第198回歩こう会 「第12回城下町おだわらツーデーマーチを歩く」 2010.12.14掲載)
 

スタート15分前に出発式が始まる。主催関係者の挨拶が終わり、講師の指導による簡単なストレッチ体操を行う。体操が終わると、まとまった人数ごとに時間をおいて歩きだす。そのたびに、武将姿の「小田原北条手作り甲冑(かっちゅう)隊」による出陣式のセレモニーが繰り返される。ホラ貝が鳴り、陣太鼓が打ち鳴らされ、古式にのっとった口調に合わせて鉄砲隊が射撃の体勢をとり、そして“房の付いた指揮棒”が振られ一斉射撃を命ずる。もっとも鉄砲の筒先から出たのは、パーティなどで使うクラッカーの音と紙テープである。小田原城の銅門(あかがねもん)をまたぐと、「小田原北条太鼓」の会員20名近くがたたく威勢のいい太鼓を聞きながら、城外への掘割を渡りウォーキングがスタートする。

 

今回で6回目の参加となる「城下町おだわらツーデーマーチ」は、20101120日と21日の2日間にわたって行われた。毎回、初日は友人たちと歩き、2日目は1人で参加する。この大会は30キロコース、20キロコース、10`コースなど5コースが用意されている。ここ何年かは、しばらくぶりで会う友人たちとの会話、歩行後の慰労を楽しむため、初日は10キロコースを歩く。10時過ぎに歩行を開始し、午後2時ごろゴールする。時速2.5キロというスローペースの歩行である。帰りに居酒屋に寄り話に花が咲く。

スタートとゴール会場となる、小田原城内の城址公園銅門(あかがねもん)広場で参加者受付する。受付は事前受付と当日受付があり、当日受付は多少割高になる。受付では、歩行マップや参加者名簿・ゼッケン・記念品・ピンバッチの入ったビニール袋を受け取る。

ゼッケン

 ゼッケンには都道府県名や氏名・一言メッセージを書いてナップザックなどに留める。一言メッセージには今回「楽歩」と書く(写真1。「完歩するぞ」と書く人が多くみられるが、ほかに「観歩」「緩歩」「汗歩」「閑歩」や「ビールのために歩く」「歩けることに感謝」などと書いている人もいる。10月に参加した、四国の今治から広島の尾道まで歩く「瀬戸内しまなみ海道スリーデーマーチ」では、前を歩く若い女性のゼッケンに「社命により三日間歩きます。ベテランの皆さんアドヴァイスをお願いします」と書いてある(写真2。主催者に名を連ねている新聞社の記者で、聞くと、ウォーキングの体験記事を書く予定になっているという。こうなると歩くのも仕事だ。
 写真1 ゼッケンに楽歩と書く  写真2 気になったゼッケン 
   


ピンバッチ

「おだわらツーデーマーチ」でもらう記念のピンバッチは、デザインは毎年同じであり、色と開催回数・開催年だけが変えてある(写真3。「東京スリーデーマーチ」では、ゴール後、参加した回数を自己申告し、その数字が書いてあるピンバッチをもらう。帽子やナップザックに各大会のピンバッチをいくつも付けて歩く人はよく見かける。以前、勲章のように、上半身の胸一杯に、それこそすき間なく取り付けて歩いていた人がいたが、間違いなく目立っていた。これまで参加したウォーキング大会でもらったピンバッチは、本棚の箱の中に放り込んだままである。今回、それを並べてみた(写真4)。

  写真3 記念ピンバッチ  写真4 ウォーキング大会でもらったピンバッチ
   


記念品

今回の記念品は、折り畳み式の尻に敷くマットである(写真4)。ウォーキングの大会でもらう記念品は楽しみの一つであるが、もらったバンダナやシャープペン・ボールペンは何枚も何本もある。

 写真5 尻に敷くマット
 

これまでカップやビニールシート・エコバック・簡単なデイバック・ビニールかっぱ・タオルケット・ウェストバッグ・Tシャツ・野球帽・ペットボトル入れ・歩数計等々の記念品をもらった。担当者も知恵を絞っている。法被(はっぴ)をもらったこともある。






歩行マップ

歩くコースが描かれた地図である。地図にはコース上のトイレや給水・昼食の場所・名所旧跡・記念館などが載せられている。コースの数か所にはチェックポイントが設けられており、地図の中にチェックポイントで押印する欄もある。ゴールの受付時間が、各コースとも午後4時までとされおり、その時間に間に合うように、コース途中での最終通過時間やゴールまでのキロ数なども記されている。私の場合、歩行途中で地図を見ることはほとんどない。本大会のような大きな大会では、まちがいそうな交差点には、誘導員が配置されたり方向標識が貼られている。なんといっても、前後にはウォーカーがいて道を間違いようもない。

トイレで思いだすことがある。以前、「富士山国際ビッグウォーク2004」大会に参加した時のことである。この大会は、(社)日本ウォーキング協会設立40周年記念事業として行われ、国際市民スポーツ連盟(IVV)の公認大会であった。富士山の裾野(すその)140キロを5日間で一周する。250名近くの日本人のほかに31名の欧米人、17名の台湾の人も参加していた。班ごとに分けられ、班ごとの団体で歩きそ して休憩した。小休憩のときに、10名ちかくの男性が林のあるほうに歩いて行った。小便でもするんだなと思ったが、そのあとを何人かの欧米人がついて行った。林の中で立ち小便をする日本人を見て、欧米人が全員しないでユーターンしてきたのには感心した。

台湾人の中に、日本語の達者な人がいた。この人の話によると、今回はこのような平坦地を歩くので楽だ。台湾のウォーキング協会の運営は山を登る人達によって占められ、台湾でのウォーキング大会と言うと、平坦地を歩かない山登りに近いハイキングだという。


ゴール

 写真5 完歩証
 

拍手で迎えられながら、「歓迎ゴール」と書かれたアーチをくぐり、ゴールスタンプを押してもらい、完歩証(写真5をもらう。完歩した人には外れのない賞品が出るくじ引きと、そしてケンチン汁が振る舞われる。今まで参加した各地の大会でも、ゴールすると豚汁やソバガキ汁・温かい牛乳・どら焼きなどの菓子類やその地の名産品が出されることが多い。そういえばキャベツをもらったこともある。

ここの大会は、「国際・日本市民スポーツ連盟公認大会」、「オールジャパンウォーキングカップ神奈川県認定大会」、「関東甲信越マーチングリーグ認定大会」、「美しい日本の歩きたくなるみち500選認定大会」に指定されており、それぞれのパスポートを持った人たちがテントで押印を求めていた。それらの内容はよく知らないが、既定の大会を完歩すると表彰され、「日本マスターウォーカー」などの称号がもらえるようだ。


その他

スタート・ゴール会場となる城址公園銅門(あかがねもん)広場には、主催者に名を連ねる新聞社のコーナーがある。そこでは希望者の写真を撮り、その写真を組み込んでB4大の大きさの「特別号外」に仕立て、一カ月後に自宅に送ってくれるサービスをしている(写真6。今回もそのサービスを受けた。また今まではゴール後、希望者が多くて横目で通り過ぎていた「小田原北条手作り甲冑(かっちゅう)隊」の人との記念写真を、タイミングよく撮ってもらった(写真7

会場には、2日間の大会参加者の人数が貼りだされていた。20日は6,036人、21日は5,678人、合計11,714人の延べ参加者である。

 写真6 今までに送られてきた特別号外  写真7 甲冑隊の人達と
   
 帰りがけに見た掘割では、十数羽のカモメが水面スレスレに舞ったり、水面上 を忙しく動いている。鯉に投げられたエサをキャッチし、水面に浮いたエサを奪っている。しばらくのあいだ見とれていた(写真8)

この2日間で歩いた距離はそれほどでもないが、十分な気分転換になった。

 写真8 掘割に飛び交うカモメ
 
 
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