生前、父親が蒐集し、折々に部屋に掛けて愛でていた絵画が何点か残されている。私自身はと言えば、何気なく目にしていたものの題材、描いた画家も分からずこれらの絵をよくよく眺めたこともなかった。
「カフェ あくら」を始めるにあたり、来店されたお客さんに幾ばくかでも安らぎになればと店内に何点かを飾ることにした。絵を見てお客さんから「誰の作品なのか、どこの風景なのか」と問われるも答えられない。書かれたサインや裏書を見るが、サインのないものもあり、サインがあってもどういう画歴を持った画家なのか分からない。インターネットや美術年鑑等で調べたり、お客さんからご教示いただいたりして、やっとある程度の整理ができた。作品の中には信州の自然を題材としたものが何点かあり、日々これらの絵を眺めていると、ふるさと信州の自然の悠久さに心洗われるとともに愛着が沸いてくる。描いた画家がこれら信州の風景をこよなく愛していただろうことがひしひしと伝わってくる。正直言ってこれらの画家が信州でどのような創作活動をし、父親がこれらの絵にどのように出会い、手に入れたかよく知らない。もし画家の人となり、活動歴や作品についてご存知のことがあればお教えください。若し、これらのことが分かれば描いた画家なりこれら作品により親しみが増すのではないかと思っています。よろしくお願いいたします。分かる範囲で整理しましたので、間違っている点等があると思いますが、ご容赦願います。
■ 本庄 基晃画家の作品
(プロフィール)
1938年北海道岩内生まれ。1950年第三回長野県美術展に史上最年少で入選。1955年第八回長野県美術展で信州美術会賞を受賞し、会員に推挙される。1957年東京芸術大学に入学。読売アンデバンダン展に出品。行動美術展に出品。1962年創作のために各地を放浪する。1974年長野県の森美術館で個展。この頃から野の仏を描くようになる。全国各地で個展を開催。1988年ニューヨーク、ロスアンゼルスで個展。国際情報社から第一画集を出版。
作品@ 「早春常念岳」 1966年作
作品A 「伊豆大島遠望」 1965年作
作品B タイトル・作成年不詳
作品C タイトル不詳 1967年作
■ 中村 善策画家の作品
(プロフィール)
1901年北海道小樽生まれ。1916年小樽洋画研究所に学び、1924年上京し川端画学校で安井曾太郎、石井柏亭に師事する。1925年第二回二科展に初入選。道展の創立に参加し会員となる。1968年日展出品作で日本芸術院賞を受賞。一水会運営委員、日展参事として活躍。1981年没。
作民D タイトル・作成年不詳
■ 小松 秀雄画家の作品
(プロフィール)
1924年生まれ。諏訪市出身。春陽会所属。高橋 亭一郎に師事。1962年、絵の勉強にヨーロッパに渡るべく手続きのために上京中に火災にあって37歳の若さで焼死。
作品E 「三原山」 1961年作
■ 古市 幸利画家の作品
(プロフィール)
昭和41年秋、中信一水会発足時の会員。長野県の文化使節として篠田 義一氏、日本画家の小岩井秀鳳氏とともに渡米。中嶋嶺雄のページに同氏から絵を教えたもらったことがあると記されている。「山岳画家古市幸利 信州観光ポスター回顧展」を松本市美術館で開催。
作品F 「湖辺の春」 1966年作
作品G 「ハワイ島の岩礁」 1965年作(訪米記念)
作品H 「鹿島槍」 作成年不詳