あとがき
ども。Thorです。
やっとこさで新米秘書官編「女王候補の見習い秘書官」の完結です。
上巻最後の引きにあったナーザが持ってきた素晴らしい報せというのは、ベラとエクシーレの和平会談開催の話でした。中編「隣の国から来た男」ではそこで決まってしまった御前試合などを舞台にリモンが大活躍する話です。
とはいっても彼女は寡黙な人なので、喋っているのはやっぱりメイとガリーナさんですが―――特にガリーナさんは弄られキャラに加えて解説キャラ属性まで身につけつつあるようです。
リモンはやがてアウラとも十分に戦えるだけの実力になるのですが、天才のアウラに対して彼女は決して特殊な才能に恵まれているわけではありません。その彼女がどうしてそんなに強くなれたのかというところが本作の骨格になっています。
また新たに登場したセヴェルス王子が今後どう絡んでくるかということも気になるところでしょう。ロムルースだと尻に敷かれるだけの結果でしょうが、彼ならあの王女とカップルになってもそれなりにやってけそうな気もしますが、もちろんそう簡単には事は進まないことは今後の展開を見れば明らかです。
そんな彼女たちの身に降りかかった大々々々々事件に関するお話が次の「エルミーラ王女の素敵な家族計画」となります。
もう普通の常識ではあり得ないことをなさってしまう王女様御付きのドタバタ騒ぎというのがこのお話ですが、でもこの頃になるとメイも単に振り回されるだけでなく、最後には詰めよってみたりとか、突っ込み役としての真の実力を発揮しつつあります。王女の休日以降の彼女はこのように形成されていったわけですね。
ところでここでわりと勢いでぺぺちゃんとかティグリーナさんなんかが出てきちゃってますが、一発キャラにしとくのはもったいない気がするんですが、でもあそこで出すとしたら役割は間違いなくあれになってしまうわけで、うーむ―――などと思案中だったりします
そしてエピローグにあたる短編「秘書官危機一髪」は、第10巻の「王女の休日」のちょっと前にあたる時期の一コマです。
ここではみんなそれぞれの道を歩み始めて、私たちの戦いはこれからよ? って調子でめでたしめでたしといった様子ですが、最後の最後に既に知ってる人は知っているとんでもない展開が待ち受けていることが示唆されます。
もちろんそれは中原視察に行ったあの二人がやらかしてるわけで―――次巻「賞金稼ぎは楽じゃない」はまたフィンとアウラが中心のエピソードとなります。
さて、例えば今回主役のメイちゃんですが、前巻でもそうでしたが今度も王女様の悪影響でダメな方に変貌する片鱗を見せたりとか、全般的に皆さんちょっとエッチになってます。
ここはそうしないとちょっとつじつまが合わなくなったせいで―――というのはこの世界には「黄緑茶」というものがあって、それが当たり前のように飲まれてることになっています。元はこれがないと廓とかの描写がもっと陰惨になってしまうので入れてたんですが、突き詰めて考えてみると、ならば皆ももっとあっけらかんとしてないとおかしいなということに気づいて、倫理的にはわりと開放的な方向に軌道修正が入っています。
しかしそうすると今度はフィンがちょっと潔癖すぎる性格になってしまいますが、そこは貴族社会と平民社会でそういう温度差があるという感じになってまして……
その結果―――フィン君は今後その方面でかなりみんなから弄られてしまうことになるんでしょう。まあ主役の役得といえばそれまでですが
お暇ならちょいとアンケートなどに答えてもらえると更新が速くなるかもしれません
2019/6/28 by Thor