シムーン初見ガイド

シムーン初見ガイド


ここはまだシムーンを見たことがないという人向けのコーナーです。

この作品は筆者は少なくとも2000年代のアニメ作品の中ではトップクラスの素晴らしい物だと信じていますが、どんなに素晴らしい物であっても、それを楽しむ際の心構えが間違っているとその良さが堪能できないものです。

まずシムーンとは何かと問われたら、まずは戦争百合SFファンタジーアニメという感じになるでしょうか。なのでまず「自分は百合はだめだ!」という人には勧められませんが……以下はその第1話のざっとした紹介です。


大空陸という世界で高度な科学技術を誇るアルゲントゥム礁国。



礁国軍はシムラークルム宮国という静かな国に何度も侵入を試みていたが、それは全て撃退されていました。



「宮国の秘密。悪魔。シムーン。この大空陸にこれほど自在に空を舞う者は、他にない」



「シムーンはその光の航跡で空に模様を描く。それがリ・マージョン。それが何故力を持つのか解明されてはいない。」



そのシムーンを操るパイロットはシムーンシヴュラという少女巫女達でした。1機のシムーンに二人一組で搭乗します。その際には必ずこういったご挨拶が必要です。



礁国の激しい攻勢にさらされて多勢に無勢のシムーン部隊「コール・テンペスト」。



それを撃退するためにコール・テンペストのリーダー、アムリアが「翠玉のリ・マージョン」という最終奥義を使おうと決心します。



しかし、途中で操縦していたネヴィリルが敵と目を合わせてしまったため、



翠玉のリ・マージョンは失敗してしまいます。



リーダーが失われてエースと呼ばれたチーム、コール・テンペストはがたがたになってしまいます。

作戦会議にて次の戦いの指示が出されていますが、いない人はいるし、子供は混じっているし……



「私たちにはシムーンしか戦う物がありません。でも神がこんなことをお許しになるか」

などとすっかりやる気がありません。



泉に行くと言う者もいます。

この世界の人間は女として生まれてきて17歳になると自分で男になるか女になるかを決められます。それを決める場所が「泉」です。



そんなところにやってきた新人パイロットが言うには……

「あんた達は祈ってればいい。私はここに戦うために来た」



こうやって第一話を見るとこれが戦争アニメなのは間違いないように見えます。実際間違っていませんが。


また百合物の作品を作る場合、自然に女子だけが集まる環境を作る必要があって、そのため女子校だの女子寮だのが舞台になってくるのが普通です。その類が好きな人なら、女として生まれてきて子供時代はみんな少女の種族で十七歳になったら性別を選ぶ、などという設定を見て膝を叩いた人も多いはずです。そんな特殊環境を作るためのつじつま合わせとしてはなかなか秀逸な設定だからです。


しかしです―――そういうつもり見ていたら足下を掬われる可能性大です!


渡されたのがタコスだと思って食いついてみたらクレープだったような場合、実はそれはクレープとしては絶品だったとしても怒り出す人はいるでしょう。

では何なんだということになりますが、ここで答えてしまったら身も蓋もないので、ヒントとして真の一話は第二話の青い泉ですとだけ言っときましょう。後は見てのお楽しみです。


ちなみにこんなシーンとか、こちら方面でもいろいろ期待が膨らみますが、実はこの方面もあまり期待すると肩すかしを食いますのでご注意下さい。