あとがき

あとがき


 ども。シルバーレイク物語第16巻。エスケープ・フロム・アキーラをお送りします。


 今回は戦いも終わり後は各人がそれぞれの道を歩み始める、と思っていたところにまさかのアラン王の裏切りで、再び戦乱が始まってしまったところから始まります。

 とは言っても最初の頃は両軍の勢力も拮抗しているし都やフォレスへの退路もあるしで、相変わらずのんびりしていたところ、さらなる急転直下で今度は完全に一行は中原に孤立してしまいます。

 そして一歩間違えれば大惨事になってしまいそうなピンチをフィンたちがどうやって切り抜けたかというのが今回の話なんですが……

 しかしその割にはなにやら緊張感に欠けているのは困ったもので、正直後半に置かれている状況など相当に厳しくて、普通ならば激戦が繰り広げられてもおかしくないところだったんですが、それが何だかこんなにのんびりした展開になってしまったというのは、やはり前半がアルマーザ視点、後半がメイ視点だったおかげでしょう。

 もしこれがフィン視点だったらもうずっと悩みっぱなしでアウラともあんまりイチャイチャできずどよーんとした話になっちゃってたでしょうかw


 さて今回、特に前半は事件がフィンたちの手の届かないところで連続して起こっていて、彼らは遠くからそれを見守るしかない状況です。なので構想した当初はここではあんまり書くことがないんじゃないかとか危惧していました。

 そこでまずティアが押し倒されそうになる話を挟もうと思ってたんですが、その後何だか知らないうちにアルマーザがあんなことになってしまって―――わりとこの展開はつい最近まで作者も知らなかったりしましてw


 続いて後半のメイちゃんのドライブ三昧のお話は、これは相当初期の頃からある程度のイメージができていたところですが、それを彩るエピソードはやはり結構ギリギリに出来上がっていたりします。例えばクルーゼの慰安公演などはアルマーザがああなっちゃったからこそできた話だったりします。

 またアスリーナとかも新米秘書官編でわりと勢いでできたキャラだったりして、彼女がここでこんな風に関わってくるとは全然知りませんでしたが……


 さて今回で第1巻の「シルバーレイク物語について」で記した全体構想の「中原の覇者編」が終了し、次巻からついに最終章「暗黒大魔導編」に突入することになります。

 ちなみにそのリンク先で「中原の覇者編 太陽と魔法のしずく(13) あと2巻予定」とか最後の「暗黒大魔導編 2巻予定」とかになっていたりしますが、中原の覇者編は結局4巻になっておりまして、多分暗黒大魔導編も間違いなく2巻じゃ終わらないでしょう。

 というのも、中原の覇者編では構想初期には影も形もなかったヴェーヌスベルグの娘たちがそれぞれに大活躍してしまって、アルマーザなどは今後さらに重要な役割を担っていたりするんですが、こいつバカだし、それに加えてコレット姫とかデルフィナ姫とかまでが出てきてしまって……

 デルフィナ姫は今回初登場ですが、正直最初はヴェルナ・レギーアがコレット姫一人じゃちょっと寂しいからもう一人くらいいてもいいな。あ、それじゃアイフィロスのお姫様にしとこ、といった感じで気軽に作ったキャラだったんですが、ここに来て考えてみたら彼女はアイフィロス王家最後の生き残りのヴェルナ・レギーアといった、何だかそれだけでシリーズができそうな美味しい設定だったりして、いやどうしようかと思案中だったりします。

 そんなわけでまあ20巻ぐらいまでには何とかなるんじゃないかと思います。


 またこの暗黒大魔導編は主人公のフィン、アウラ、ファラのエピソードが終了するという意味での最終章ですが、その他のキャラ―――エルミーラ王女やメイ、リモン、さらにはチャイカさんその他のお話がそれと別に出来上がりつつあって、その後にシリーズエピローグ編、みたいなのが何巻かあるんじゃないかと思います。


 さて次巻は行った先の王宮でまたこいつらがドタバタする話なんですが―――いや今回の話が状況的にもっと悲壮な話になるんじゃないかと思ってたんで、それとバランスを取るためにそういうエピソードを入れる予定だったんですが、何だかずっとドタバタしてますね。

 まあ、基本はラブコメなんであまり深刻になるのは避けたいと思ってましたが、ちょっとこいつらにかかると最悪の場合でも最悪に見えないというのは、まあよろしいのではないかと。


 ま、そんな感じでまだもうちょっと続きますんで、気長にお待ち下さい。ではでは。


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2023/12/1 by Thor