原子爆弾は、ウランやプルトニウム元素に中性子を衝突させることで起こる連続した核分裂によって生まれる巨大エネルギーを応用した爆弾です。長崎に投下された原爆はTNT火薬換算で21Ktの爆発力に相当します。
原爆の特徴は、爆風、熱線、放射線です。総エネルギーの約50%は爆風、約35%が熱線、約15%が放射線と推定されています。
長崎原爆の爆風は、爆心地直下で440m/s、1平方mあたりの圧力は約15t、1kmの時点でも170m/s、だったといわれています。この結果、1km以内の一般家屋は原型を留めないほど破壊され、4km地点でも半壊しています。
爆発から1秒後、直径280mの火の玉を作り、表面温度は約6000度、地面の温度は爆心地で3000〜4000度。1km地点で約1800度。人間を炭のように焼き殺しています。また、熱線による火傷は放射能の作用で皮膚にケロイドを残しました。爆心地近く原爆炸裂と同時に火災を発生させ、3km近く離れたところでも出火し消失面積は79ヶ町、約7平方kmに及んでいます。
長崎原爆で地上に達したのはガンマー線と中性子線で爆心地から2km以内では人体に重大な影響を与え、1km以内は致死量であったといわれています。(怪我や傷がないのに、多くの人が亡くなっていきました)爆発直後には初期放射線が、また長時間にわたって残留放射線が放出されました。
放射線は急性期の障害(嘔吐・発熱・下痢・皮下出血・脱毛などなど)の他、長期にわたって肉体を蝕みます。(白血病や各種癌などなど)