ヘリの CH-47 輸送機 C-1
航空自衛隊の体験搭乗に応募しました。
希望機種はジェット輸送機の「C-1」
ヘリの「CH-47」も選択できるのですが、C-1の方が乗る機会が無いだろうと思い、今回はC-1に。
CH-47には、どこかで遭難したら、レスキューで乗れそうです。
毎年応募しているのですが、今まで抽選に当たったことが無く、今年も諦めていたのですが、
今年は「当選!」
そんな訳で、自宅近くの入間基地まで行ってきました。
天気も良く、風も無く、絶好のフライト日和。
受付を済ませると、金属の札を渡され、 「これを 首からかけて下さい」 と言われます。
この札は単なる受付票ではありません。
飛行機が墜落して燃えた時に、骨だけになっても金属の札が残れば、誰の遺体か判明するようになってます。
本職の方は、「遺体がバラバラになっても分るように、イザとなったら口の中に入れる」 そうです。
もちろん、当日の担当者からは、こんな説明はありませんでした。
さて、C-1には30人が搭乗します。
満席なら60人乗れるのですが、半分しか乗せないのは、機内での混乱を避けるためでしょうか。
それとも、休日なので、近隣から苦情が来ないように、パワーを抑えて上昇するからなんでしょうか。
飛行コースは 15分間で入間から所沢、川越方面をグルッと回るようです。
注意事項の説明を受けて、いよいよ30人は飛行機に乗り込みます。
遺体に認識タグ 予定のコース。実際は逆廻り
後方のカーゴドアから、ゾロゾロ乗り込んで、椅子に座ります。
山手線のように、向かい合ったベンチシートです。
山手線と違うのは、窓が無いこと。
正確に言うと、実際は小さな丸窓が5人に1箇所くらいであるのですが、窓位置が高すぎて、座ると外は全く見えません。
おまけにシートは、パイプに布を張っただけの、キャンプで使う折りたたみ椅子。
こんなに簡単で大丈夫なんでしょうか・・・
「シートベルトを締めてください」
と ロードマスターさん(貨物室乗務員)に言われて椅子に固定されたら、あとは何もできません。
このまま離陸して着陸したら、本当に飛んでるのか解らないまま帰ることになります。
屈強な自衛隊員が集まって、地上で外から飛行機をユサユサ揺らして、「ハイ、飛びましたよ」
と言われても信じるしかありません。
エンジン音と、振動と、腕時計のコンパスで方位を測って飛行機の動きを想像します。
ガタガタと誘導路を進んで、一旦止まったところでエンジン音が大きくなります。
コンパス見ると方位は南。どうやら滑走路「17」から離陸です。
事前の案内では、北に向かって離陸し、右回りで川越へ向かう予定でしたが、風が変ったんでしょう。
「ゴゴゴゴ―――――――!」 パワー全開! 旅客機とは違う爆音です。
長椅子に横向きで座っているので、腹筋を使わないと、隣の人を押してしまいます。
山手線の急停車より激しいGです。
「ドン ドン ・・・サー・・」と車輪の振動が消えると、機体は上昇。
機体下から 「ドン ガー ドン」 これは車輪を格納した音。
あっという間に、予定の2,000ftに達したらしく、エンジンは巡航パワーに。
南に向かった機体は、所沢で東に旋回、左回りで川越に向かいます。
「ベルト外して良いですよ」
ロードマスターさんのうれしい案内。
30人は一斉に立ち上がって、窓際に走ります。 窓に顔を張り付けると、どうやら東所沢上空。
本当に飛んでました!
関越沿いに北に向かったC-1は、揺れも無く安定して飛行しています。
30人の乗客は、機内を右に左に行ったり来たり。
窓の左には所沢が見え、右側には荒川が見えます。
荒川を上流に追って見ると、入間川との分岐点がはっきり解ります。
もう少し上流には、見慣れたホンダエアポート。
ここだけは遠くからでも迷いません。
白い飛行船も見え、離陸する飛行機も確認できます。
入間と風向きが違うようで、北向きに上がっているようです。
スカイダイビングもやってるはずですが、残念ながらパラシュートは見えません。
昨年の体験搭乗は20分間だったそうで、今年は燃料の節約なのか15分間。
川越で西に左旋回すると、降下の為、シートベルトサインが付きます。
「皆さんそろそろシートベルト締めてください」
とロードマスターさんに言われ、後ろ髪を引かれながら着席。
「みなさん、これから着陸しますが、着陸後この飛行機は大きな音がします。
壊れたわけじゃないんで、驚かないで下さい」
ロードマスターさんから、注意のアナウンスが流れます。
機体は小刻みにコースを修正しているようで、ピクピク動きます。
窓が無いので想像だけで滑走路をイメージします。
「そろそろか? まだか? まだか?」
「ドドーン! ゴロゴロゴロ――」 と車輪が接地。
そして・・・・・
「バゴーーーーーーーーーン」 と、とんでもないデカイ音。
エンジンの逆噴射の音ですね。
「壊れたわけじゃありません」と事前に聞いていないと、爆発したかと思います。
この逆噴射の音は、近所に住んでいる我家にも頻繁に「ドロドロドローーーー」と
地鳴りのように聞こえてきます。
「機体が停止するまでベルトはそのままで・・・」と 言われているので
外が見えぬままタキシングを想像。
機体が止まると、テールのゲートが天の岩戸のように開き、光が差し込みます。
いや~ なかなかいい経験が出来ました。
会場にはオミヤゲ屋さんもあり、地上展示の機体もあるとの事で、
もうしばらく遊んでから帰ることにしましょう。