「うわああ。こわーい。落ちたら一溜まりもないわね･･･」
かごめは恐る恐る滝壺を覗く。
「この奥に四魂の玉があるのでしょうか。しかし、この中へ入るというのは･･･」
「けっ。度胸のない奴だな。そんなもん、もぐって･･･はっ！」
犬夜叉達の前に巨大な竜の姿をした妖怪が現れた！
「何だ、てめぇは！」
「奈落･･･奈落と取引した･･･四魂のかけらはお前達が持っていると･･･よこせ･･･かけらを･･･」
竜のその尋常じゃない雰囲気はあきらかに奈落の邪気によって操られたものだと犬夜叉は確信した。
「珊瑚！かごめを頼む！弥勒、いくぞ！」
犬夜叉は鉄砕牙を素早く取り出し、竜に攻撃する！
「この雑魚妖怪が！てめぇなんぞは鉄砕牙一降りだ！」
ザン！
鉄砕牙は竜を真っ二つし、見事に粉砕した！
「けっ。たわいもねぇ！」
しかしその時！滝壺へ落ちていく竜のしっぽがかごめに襲いかかった！
「きゃあああ！！」
「かごめーーっ！」
犬夜叉は落ちていくかごめをおって自分も滝壺へ飛び込んだ。
「犬夜叉あーーーーっ！かごめちゃーん！！」
激しく流れ落ちる滝壺に二人の体は吸い込まれるように消えていった･･･。
「･･･ん･･･？」
ポッチャン。ポチャン･･･。
犬夜叉の頬に水滴が落ちる。
「俺は･･･。かごめ･･･そうだかごめはっ！」
犬夜叉が起きあがると横にはかごめが倒れていた。
犬夜叉はかごめの手をにぎったまま落ちたのか、その手はしっかりとつないだままだった。
「かごめ！おい！かごめ！しっかりしろ！」
犬夜叉はかごめの鼓動を確かめたが心音がしない！
「かごめ！おい！かごめ！」
水を大量にのんだせいかかごめは呼吸をしていない。
犬夜叉は必死にかごめによびかける。
（人工呼吸･･･ちきしょう！それしかねぇか！）
「かごめ！」
かごめの顔がみるみるあおざめていく。犬夜叉は照れを捨て、かごめの口へと空気を送りこんだ。
安心して犬夜叉。私鋼牙君となんてキスしないから。だってやっぱりファーストキスはやっぱり本当に好きな人と･･･。
かごめの言葉を思い出す犬夜叉。
（ちきしょう こんなんで･･･こんなんでお前と口づけなんて洒落にならねぇぞ！かごめ！かごめ！）
犬夜叉はそう思いながら何回もかごめへ空気を送る。
「ゴホッツ！」
かごめは水をはき出し、息を吹き返した。
「かごめ！」
「犬･･･夜叉･･･私･･･」
「よかった･･･っ」
犬夜叉は意識を取り戻したかごめをぎゅうっと抱きしめた。
「よかった･･･本当に･･･」
「犬夜叉･･･？ちょっと痛い･･･」
かごめの言葉にも耳を貸さず、犬夜叉はかごめが生きているのを確かめるように手には力入った。
「もしかして･･･私･･･おぼれて･･･？犬夜叉が･･･助けてくれたの･･･？」
「･･･」
「犬夜叉･･･」
かごめは犬夜叉が懸命に自分を救おうとしたのだと思った。
「じゃあ、私･･･犬夜叉と････」
犬夜叉と･･･の言葉に一気に犬夜叉は照れくささが湧いてきてた。
「べ、べ･･･別に俺は俺は･･･」
「ありがとう。犬夜叉･･･。助けてくれたの他の人じゃなくて･･･が犬夜叉で･･･嬉しい･･･」
「かごめ･･･」
見つめ合う犬夜叉とかごめ･･･。
と、その時。
「犬夜叉ー！かごめ様ー！」
バコッ！
岩を砕いて、雲母に乗った弥勒達が来た。
「かごめ〜！」
七宝がかごめに抱きつく。
「オラ、オラ、心配したんじゃぞ。かごめが死んだのかと思って」
「ごめんね、七宝ちゃん。あたしは大丈夫よ」
「犬夜叉、お前も大丈夫か？」
「あ･･･ああ」
「？なんだ。その不満そうな顔は。助けに来てやったというのに」
「な、何でもねぇよ」
弥勒は直感で二人に何かあったな、と感じる。
「ははあん。どうやら私達はおじゃま虫だったようですな。珊瑚、七宝」
「え？そうなの？かごめちゃん」
「え･･･？別にそんなことは･･･」
「ま、なにわともあれ、お二人が無事で何より。さ、とっとここから出ましょう」
弥勒はすたすたと雲母に乗って外へと出ていく。
「あ、てめぇ弥勒また何か勘違いしてやがるな！こら！」
「はああ。懲りないねぇ。あの二人は･･･って。かごめちゃん？」
「ふふふ･･･」
ロマンチックなファーストキスではなかったけれど自分を救おうと懸命に助けようとしてくれた犬夜叉がかごめは嬉しかった。そしてかごめは思った
（こういうファーストキスもいいかも･･･ね）
FIN
はい〜。常々思っておった不満がたまっちまって書いてしもうたしろもんです。なぜに、なぜにぃ桔梗と犬の○スシーンはあってかごめちゃんとのはないのか？あれだけ大々的にアニメでもやっちまってますぜぃ。なもんで、思いっきりやっちまいやした。犬かごファンの方ならきっと分かってくれますよ･･･ね？(..;)でも、ちょっとキャラ違うな、と思った方がいらしたらごめんなさーいです！