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2001-02-24 「なぜアメリカの大学は一流なのか、キャンパスを巡る旅」川本卓史、丸善ブックス、

以下の本が知人より、送られてきました。知人の友人の書いた本です。
昨年の5月12日から、10日間、学長と米国の大学を訪問した時の記録を中心に書かれたものです。1966年に東銀の研修生として米国に派遣されており、米国通の著者の懐かし旅という面もありました。
米国の大学(4年制大学が2000校あり)で、それぞれの分野でランクをトップ40とか細かくつけていること、米国の大学に弱点があるとしたら、「カリキュラムが十分にディシプリナリーでない」と英国や独逸の高等教育を頭において言っている、ことが面白いと思いました。
知を創造する行為(ハードアカデミズム)と既存の知を伝える行為(ソフトアカデミズム)は全くの別のもの、別の技術と才能、方法を要求する。即ち、研究と教育は別との考えを打出しています。
この本で印象に残ったのは最後のエピローグで本題とは全く関係ないのですが62歳でなくなった元同僚との交流を振り返った部分でした。「他人から距離を保つことが他人に対する最大の思いやりになります」(森嶋通夫)という美学に少しこだわり過ぎたかもしれない、君もちょっと変わった日本人だったかもしれませんね、と語る部分など著者の人柄がでていました。

「なぜアメリカの大学は一流なのか、キャンパスを巡る旅」川本卓史、丸善ブックス、H13.1.30初版、2000円

本帯;アメリカの大学が日本と比べて遥かにレベルが高いといわれるのはなぜか。教育システム、大学の経営方法、教授陣の質から学生のレベルなど、日本で大学の運営に携わる著者がアメリカに渡り、直接その目で見て、多くの人々にインタビューした現実をレポートする。また、アメリカに渡り、大学を訪問するまでのインターネットを駆使した旅の印象、大学の立地・環境などについて言及する。

著者;1939年生まれ、1962年東大法学部卒、豪州東銀頭取、現在京都文教大学学長補佐、著書「シドニーの囁き、1997年」「臆病な季節、1998年」、日本エッセイストクラブ会員

目次
プロローグ、在ボストンO君へ
1章、インターネット時代とアメリカの旅
2章、アメリカの大学を旅する
3章、研究重視型大学のレベルは世界一
4章、ディシプリンとプロフェッショナル
5章、大学の影の部分
6章、大学経営の課題
7章、旅の中で教育について考える
エピローグ、Y君追悼