"獣たちの反乱"
読売新聞から
 鈴木正嗣・北大獣医学部助教授(野生動物管理学)は
 「アイヌやマタギに代表される日本の伝統的な狩猟は獲物の有効利用や生態系への配慮も含んだ豊かな文化だった。
 今必要なのは、科学的な調査と知識に裏付けられた野生動物管理システムと、体系的な狩猟教育。優秀な猟師には、管理された猟区で捕獲効率が良い 『夜討ち』 を認めるなど、猟銃の規制を柔軟に運用することも、自然の生態系を維持するためには必要なことだ」
と指摘している。

質問
北海道大学大学院獣医学研究科生態学教室 殿
 さて、11月29日読売新聞「獣たちの反乱」の欄と貴HPを読ませて頂きました。"野生動物管理シルテムと体系的な狩猟教育"に関わるテーマを研究されている事に接し、安堵致しました。
 就きましては、愚問と思いつつ、次の質問とお願いがご在います。私達の子供の頃に、
父や祖父と間伐や下刈りの作業について行くと、時には弁当が無くなる事があっても犯人の猿?を見つけられない。人を警戒して決して作業場や里に近寄らない。
 その頃には、山間部の人たちが農閑期を利用して伐採や炭焼きに山奥に入り、処かまわず排便をすませていました。
 近頃は、山間部の過疎化と高齢化から、山仕事をしなくなり、田畑にも簡便な化学肥料の専用となって、野生動物達に縄張りを作られて見張られる、全く逆転した情況にあります。
 動物達の縄張りに体臭や尿を指標に使っています。人間社会は、体臭や人糞臭を取り除く公衆衛生や悪臭公害防止法と感染防止法が禍していませでしょうか?常々、山間部や島嶼部の役割を再評価した条例が必要ではないでしょうか?
 香川県では、阿讃山脈から猿が里にまで下り、果樹園や畑を荒らし、時には農家の台所に入って食する事態です。又、島嶼部の港内にも餌不足が生じ、魚介類がいなくなっても、現法を地域ごとに見直す様子もなく「農村集落廃水処理と合併処理を遂行あるのみ…」とのご回答です。
 動物と人の縄張りについての研究結果を発表したデーターがないでしょうか?是非、あれば「獣たちの反乱」に発表して頂きたくお願い申し上げます。 不一
  香川県丸亀市広島町  ○○ ○○○ 70

回答
○○さま
 メールありがとうございました.おっしゃるとおり,人の側が山間部の仕事から撤退してしまい,野生動物を押し返す底地がなくなっているところに原因の多くがあろうかと思います.
 ただ,糞尿など,動物にとって直接的な害がない忌避物には「やがて慣れてしまう」のが現状のようです.草食獣の被害防除のために,肉食獣の糞を撒くという対策も講じられたことがありますが,長続きしていないと聞きました.
 むしろ,昔は当たり前だった犬の放し飼いが禁止された影響の方が大きいかも知れません.
 あまりお役に立てない返信で申し訳ありません.  On 06.12.4 11:47 PM

香川県のお考え