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人類は80年で滅亡する;西澤潤一、上野いさお、東洋経済新報社、2200円、2000.2.17
英語名;The Human Beings perish from the Earth in Eighty Years

1章、人類は二酸化炭素で滅亡する
2章、事態を逆転させる時間は残されているか
3章、エネルギー問題の解決がキーポイント

3.5 進む電気機器のSI革命
第三のトランジスターSITの発明
99%効率のpinダイオードの発明と開発
第三のトランジスタSITの仕組み
新幹線の実現へ一役
第三の99%効率デバイス、SIサイリスタの発明
周波数が高くなると機器は小さくなる
省エネルギーに貢献するSIファミリー
3.6 水力発電の復活と電力ネット革命

4章、人類のための地球生態系をつくる
5章、理想的な環境創造社会をつくる
6章、地球環境のゆくえ

まえがき(抜粋);
1,3章を西澤が2、4章を上野が担当、残りは両者担当。著者らは、大気中の二酸化炭素濃度が、その上昇によって人間の生命維持を数年というような長期間を経ずして不能とさせる3%水準へ達するのは、現状の増大傾向が続くかぎりあと150年余りとみる。メタンハイドレードはすでに崩壊し始めているようである。

2.1地球の誕生とそのシステムの破壊
宇宙の歴史は、150億年前のビッグバンによって始まった。太陽系はその100億年後に誕生し、46億年前に地球ができた。創成期の地球大気には80%以上の二酸化炭素が含まれ地球は超温室状態であった。
図表2.3地球カレンダー(エコシステム研究会)
46億年前 地球の誕生
40億年間 海洋の誕生
36億年前 海の中で生物の誕生(ガイアの誕生)
25億年前 ストロマトライトが酸素を大気に放出
18億年前 大気中の酸素濃度が現在の1%に到達(パスツール点)
6億年前 海から生物の上陸(イマ・ガイアに変身)
5.7億年前 海中の生物、爆発的に進化
3億年前 巨大植物の大森林が広がる
2.5億年前 哺乳類の誕生
1億年前 地上に恐竜が大繁栄
6500万年前 メキシコに巨大隕石が衝突、気候の大変動、生物の大絶滅
6000万年前 恐竜の絶滅により哺乳類が爆発的に進化
5000万年前 原始的霊長類の出現
500万年前 猿人の登場
200万年前 人類の誕生

6.1地球とその生物の絶滅史
たしかなことは、地球内部の発熱源である、ウラニウム、トリウム、カリウムなどの放射性同位元素が最終的には消滅するということである。そのとき、地球内部の熱運動は停止し、地磁気もなくなるので、地球の防御壁である磁気圏も消え、有害な宇宙線が容赦なく降り注ぐ事になる。地球内部の平均温度は摂氏4000度でこれが地球の活動エネルギーとなっている。しかし、この温度も46億年で約摂氏300度冷えており、現在もゆっくり冷えつつある。
太陽は9億年後に膨張し、地球が受ける太陽熱は現在より2割程度増加する。地球の海は蒸発し、地球全体が風化し生命のない死の星に変わる。更に太陽は50億年後には赤色巨星となり、地球は太陽に飲み込まれ、太陽系そのものも消滅する。

当方の印象;題名はおどろおどろしいが、内容はごく真面目なものでした。「3.5 進む電気機器のSI革命」で、西澤先生の種々の発明をあげておられます。まさに独創の雄、またその発明の実用化を社会への貢献のために目指す執念ともいえるものを感じました。