ渡して、シャッターを押してもらいます。
標識に抱きつく人、ジャンプする人、気をつけの人。ここでも人間観察が楽しいです。


心臓破りの「馬の背」

最高峰の碑は撮影待ち



明るいうちに帰宅したかったので、お鉢は回らず、このまま下山開始。
時間は12時過ぎ。 御殿場ルートで降りて、宝永山経由で帰ろうか、このまま富士宮を降りるか・・・。

御殿場ルートは下山道には最適。
しかし、富士宮に帰るためには、途中で宝永山の火口に一旦降りて、また登るのが面倒。

富士宮ルートは岩場の下り。
狭いのに登山道と下山道が同じ富士宮ルートは、岩場でたびたび片側通行になり、譲りあいで渋滞してしまいます。
さらに、疲れた足で岩場を降りるのは、登るより難しい。

今回は体力的に余裕があったので、ついつい早く帰りたくなり、富士宮ルート下山を選んでしまいました。



最初は岩場をヒョイヒョイと駆け降りて、一気に高度を下げます。
すれ違う半分死んだ目をして登ってくる人に
「こんちゃぁ~!」 と声をかけ、片側通行の道を譲って余裕を見せます。

「このペースなら2時間で帰れる」

8合目下まで降りたところで 「あれっ? こんにちは」
なんと朝のタクシーで乗合いした、初富士登山のご夫婦が登ってきました。

「ここから頂上までどれくらいですか?」
「普通、3時間くらいですね」

と答えたのですが、かなり疲労してるようで、今のペースだとご夫婦の帰りは、
夜になりそうです。暗くなって岩場を下るのは危険です。

「頂上の風景は、8合目と変わりませんよ」
と、疲労も多そうなので、やわらかく途中下山を勧めます。



しかし余裕で対向者に挨拶できたのもこのあたりまで。
だんだんと燃料切れの状態、ヒザもモモもかなり痛んできました。

おまけに親指の爪が、靴に押し付けられ、はがれそうに痛い。
おそらく靴下脱ぐと、真っ黒に変色してるでしょう。
「足が痛い・・・モモが上がらない・・・土踏まずがつりそう・・・」

「こんな山 二度と来るもんか!」

普段は登りの7合目でつぶやくセリフが最後の最後で出てきました。



死ぬ気で降りて、ようやく6合目。
このあたりでは 「こんちゃぁ~!」 とまだまだ余裕のある、登りの登山者から声をかけられますが、
こちらは 「・・・じゃぁ~・・・」と返すのが精いっぱい。

これから登る人は元気いっぱいで、大はしゃぎで楽しそう。

「ふふふ、本当の登りはここからだよ。この先、地獄が待ってるぞ~」

と心の中で脅かします。
結局下山は予定オーバーの3時間15分。
すぐに着替えて、サンダルに履き替えたいのですが、今回は、ここからシャトルバスで駐車場まで帰らなくてはなりません。

下山道では、あれだけ「もう来ねえよ」と思ったのに。、なぜか帰りの車では、
「次は宝永山経由だな」と考えるのが不思議。
今年は登山者多そうで、高山病や天気より、渋滞対策が必要です。


振り返る頂上は雲の中

当日の気象