君がそこにいない時間が耐えられない。
振り向くと、
気が付くと、君がそこにいる。
当たり前に毎日
笑ってる。
僕はそれが嬉しくて、幸せで・・・。
澄み切った青空を見上げるように君の笑顔をずっと見ていたい。
その笑顔がいつか俺の前から消えるのだろうか。
どうしよう。考えたくない。
君がいない。君がいない。
還りたい場所は君のとなりだけ。
会いたくて会いたくて・・・。
そして、君に僕は会いに行く・・・。
「あー・・・。あっち(現代)にもテストがなければいいのに・・・」
かごめはため息をつきながら3日後のテスト勉強のため実家へ帰ろうとしていた。
井戸へ向かうかごめの後をやっぱりつまらなそうな顔で見送る男、一人。
「けっ・・・。なにぐちぐちいってやがる!『テスト』のたんびにあっちに帰りやがって・・・。てめーの都合に合わせるこっちの身にもなれってんだい!」
「なっ・・・。あのねー。誰があんたに都合会わせてってたのんだよ !あんたが我慢できずにいっつも迎えにくるだけでしょー!」
「ばっ・・・誰が我慢できねぇってんだ!別に俺はお前と会えなくたってどうーってことねーやいっ!!返って静かでせーせーすらぁ!!」
かごめ、この言葉にかちん、ときた。
「あたしだって、いっつもひっついてる嫉妬深くてわがままで乱暴な犬がいなくて助かるわっ!!」
「なにぃ!!」
「何よッ!!」
にらみ合う二人。いつものケンカだが今日のはかなり規模が大きいらしい。
只でさえ、一緒にいる時間が多いこの二人。最近は犬夜叉はかごめの部屋に泊まることもあったくらいなのだが・・・。
「・・・。あんたが迎えに来てももーかえってやんないからね!!」
「誰が行くかっ!もう帰ってくんな!!けっ・・・」
「あっそうですか!!」
犬夜叉はふんと腕組みをしてかごめに背を向けた。
かごめも井戸に入ろうと足をかける。
「・・・。ホントに・・・あたしなんかいなくてもいいんだね・・・。バイバイ・・・ッ」
「なっ・・・??」
犬夜叉が振り向いたときにはもうかごめの姿なく、井戸の底が見えるだけ。
“バイバイ・・・”??
最期のかごめの一言が妙に気になった犬夜叉・・・。
(・・・。けっ・・・。どうせ、明日には戻ってきやがるんだし・・・)
「ふんっ!」
つんっと怒りすねる犬夜叉。だが・・・。
なぜか、井戸の底が深く、寂しく感じられた・・・。
(かごめ・・・。なにしてんのかな・・・)
井戸を切なそうに見つめる犬夜叉。そろそろ、“お迎え”の行く頃合いだろうか。犬夜叉は周りに誰もいないのを確かめると井戸の中へと入った。
「・・・ん・・・??」
何も起きない。犬夜叉は井戸から出てみるがそこはまだ戦国時代。
「一体、どうしたってんだ・・・!」
犬夜叉は何度も井戸へと飛び込むが何もおこらず、現代へはいけない。
「畜生っ!!なんでいけねえんだよっ!!」
この井戸だけが・・・かごめと繋ぐ唯一の道。その閉ざされた道を犬夜叉は何度も何度も飛び込む。
「ちっくしょー・・・!!」
“バイバイ・・・”
かごめの最期の言葉が耳に残る
。(・・・。かごめ・・・!!!)
一方、かごめの方もなかなか勉強には手が着かず、、迎えに来ない犬夜叉に事が気になって、ため息ばかりついていた。
「なんで・・・なんで迎えにこないの・・・?もう・・・」
リュックを背負って井戸を見つめるかごめ。
(あいつ・・・また、屋根の上ですねてるのかな・・・。帰ろう・・・。)
かごめは井戸へ飛び込むが・・・。
「あれ・・・?」
かごめは何度も井戸の中でジャンプするが・・・。
「・・・。嘘・・・。どうしていけないの!?四魂のかけらもってるのに・・・!!」
かごめは胸元からカケラの入ったビンを取り出して、何度もぴょんぴょんとはねるが何も起きない。
「な、なんで・・・どうしてっ!?どうしてッ!!」
この井戸が閉ざされることなんて今まで考えたこともなかったのに・・・。
「どうして・・・どうして・・・」
かごめは必死に井戸の土を掘る。
しかし一向に何も起きない・・・。
「やだ・・・どうしてッ!」
突然、とざされた井戸・・・かごめと犬夜叉の結ぶ“道”が絶えてしまった・・・。
(犬夜叉ッ!!)