キャラクター紹介

キャラクター紹介


 消えた王女に出てくるキャラクターの紹介です。前巻までのネタバレを含みますので読む際には十分注意して下さい。

§フィン

本作品の主人公。本名はル・ウーダ・フィナルフィン。白銀の都の貧乏貴族の倅。身長は普通でやや痩せ型。腰に古傷がある。一応魔法使いなのだが、はっきり言って三流。使える魔法といったら、小さな火の玉を出すこと、ゆっくり落ちることができること、手を使わずに物を吹っ飛ばすこと、だけである。だがこの世界では魔法使いはかなりレアなようで、その程度でも結構ハッタリを効かせることができたらしい。“ファラ”なる女性に振られて傷心旅行中のようであったが、そこで彼の馬を盗もうとして勝手に落馬して怪我をしたアウラをうっかり助けてしまう。その後彼女と共にフォレス王宮に仕えることになり、なんだかんだで仲良くなることができたのだが……二人の間にはちょっとした問題があったのだった。

§アウラ

本作品のヒロイン。漆黒の髪にまあまあの美貌を持ち、常に身長より少し長い程度の薙刀(要するに長巻だが)を携えている。何よりも大きな特徴はその野生の獣を彷彿とさせる身のこなしである。以前は「極度の男嫌いで、男に触られただけで反射的にぶった斬っていた」のだが、ナーザにある程度治療してもらえたので今では「かなりの男嫌いで、知らない男に触れられたら反射的にぶん殴ってしまう」程度には改善している。その胸には“小振りだが形のいい乳房”と、肩口から脇腹にかけての大きな刀傷がある。養い親のガルブレスは世界最高クラスの剣士だったが、その技を受け継いでおり彼女の薙刀の腕も達人級である。またガルブレスはベラの王族フェレントム家の長子であり、そのため彼女も形式的にはベラ王族であることが判明した。また彼女にはもう一つ名人級の技があったため、とある世界では“ヴィニエーラのアウラお姉さま”としても名高いらしい。フィンと一緒にフォレスに仕官して、現在は親衛隊の一員となってエルミーラ王女の護衛を務めている。

§エルミーラ王女

山間の小国フォレス王国の王女。ブラウン系の緩くウェーブのかかった髪で、ちょっと悪戯っぽそうな眼差しの美人。スタイルもよい。一見非の打ち所のない王女然であるが、フィン達とは何故かアサンシオンという遊郭内で出会った。しかも冗談ではなくガチのようだ。フィンとアウラはなんだか困った変態王女のいる変な国に来てしまったと思ったのだが、王女は心の内に大きな決意を秘めていて、そんな彼女と出会ったことが二人の運命の転機となったのだった。なぜかベラの現首長ロムルースを溺愛しているようだ。

§ロムルース

フォレス王国に隣にある大国“ベラ首長国”の国長。エルミーラ王女の幼なじみで元許婚。本来はフォレスに婿入りする予定だったのだが、彼の兄レクトールが事故死してしまった関係で若くしてベラの国長を継ぐことになった。だが若いという以前にかなりリーダーとしては頼りないようだ。彼もエルミーラ王女にぞっこんで、彼女に危機が訪れたときには国を投げ出してでも助けに行きかねない。

§ナーザ

エルミーラ王女の教育係であり国王の相談役でもある女性。切れ長の目に素直な黒髪。年齢不詳だが話からすると四十代も半ばだと思われるが、その姿は若々しい。いろいろと常識外れの方のようで、エルミーラ王女の決意やアウラの“覚醒”に大きな影響を与えることとなった。ラムルス王国という今では滅びてしまった国の出身で、それ故に色々と波瀾万丈な人生を送ってきたためらしい。

§アイザック王

フォレス王国の国王。学者風の風体をしているが実際かなりの学者である。王国には東方随一の図書館があるのだが、これは彼が作ったもの。フィンがフォレスに来ようと思った第一の動機はその図書館を見たかったためだった。王女がグレてしまったのも、彼が学究に走って娘を放置気味だったせいと言える。しかし国王としての決断力はあり、最終的に王女の決意を受け入れるだけの度量もある。おおむね名君といえるだろう。

§ルクレティア王妃

フォレス王妃。フェレントムの一族(ベラ首長国の長の一族)で若い頃は相当の美人だったっと思われるが、年を取るのは人の定めだった。非常にしっかりした人物のようで、研究と称してアイザック王が引きこもっているときは、国政の代行も行っていた。それ故に二人ともエルミーラ王女の相手が疎かになりがちであった。

§グルナ

エルミーラ王女の侍女、その1。ちょっとおっとりめだがしっかり者のお姉さんタイプ。多分今後様々な女性がこの作品には登場するが、その中でもお嫁さんにできたなら今のところNo.1だと思われる。ただし彼女に気に入られないと、どこまででも逃げられる。現在はエルミーラ王女の秘書官も兼ねているが、そういう仕事には今ひとつ向いていなかった。

§リモン

エルミーラ王女の侍女、その2。無口で黙々と仕事をこなすタイプ。かなりの運動能力を秘めていて、アウラに薙刀を習い、相当の腕前になる。強い意志と思い込みの激しさとは表裏一体であるが……それ故かなり波乱に富んだ人生を送る羽目になりそうで、今回の事件はその第一歩である。

§コルネ

エルミーラ王女の侍女、その3。例えば何でもないところで転ぶ。いつもやっていることを何故か間違える。だが一生懸命なのは人一倍。無能な働き者は……といわれないように切に望む。実は相当の読書家で学校でも国語だけはよい成績だったが、読む本が少々偏っていた。親友のメイが七巻で言うには“物語の読み過ぎで頭がバカになった典型”らしい。

§メイ

現在は厨房で働いている。コルネの親友だが実はリモンとも結構仲が良く、王女本人ともちょっとした因縁があったりするため、彼女達の周辺にはちょくちょく顔を見せている。学校の成績も良くやがては色々な意味で大出世をすることになるのだが、本作ではちょい役(詳しくは七巻を見てもらえば……)

§ロパス

フォレスの親衛隊、すなわち国王直属部隊の隊長。それをするだけの実績と統率力がある。やがてアウラの上官となる。

§ネブロス

フォレス軍の連隊長。まだ若いがフォレスでは最も信頼されている軍人の一人。セロの戦いにおいて、フォレス国内だけでなく世界的にその名が轟くこととなる。

§ガルガラス

フォレス軍の百卒長(中隊長くらい)。酒癖がかなり悪く、アサンシオンでアウラに喧嘩を売ってひどい目に会う。今回はフィンのベラ行きの護衛として付いてくるほか、セロの戦いにおいては戦友となる。

§ヴィアス

ガルガラスの配下その1。

§ロッシ

ガルガラスの配下その2。

§パストール

フォレス魔導軍の総帥。

§グラヴィス将軍

フォレス軍の司令官。

§コルンバン

フォレス王国の大臣の一人。内政・外交を手広く任されている。

§シルエラ

郭代わりのためベラへ向かったアサンシオンの遊女。

§ロンディーネ

略してディーネとも呼ばれる。かつてエルミーラ王女に一番信頼されていた侍女であったが、とある事件で城を追われた結果、図らずも王女があんなことになってしまった直接原因となってしまう。故人。本作ではアウラが使う偽名。

§ドニカ

エルミーラ王女が初めて買ったアサンシオンの遊女。本作ではナーザが使う偽名。

§シレン

ベラのクレアス村に住む仕立屋の娘。本人もかなり良い腕をしている。

§フランの宿屋の女将

ベラのフラン村にある宿屋の女将。なかなか親切な人。

§バラガス

ベラのフラン村領主屋敷の管理を任されていた男だが、その能力にはかなり問題があった。

§フェデルタ

王女誘拐実行犯グループのボス。沈着で頭の切れる男らしく剣の腕も相当のようだ。

§モルスコ将軍

ベラの総司令官兼ベラ第一軍将軍。かなり高齢。

§グリア将軍

ベラ第二軍将軍。

§プリムス大臣

ベラの主に外交に携わる大臣。

§ロスカ

ベラのフェレントム家の侍従長。先代の長グレンデルがまだ幼い頃から勤めていた。ロムルースや彼の兄レクトールも育てた。ルクレティア王妃に付いてフォレスに来ていたトランとは同期で実直な信頼できる老人。

§パサデラ

フィンがベラのハビタルで出会った遊女。かつてヴィニエーラにいて、その頃のアウラを知っていた。

§レジェ

ヴィニエーラにいた遊女。アウラと仲が良かったらしい。

§グレイシー

ロムルースの妾姫。すこぶる美人。

§バーボ

クレアス村付近を荒らしていた盗賊団の首領。

§オプス

クレアス村付近を荒らしていた盗賊団のメンバー。

§スペキオ

クレアス村付近を荒らしていた盗賊団のメンバー。

§フークス

クレアス村付近を荒らしていた盗賊団のメンバー。

§アストラル

クレアス村付近を荒らしていた盗賊団のメンバー。

§ポーカ

クレアス村付近を荒らしていた盗賊団のみそっかす。

§ヴィエロ

ベラ軍の下士官。セロの戦いに参加していた。

§レーグラ

ベラ軍の下士官。後方で補給部隊を指揮していた中年の男。

§フェロス

ベラのフラン村から首都ハビタルまでの定期便の護衛をしている元賞金稼ぎ。

§サンダール王子

エルミーラ王女の婿候補として名前の挙がった、シルヴェスト王国の第三王子。

§ガラッハ王子

エルミーラ王女の婿候補として名前の挙がった、サルトス王国の王子。

§ヴェンドリン王子

エルミーラ王女の婿候補として名前の挙がった、アイフィロス王国の王子。

§セヴェルス王子

エルミーラ王女の婿候補として名前の挙がった、エクシーレ王国の王子。

§ティベリウス王

フォレスやベラに隣接していつも小競り合いを繰り返しているエクシーレ王国の国王。かなりの年齢だがまだ矍鑠(かくしゃく)としている。侮れない男である。

§レクトール

ロムルースの兄で、前首長グレンデルの長子。グレンデルと一緒に川で事故死した。

§アラン王

シルヴェスト王国の国王。

§ルナール王

レイモン王国の前国王。

§マオリ王

レイモン王国の現国王。

§ガルンバ将軍

レイモン王国の将軍。名だたる名将。クォイオの戦いという伝説となった会戦で、ウィルガ王国の誇る魔導軍を完膚無きまでに蹴散らした。その後のシフラ攻防戦でも指揮をとり、白銀の都とベラ首長国の混成魔導軍を壊滅に追いやっている。

§ティグレ将軍

レイモン王国の将軍。ガルンバ将軍の名声に隠れた嫌いがあるが、彼も名将。

§ガルブレス

アウラの育て親。放浪の凄腕剣士で、多分この世界でトップクラスの強さを誇っていた。サルトス王国内の山中でアウラと共に冬越し中、謎の二人組に殺される。

§ミュージアーナ姫

百年近く前に白銀の都にいたという伝説の舞姫。