木彫・胡粉・古裂の魅力 |
木彫 江戸人形と言われるものは、元来日本の彫 刻に代表される、仏師の手によって作り出さ れた「仏像彫刻」と、言われています。 室町期の末頃、京洛の仏師が仏教衰退と共に、 象徴としての仏の像−かたち-を、生きた人 間の体として、人形が生みだされました。 江戸人形も土台の素材に、木彫りが使われそ の上に施こされる、塗料との相性が良いもの として、桐の木が選ばれてきました。 明治時代以後,桐塑(桐粉と生麩糊)が多く使 われていきます。 木彫は,永い歳月にも耐久性があり、持つた 時にも適度の軽さと、人の手に優しさを感じ させます。 木彫は桐塑よりも、より鋭いシャ-プな微妙な 形が得られ、木と向き会う一品制作の為,木の 内から形、姿を掘り出そうとする精神性、豊か な造形性が生まれます。 |
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狐面かぶり人形 木彫 H18cm |
胡粉 日本画で使われる白色顔料は、通常胡粉が |
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這いはい人形 W10cm | ||
こま廻し人形 木彫H12cm |
抱き人形 木彫H70cm |
古裂 時代と言う時間を重ねた、衣裳の美しさ雅び さは、 現代の衣裳とは違い、鮮やかな色彩、い ろいろな文様意匠をこらし、艶やかな風俗が感 じられ、あたかも浮世絵を見ているような気に なります。 時代古布の薄くなった、擦れの部分などのいた みを、補正、裏打ち修正など人形の着物に仕立 てる大変さも、仕立てあがった時はうれしく、 その時代に立ちかえった様な気持ちになるもの です。 <狐面被り人形> 朱縮緬に手描きの鶴が飛ぶ、前掛けは亀の刺 繍の縮緬、鶴と亀で縁起よくアレンジしました。 <這い這い人形、こま回し人形> 腹掛けからし色の縮緬、エプロン朱縮緬に刺 繍、唐子風俗見立て <抱き人形> 綸子に菊花模様の刺繍 江戸後期の裂とおも われます <犬乗り童子、童子人形三体> 裂地の効果が発揮されるよう、胡粉の溝へ刺 繍裂地を入れ込み人形の体に衣裳がぴったりす るよう入れ込み細工で仕上げてある。 洒落気や粋な文様で、江戸職人達は入れ込みの 技を、競い合ったのではないでしょうか。 |
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瓢箪持ち童子 木彫H10cm |
童子人形三体 木彫H6.5cm |
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