ミラージュホビー
MR35510 
英・芬蘭・勃牙利 ヴィッカース・アームストロング6トン戦車


英・芬蘭・勃牙利 ヴィッカース・アームストロング6トン戦車 
1928年、ヴィッカース=アームストロング社は、自主開発によって新しい戦車を完成させた。 当時としては新機軸と言えるアイデアや機構を盛り込んだ設計であった。 サスペンションは特許を取得したボギー式のものであった。これは4個の小型転輪を1組としてリーフスプリングで懸架したボギー式転輪を配置するスタイルで、シンプルな機構ながら追従性は良好で、この後、多くの戦車がこれに倣った。 ピッチの細かいマンガン鋼製の履帯は軽量ながら堅牢で、耐用走行距離は3000マイル(約4800km)あった。車内通話装置を備え、後期には短波無線機も装備した。
当初から、機銃2丁装備の双砲塔型、砲と機銃を装備の単砲塔型の2種が想定されており、特に単砲塔型では、砲と機銃が同軸に装備されていて、これも当時では新機軸だった。また武装ほか装備も顧客の要望に従って変更可能というのもメーカー側のアピールポイントだった。
車体はリベット構造で、戦闘室前面、砲塔周囲で最大装甲厚13mmが標準だったが、顧客の注文によっては17mmまでの増厚も選択できた。名称は6トン戦車だったが、装備によって7 tから8 t程度の重量となるのが普通だった。
イギリス陸軍には採用されなかったが、その後の10年間に、多くの国に輸出された。特に第一次世界大戦当時の旧式軽戦車であるルノーFT-17や、ビッカース・カーデン・ロイド豆戦車で戦車部隊の創設を始めた国が、次により本格的な戦車装備を目指す際、6トン戦車は手頃な存在だった。 6トン戦車はソ連、日本、ギリシャ、ポーランド、ボリビア、タイ、フィンランド、ポルトガル、中国、ブルガリアに輸出され、そのうちソ連とポーランドではライセンス生産も行われて独自の発展型も生み出された。
輸出先として中小国が多かったために、イギリス国内での生産台数はさほど多くなく、150輌余りと見られる。

『ヴィッカース Mk. F』
馬力の強化、そしておそらくオリジナルのアームストロング・シドレー空冷エンジンの過熱問題解決のため、ロールス・ロイス「ファントムII」水冷6気筒エンジンを搭載した発展型。単砲塔型。1934年に開発された。
水平対向エンジン用で背の低い通常のMk. Eのエンジンルームには収まらず、戦闘室を後方に延長し、その戦闘室左側にエンジンを搭載した。 このため、もともと戦闘室左側にあった砲塔は、右端やや後方に移されている。車体前部に大きなカバー付きの空気取り入れ口を持つ。試作のみで生産はされなかった。

『ヴィッカース 6トン戦車 Type B(Mk. E 後期型)』
正式な形式名はおそらくなく、便宜的に後期型とする。
ヴィッカース・アームストロング社では、上記Mk. Fへの生産移行を予定していたものと思われるが、実際にはMk. Fは注文を得られず、顧客には従来のアームストロング・シドレー・エンジン搭載型が好まれた。
ヴィッカース・アームストロング社はすでにMk. Fの生産準備を整えていたため、1930年代後半に納入された6トン戦車は、Mk. F規格の車体を持ったMk. Eとなった。なお、ブルガリア、タイに納入された型は砲塔が戦闘室左側に戻されているが、フィンランドに送られた型は右側にあり、戦闘室左には4人目の乗員の席がある。

《イギリスでの使用》
正式採用はされなかったが、1938年にタイが発注した生産分から4輌を入手、訓練用に使用した。

《フィンランドでの使用》
1933年、フィンランドは評価試験用に1輌の単砲塔型を入手、試験の結果32輌を発注し、これらは1936年7月から1939年1月にかけて納入の予定だったが、結局は開戦後までずれこんだ。
評価試験用の1輌は標準型、後の32輌はMk. F仕様の車体を持つ後期型で、砲塔は後部にバスルがあった。ただし、無線機搭載ではなく弾薬収納用に使われたらしい。
評価試験用の1両を除いては武装抜きで輸入され、フィンランドは別途スウェーデンにボフォース37mm戦車砲を発注して装備した。ボフォースの到着まで、数輌はルノーFTのピュトー(プトー)37mm砲を仮に装着して訓練を行った。
1939年-1940年の「冬戦争」では、改装と配備が間に合った13輌だけが、第4戦車中隊装備車として、1940年2月26日のホンカニエミの戦いに初投入された。冬戦争を生きのびた車両は、評価用の標準型1輌を含めて、ソ連から鹵獲した46口径45mm戦車砲付きに改修され、T-26Eと名付けられた。これらは鹵獲品のソ連製T-26とともに継続戦争で使われた。

《ブルガリアでの使用》
1936年に単砲塔型8輌を購入(翌年到着)。Mk. F規格の車体を持つ後期型。訓練用にのみ使われた。

【 星のコメント 】 
ブルガリア軍仕様で製作しました。タミヤに慣れている者にとっては、このポーランド製キットはちょっと難しい...。説明書に誤字は多いし、パーツも少し整える作業が多すぎ、です。塗料のノリも悪い(本当は中性洗剤で洗うべきでしょうが、面倒なのでいつも省略)し、塗装指示もポーランド語でよく分からないので、これまでの経験で細部塗装を進めました。遠目には、それなりの仕上がりになりました




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