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書評コーナー
<90 yen a book> 新しく出来た近所のBook Storeに古本コーナーがありかつ90円均一の棚があり、そこで購入した10冊の本についてのコメントです。

1)NOと言える日本(新日米関係の方策);盛田昭夫、石原慎太郎、光文社カッパ・ホームス、1989.1.31 820円
2)知のソフトウエア(情報のインプット・アウトプット);立花隆、講談社現代新書、1984.3.20 480円、
3)ICとLSIのことがわかる本;久野英雄、日本実業出版社、1984.1.15 1100円
4)マディソン郡の橋(the bridges of madison county);Robert James Waller, 文芸春秋、1993.3.25、1400円
5)食卓は笑う;開高建、新潮社、1982.12.1 800円
6)地球の笑い方;島村麻里,1997.4.11、ダ イヤモンド社、1300円
7)日本を愛したスパイ;プレオブラジェンスキー、1994.6.15、時事通信社、1700円
8)文学部唯野教授のサブテキスト;筒井康隆、1990.7.15、文芸春秋、850円
9)人麻呂の暗号;藤村由加、1989.1.30、新潮社、950円
10)気くばりのすすめ;鈴木健二、1982.9.10、講談社、980円

1)NOと言える日本(新日米関係の方策);盛田昭夫、石原慎太郎、光文社カッパ・ホームス、1989.1.31 820円
石原氏;重厚長大型の産業が後退し、軽薄短小と言われる知識集約型が台頭している。でもこれで良いのか。人間が手を汚さず汗も流さず、物を自分の手でつくらなくなる。ノウハウを考えだすのも頭脳を使った作業であり尊い仕事であるが、国全体が頭でっかちになったら、歴史上そういう国家社会は今まで栄えた例がありません。
面白かったのは「盛田・慎太郎本」で、1989年のバブル時代の最盛期に書かれた日本が米国を陵駕していることを反映した内容でした。その後、日本はバブル崩壊、一方、米国はIT革命成功で、この10年間で立場は逆転したわけです。この本では情報やソフトウエアに価値は置いておらず、「ICとLSIのことがわかる本」でもその傾向あり、日本社会は、情報には価値を置いてなかったという仮説が生じます。同質の村社会では、情報は皆の共有物(公共財)という考えが根本にあり、米国の個人社会では、情報を持つものが有利な立場になるので情報重視となる、との差が出たのではないかと思います。


2)知のソフトウエア(情報のインプット・アウトプット);立花隆、講談社現代新書、1984.3.20 480円
人間は全て大脳 という情報処理機械を持っているが、その性能は皆違う。ハードウェア(大脳そのもも)とソフトウェア(頭の使い方)も違う。違う機械に同じマニュアルが使えないと同様に、大脳の使い方の一般論は設立しない。自分で自分の方法論を発見しなさい。


3)ICとLSIのことがわかる本;久野英雄、日本実業出版社、1984.1.15 1100円
毎日の科学記者の著、1985.3.17-9.16までの科学万博を記念して書かれた、ICの入門書、HEMT(high electron mobilitytransister)、ジョセフソン・コンピュータの実現がガリウム・砒素の半導体が、見込まれていた。


4)マディソン郡の橋(the bridges of madison county);Robert James Waller, 文芸春秋、1993.3.25、1400円
アイオワの風景でにくづけされた愛の名作、映画;メリル・ストリープ、クリント・イーストウッド、大人のメルヘン。
マディソン郡は超有名な本で、粗筋は知っていましたが読むのは初めて、プロットがしっかりしている、まさに映画向けの小説でした。


5)食卓は笑う;開高建、新潮社、1982.12.1 800円
サントリーの広告に酒のサカナとして毎日新聞に毎月1回1年間にわたって連載された、小話集


6)地球の笑い方;島村麻里,1997.4.11、ダ イヤモンド社、1300円
パック旅行は強制免税店ツアーだった、世界一安全な旅行ができるのは北朝鮮だ、寒くても短パン&Tシャツ白人はアメリカンだ。 4泊5日で20数万円、北朝鮮観光ツアーが世界一お買得なツアーというのが面白い


7)日本を愛したスパイ;プレオブラジェンスキー、1994.6.15、時事通信社、1700円
1980ー85年までソ連国家保安委員会(KGB)の将校として東京に駐在した著者が、在日KGB活動を赤裸々に告白。幽霊の正体見たり枯尾花、とKGBの実力が実はこの程度であったとの話

8)文学部唯野教授のサブテキスト;筒井康隆、1990.7.15、文芸春秋、850円
「文学部唯野教授」から「短編小説講義」へ、ポスト構造主義による「一杯のかけそば」分析
この世から消したいと思っているものを5つあげてください、の質問に、「歩道橋、杉の花粉、カラオケバー、おれの右足の魚の目、身長157.5cm以上の男性」


9)人麻呂の暗号;藤村由加、1989.1.30、新潮社、950円
人麻呂を、韓国語・中国語で読むと、そこには全く恐ろしい意味が隔されていた。千有余年の封印を解いて今明らかにする歌聖の出自と死の謎。文学史を覆す衝撃の書
ハングルを駆使しての万葉集の人麻呂の歌を解釈している労作、ナラは朝鮮語で国という意味だが、そこから奈良の名前が出てきた、など面白い話が多くある。ハングルは習う価値ありです。


10)気くばりのすすめ;鈴木健二、1982.9.10、講談社、980円職場で家庭ですぐ役立つきくばりの秘訣
簡潔のきくばり;人間の話は45秒以内にまとまったものが一番よくわかる、長くて1分半、2分10秒を過ぎると話している人も聞いている人もよくわからなくなる。人間が1分間に喋る言葉は文字数にして280文字、従って45秒の話は、文字数にして210字。セールスポイントを210文字にまとめておけばよい。