あとがき
ども。Thorです。
第15巻“ベラトリキス最後の作戦”をお送りします。
さて、戦いが終わり、久方ぶりの平和を満喫しているフィン達ですが、作中でフィンがこぼしているように有事に有能な人材とは平時には得てしてトラブルメーカーだったりして、そんな奴らの遣りたい放題というのが今回のお話です。
そのため各キャラに焦点を合わせたミニエピソードがてんこもりなんですが、各話を独立の短編にできれば楽だったんですが、時系列が長かったり短かったりオチのない話があったりとかで、以下のように小さなエピソードが切れ切れにモザイク風の構成になってます。
―――ってか、こういう構成って正直めんどくさくて、今回時間がかかってしまった一因にもなってるんですが……
◆マウーナとカサドールの愛の行方
主に第1章前半と第9章前半は、前作で妊娠発覚したマウーナとその恋人カサドールの話になります。
他のキャラもみんなそうなんですが、このヴェーヌスベルグ娘というのは非常に変わった文化的背景で育っているため、普通の男と普通の結婚生活は難しかったりします。それを彼らがどう克服したかというのがそのテーマなんですが……
◆メイの素敵なカブリオレ
第1章後半と第5章はメイが報償としてもらった素敵なカブリオレ―――二輪のスポーツタイプの馬車でハミングバードと命名されますが、それに関わるお話です。
しかしまあ5章の章題を見ても分かるとおり誰もが予想していた事件が起こるわけで、そこから更に何やかやと訳の分からないことになっていきます。
◆メイとサフィーナのナイトライフ
第3章は前作でくっついてしまったメイとサフィーナの後日談といった内容になります。
正直メイは最初はもうちょっとまともな子だったんですが、やはり色々と濃い人生経験を積んだ結果、ヴェーヌスベルグの娘たちとタメを張れるようになってたりして……
◆アルマーザとアラーニャの魔法修行
本作は主にアルマーザが語り役をしていることもあって、彼女とアラーニャちゃんの魔法修行とその成果があちこちに出てきますが、まあ彼女たちもやはりヴェーヌスベルグの娘であって、まあこんな残念な事件を引き起こしたりしてますが……
◆ベラトリキス最後の作戦
第7章と第8章ではこれまであまり表に出てこなかったアカラとシャアラですが、要するにこいつらを野放しにしておくとどういうことになるかというお話ですw
◆旧友との再会
本作では第2章ではカロンデュールにアラン王とイービス女王、第4章ではナーザがアウラとアーシャを差し置いてアイドルになってしまうなど、旧作で出てきた懐かしいキャラが再び出てきてフィンやアウラ、エルミーラ王女やメイなどと旧交を暖めています。
ここはナーザの話を除いてオチのあるエピソードではないんですが、彼らはこの物語ではキーとなるキャラで、今後メインキャラとどう絡んでいくかがこの物語の焦点となってくるでしょう。
◆フィンとメルファラの最後の思い出
第9章と第10章では、この二人が最後の思い出を作るべく、ベラトリキス本当に最後の作戦が実行されますw
読んでもらっていたら分かるとおり、あの山荘での別れはこの物語のとても大きなターニングポイントでした。そこで互いに気持ちを伝えられなかったせいで、結局二人は別の人生を歩まなければならなくなります。そこでこの機会に最後の思い出だけは、と盛り上がっていたわけですが……
その他、イーグレッタとその小娘ラクトゥーカ、演劇にハマったマジャーラ、メイの専属従者になりそうなクリンとその姉コーラ、それにちらっと出てきたアヴェラナという子も、今後何らかの役割を果たすかもしれません。
そして最後に出てきたチャイカさんですが、さすが800年の裏歴史の体現者。腕前は見事なようです。
―――というわけで次回は、今回のんびりしていた連中が急転直下の大ピンチからどう脱出できるかという話になるでしょう。
お暇ならちょいとアンケートなどに答えてもらえると更新が速くなるかもしれません
2022/11/21 by Thor