未発表エピソードに関して

未発表エピソードに関して


 このシルバーレイク物語という作品ですが、構想してからの期間が長く、しかも前作からけっこう間が空いたりもしているため、わりと当初の予定から逸脱しつつあるところがあります。


 例えば登場人物ですが、最初は主にフィンとアウラ、それにファラを加えてティアが混ぜっ返して、といった構成で考えていましたが、まずはエルミーラ様が単なる変態王女から、妙に立派な方に変身を遂げてしまったことに始まり、その秘書官のメイちゃん、ついにマスターになってもらえなかったチャイカさん、貴重なおっぱい魔導師アラーニャちゃん、今回大活躍のリサーン&ハフラに、恋する乙女サフィーナちゃん、アラーニャ大好きアルマーザなどなど、今後もストーリーに関わってくる重要キャラが増えてしまっています。


 さてこのうちのメイちゃんについてなのですが、彼女の場合登場は古いんですが本気で活躍したのが“王女の休日”からで、そこがわりと唐突なのは否めません(というか、唐突なんですが)

 ちなみにここまで読んでもらった方なら分かると思いますが“消えた王女“から“賞金稼ぎは楽じゃない”の間が超高速展開で、ほとんどあらすじ状態になっています。これはあの頃はここまで細かく書いていたらいつ終わるか見当がつかなかったんですっ飛ばしたわけですが、当然この間にエルミーラ王女と新米秘書官メイちゃんの成長物語があったわけです。


 というわけでやっぱそのころの話をしっかり作ってやらなきゃなあといろいろ考えた結果、以下の三作の構想ができあがっております。


◆ハビタルの48時間(仮)

 “消えた王女”の前にフィンがエルミーラ王女の書状をもってベラに向かった“ハビタルの宴”というエピソードがあります。ここがいろいろ中途半端だったのでこれまで何度か手を加えてたわけですが、要するに今のままだと“話になってない”ので、もっとしっかりした話に作り込むことにしました。

 そこで登場するのが当時のメイで、彼女の任務は厨房の新しい冷凍魔導師との契約でした。もちろん彼女はフィンのおまけで、しかも初めての国外旅行に緊張のしまくりです。まあメインの任務は二人とも大過なく終わるのですが、そこで二人はどう見ても冤罪っぽい罪状で死刑になりかかっているとある領主の事件に関わってしまうのですが……


◆新米秘書官編(上) メイちゃんの初恋大作戦(仮)

 これはメイの秘書官修行一年目のエピソードです。セロの戦いの後、王女の侍女としてまずお側仕えすることになったメイですが、王女がベラの各地を回っている間に、彼女はベラ魔導大学へと短期留学をして勉学に励むことになります。そこで彼女は素敵な先輩に出会って恋に落ちてしまいますが、その裏には王女がフォレス王位を継承することに反対する一派の陰謀があったのでした。果たして彼女の初恋の結果やいかに(といいつつ、かわいそうな結果になったらしいのは本作でネタバレされてたりしますが……)


◆新米秘書官編(下) 王女様の子作り大作戦(仮)

 これは秘書官修行二年目のエピソードで、秘書官補佐として正式にエルミーラ王女の秘書の仕事を始めたメイでしたが、そこで起こったのが王女ご懐妊という大々々々事件でした。

 そもそも未婚の王女が身籠もるということだけでも大スキャンダルなのに、その父親がベラの首長様とか、継承権がこんがらがって困るんですけど……って、なんですか? もしかして父親はロムルース様じゃないかもって……どういうことですか? よくわからない⁇ やめてくださいって‼


 ―――これに例のランドーでの爆走なども加えた修羅場をくぐり抜けてきたメイちゃんなので、フィンと再会したころには少々腹が据わっていてもやむなきことだったのでした。


 そんな感じですので本作から以降、作品中でメイやフィンが上記エピソードを元にした回想をすることもありますが、ああそんな感じなんだなと思っておいて下さい。