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調号の話
…である。調(キー)を指定する記号を調号(ちょうごう)と言い、#や♭をまとめて書く。
学校で習ったはずなので、改めて言う事ではないが、#が「半音上げる」、♭が「半音下げる」ぐらいの役目しか覚えていないのであれば、改めて復習してほしい。

 ギターという楽器固有の話ではないが、「○○の曲のキーが…」なんていう言葉はよく聞くはずだ。耳コピの手助けにもなるので、この辺の仕組みはしっかり理解しておきたい。


カラオケにて
 カラオケで歌うとき、自分の声域と歌手の実際の声域が違うと「高すぎて声が出ない/低すぎて声が出ない」という事がある。
 そこで、#ボタンや♭ボタンを押して、全体の音を上げ下げして調整することで歌えるようになれる。これと同じで、要するに調号というのは、ドレミの全体の高さ/低さを楽譜上で指定する記号になる。
 ドレミ全体の音の高さをキー(調)と言う。


音名と階名の話
 音の絶対的な高さに固有の名前を付けたものを音名という。
英語C(シー)D(ディー)E(イー)F(エフ)G(ジー)A(エー)B(ビー)C(シー)
イタリア語Do(ド)Re(レ)Mi(ミ)Fa(ファ)Sol(ソ)La(ラ)Si(シ)Do(ド)
日本語
ドイツ語C(ツェー)D(デー)E(エー)F(エフ)G(ゲー)A(アー)H(ハー)C(ツェー)
周波数261.63Hz293.66Hz329.63Hz349.23Hz392.00Hz440.00Hz493.88Hz523.25Hz
 ラ(A)=440Hzとして全体の音程を固定してしまうものを「固定ド」という。固定ドでの音名の呼び方は、一般に英語、日本語、ドイツ語が使われる。
 周波数も書いておいたが、オクターブが違っていても同じ音には同じ音名で呼ぶ。(低いA音も高いA音もどちらもA音)
 ちなみに、1オクターブ違うと周波数は2倍あるいは半分になる。


 一方、適当な音を主音のドとして、その音の全音上の音をレ、さらに全音上の音をミ、さらに半音上の音をファ…とするのが「移動ド」である。
 移動ドでは、主音に対する相対的な高さとして階名を用いる。階名は、慣例的にイタリア読み(ドレミ)が使われる。
日本語ファ
英語Do(ド)Re(レ)Mi(ミ)Fa(ファ)So(ソ)La(ラ)Ti(ティ)Do(ド)
音度TUVWXYZT

 長調(Major key)とは、主音となる音を基準に、全音、全音、半音、全音、全音、全音、半音の間隔を持つ音階を言う。主音となる音をハ音(C音)である長調をハ長調(C Major key)と言う。
音名CC#DD#EFF#GG#AA#BC
ハ長調  ファ   

 ロックなお兄さんが「C(シー)メジャーキーで」と言うのと、エリートピアニストが言う「ハ長調で」と言うのは同じ意味である。前者が英語読み、後者が日本語読みしているだけである。
 クラシック曲名に埋め込まれている『モーツァルト ディベルティメント 第一楽章ニ長調 K.136』の「ニ長調」も同じ「キーを示す言葉」である。
 



ドレミを半音ずつ上げてみる(カラオケで)
 カラオケで#ボタンを1回押すと、キーが半音上がる。もう1回押すと、キーがさらに半音上がる。
音名 CC#DD#EFF#GG#AA#BCC#D
C(ハ長調)  ファ   
#×1   ファ   
#×2    ファ   
ド=長調の主音の位置
 キーがハ長調の曲で、#ボタンを2回押したとき、キー全体が1音上がる。ニ音(D音)が主音になる長調に変化するので、曲そのものはニ長調(Dメジャー キー)になる。
 具体的に音名で言うと、D,E,F#,G,A,B,C#という音名だ。F音とC音がそれぞれ半音上がることでニ長調(Dメジャー キー)になる。
 D,E,F#,G,A,B,C#,Dという並びば、D音を基準に、全音、全音、半音、全音、全音、全音、半音の間隔を持つ音階になっている事を確認してほしい。



楽譜上でのキーの調整方法
 カラオケでは#ボタンや♭ボタンでキーが変化するが、楽譜では少し変わった方法でキーを変える。
 「#や♭をなるべく付けないで済む方法」で行う。


ハ長調(C Major)/イ短調(A minor)(#×0)
 まず、ハ長調である。
長調     
移動ド  ファ   
音名(英)CC#DD#EFF#GG#AA#BC
音名(和)ハ 嬰ハニ 嬰ニホ へ 嬰ヘト 嬰トイ 嬰イロ ハ 
 長調は、ミとファ、シとドの間が半音になっている。
 これは、C音、すなわちハ音を主音とする長調なので「ハ長調」あるいは「Cメジャー(C Major)」という調(キー)になる。
 短調は、ラの音がA音であるので、このスケールはA音、すなわちイ音を主音とする短調にもなる。短調では「イ短調」あるいは「Aマイナー(A Minor)」という調(キー)にもなる。


ト長調(G Major)/ホ短調(E minor)(#×1)
 さて、ここからキーを上げる作業に入る。
 ハ長調のファの音だけを半音上げる
移動ド  ファ     ファ   
ファを#   ファ#     ファ#  
音名CC#DD#EFF#GG#AA#BCC#DD#EFF#GG#AA#BC
音名(和)ハ 嬰ハニ 嬰ニホ へ 嬰ヘト 嬰トイ 嬰イロ ハ 嬰ハニ 嬰ニホ へ 嬰ヘト 嬰トイ 嬰イロ ハ 
 つまり、ファ#とソ、シとドが半音というスケールになる。
 この状態で、ソの音から改めてドレミを当てはめてみると、きれいに当てはまる事がわかる。
ファを#   ファ#     ファ#  
ソをドに         ファ        
音名(英)CC#DD#EFF#GG#AA#BCC#DD#EFF#GG#AA#BC
音名(和)ハ 嬰ハニ 嬰ニホ へ 嬰ヘト 嬰トイ 嬰イロ ハ 嬰ハニ 嬰ニホ へ 嬰ヘト 嬰トイ 嬰イロ ハ 
 これは、G音、すなわちト音を主音とする長調なので「ト長調」あるいは「Gメジャー(G Major)」という調(キー)になる。ドの音がG音になった、全体的に高めのキーになる。

 F音だけを半音上げたキーであることを示すために、五線譜上では、F音の所(ト音記号では第五線)に#を1つ付けて表す。

 ここで注意しなければならないのは、#が1個ついたからと言って、キーが半音上がっている訳ではないということだ。主音はCから5音上がってG音になっている。

 短調の場合は、ラの音がE音、すなわちホ音を主音とする短調となるので「ホ短調」あるいは「Eマイナー(E minor)」という調(キー)になる。

 たまに、調号に#が付くのがメジャー系のキーで、♭が付くのがマイナー系のキーだと思っている人がいるが、それは全く関係ない


ニ長調(D Major)/ロ短調(B minor)(#×2)
 さらにキーを変えていく。
 さきほどと同様、ファの音だけを半音上げ、ソの音から改めてドレミを当てはめる
 ト長調のファの位置はC音なので、C音が半音上がる。
ト長調         ファ        
ファを#       ファ#       
ソをドに    ファ             
音名(英)CC#DD#EFF#GG#AA#BCC#DD#EFF#GG#AA#BC
音名(和)ハ 嬰ハニ 嬰ニホ へ 嬰ヘト 嬰トイ 嬰イロ ハ 嬰ハニ 嬰ニホ へ 嬰ヘト 嬰トイ 嬰イロ ハ 
 これは、D音、すなわちニ音を主音とする長調なので「ニ長調」あるいは「Dメジャー(D Major)」という調(キー)になる。ドの音がD音になったので、ハ長調(Cメジャー)より1音だけ高めのキーになる。
 短調の場合は、ラの音がB音、すなわちロ音を主音とする短調となるので「ロ短調」あるいは「Bマイナー(B minor)」という調(キー)になる。

 五線譜上では、さらにC音の部分に#が追加される。


イ長調(A Major)/嬰ヘ短調(F# minor)(#×3)
 この調子で、さらにキーを変えていく。
 紙媒体なら紙面の都合で略すかもしれないが、Webの都合、全部書く。
 同様に、ファの音だけを半音上げ、ソの音から改めてドレミを当てはめる
 ニ長調のファの位置はG音なので、G音が半音上がる。
 つまり、五線譜上では、さらにG音の部分に#が追加される。
ニ長調    ファ             
ファを#     ファ#     ファ#   
ソをドに           ファ      
音名(英)CC#DD#EFF#GG#AA#BCC#DD#EFF#GG#AA#BC
音名(和)ハ 嬰ハニ 嬰ニホ へ 嬰ヘト 嬰トイ 嬰イロ ハ 嬰ハニ 嬰ニホ へ 嬰ヘト 嬰トイ 嬰イロ ハ 
 これは、A音、すなわちイ音を主音とする長調なので「イ長調」あるいは「Aメジャー(A Major)」という調(キー)になる。
 短調の場合は、ラの音がF#音、すなわち嬰ヘ音を主音とする短調となるので「嬰ヘ短調」あるいは「F#マイナー(F# minor)」という調(キー)になる。



ホ長調(E Major)/嬰ハ短調(C# minor)(#×4)
 さらにキーを変えていく。後は同じパターンだ。
 ファの音だけを半音上げ、ソの音から改めてドレミを当てはめる
 イ長調のファの位置はD音なので、D音が半音上がる。
 五線譜上では、さらにD音に#が追加される。
イ長調           ファ      
ファを#  ファ#     ファ#     
ソをドに      ファ           
音名(英)CC#DD#EFF#GG#AA#BCC#DD#EFF#GG#AA#BC
音名(和)ハ 嬰ハニ 嬰ニホ へ 嬰ヘト 嬰トイ 嬰イロ ハ 嬰ハニ 嬰ニホ へ 嬰ヘト 嬰トイ 嬰イロ ハ 
 これは、E音、すなわちホ音を主音とする長調なので「ホ長調」あるいは「Eメジャー(E Major)」という調(キー)になる。
 短調の場合は、ラの音がC#音、すなわち嬰ハ音を主音とする短調となるので「嬰ハ短調」あるいは「C#マイナー(C# minor)」という調(キー)になる。



ロ長調(B Major)/嬰ト短調(G# minor)(#×5)
 いい加減、書くのが飽きてきた。
 同様に、キーを変える。
 ファの音だけを半音上げ、ソの音から改めてドレミを当てはめる
 ホ長調のファの位置はA音なので、A音が半音上がる。
 五線譜上では、さらにA音に#が追加される。
ホ長調      ファ           
ファを#       ファ#     ファ# 
ソをドに             ファ    
音名(英)CC#DD#EFF#GG#AA#BCC#DD#EFF#GG#AA#BC
音名(和)ハ 嬰ハニ 嬰ニホ へ 嬰ヘト 嬰トイ 嬰イロ ハ 嬰ハニ 嬰ニホ へ 嬰ヘト 嬰トイ 嬰イロ ハ 
 これは、B音、すなわちロ音を主音とする長調なので「ロ長調」あるいは「Bメジャー(B Major)」という調(キー)になる。
 短調の場合は、ラの音がG#音、すなわち嬰ト音を主音とする短調となるので「嬰ト短調」あるいは「G#マイナー(G# minor)」という調(キー)になる。



嬰ヘ長調(F# Major)/嬰ニ短調(D# minor)(#×6)
 同様に、キーを変える。
 ファの音だけを半音上げ、ソの音から改めてドレミを当てはめる
 ロ長調のファの位置はE音なので、E音が半音上がる。E音の半音上はF音だが、すでにF音はF#にシャープしている関係もあって、E#となる。
 五線譜上では、さらにE音に#が追加される。
ロ長調             ファ    
ファを#    ファ#     ファ#   
ソをドに        ファ         
音名(英)CC#DD#EF(E#)F#GG#AA#BCC#DD#EF(E#)F#GG#AA#BC
音名(和)ハ 嬰ハニ 嬰ニホ へ 嬰ヘト 嬰トイ 嬰イロ ハ 嬰ハニ 嬰ニホ へ 嬰ヘト 嬰トイ 嬰イロ ハ 
 これは、F#音、すなわち嬰ヘ(えい・へ)音を主音とする長調なので「嬰ヘ長調」あるいは「F#メジャー(F# Major)」という調(キー)になる。
 短調の場合は、ラの音がD#音、すなわち嬰ニ音を主音とする短調となるので「嬰ニ短調」あるいは「D#マイナー(D# minor)」という調(キー)になる。



嬰ハ長調(C# Major)/嬰イ短調(A# minor)(#×7)
 同様に、キーを変える。
 ファの音だけを半音上げ、ソの音から改めてドレミを当てはめる
 嬰ヘ長調のファの位置はB音なので、B音が半音上がる。B音の半音上はC音だが、すでにC音はC#にシャープしている関係もあって、B#となる。
 五線譜上では、さらにB音に#が追加される。
嬰ヘ長調        ファ         
ファを#ファ#     ファ#        
ソをドに   ファ              
音名(英)C(B#)C#DD#EF(E#)F#GG#AA#BC(B#)C#DD#EF(E#)F#GG#AA#BC
音名(和)ハ 嬰ハニ 嬰ニホ へ 嬰ヘト 嬰トイ 嬰イロ ハ 嬰ハニ 嬰ニホ へ 嬰ヘト 嬰トイ 嬰イロ ハ 
 これは、C#音、すなわち嬰ハ音を主音とする長調なので「嬰ハ長調」あるいは「C#メジャー(C# Major)」という調(キー)になる。
 短調の場合は、ラの音がA#音、すなわち嬰イ音を主音とする短調となるので「嬰イ短調」あるいは「A#マイナー(A# minor)」という調(キー)になる。

ドレミの音名は、C#,D#,E#,F#,G#,A#,B#,C#である。

 これで、すべての音名に#が付いて、すべての音を上げ切ったのでここで終わりである。

ハ長調/イ短調(♭×0)
 今度は、キーを下げる方の説明になる。
 改めて、ハ長調を確認する。
長調     
移動ド  ファ   
音名(英)CD♭DE♭EFG♭GA♭AB♭BC
音名(和)ハ 変ニニ 変ホホ へ 変トト 変イイ 嬰イロ ハ 



へ長調(F Major)/ニ短調(D minor)(♭×1)
 さて、ここからキーを下げる作業に入る。
 キーを下げる場合は、ハ長調のシの音だけを半音下げる
移動ド  ファ     ファ   
シを♭  ファ  シ♭   ファ  シ♭ 
音名(英)CD♭DE♭EFG♭GA♭AB♭BCD♭DE♭EFG♭GA♭AB♭BC
音名(和)ハ 変ニニ 変ホホ へ 変トト 変イイ 変ロロ ハ 変ニニ 変ホホ へ 変トト 変イイ 変ロロ ハ 
 この状態で、ファの音から改めてドレミを当てはめてみると、きれいに当てはまる事がわかる。
シを♭  ファ  シ♭   ファ  シ♭ 
ファをドに       ファ          
音名(英)CD♭DE♭EFG♭GA♭AB♭BCD♭DE♭EFG♭GA♭AB♭BC
音名(和)ハ 変ニニ 変ホホ へ 変トト 変イイ 変ロロ ハ 変ニニ 変ホホ へ 変トト 変イイ 変ロロ ハ 
 これは、F音、すなわちへ音を主音とする長調なので「へ長調」あるいは「Fメジャー(F Major)」という調(キー)になる。
 短調の場合は、ラの音がD音、すなわちニ音を主音とする短調となるので「ニ短調」あるいは「Dマイナー(D minor)」という調(キー)になる。

 B音だけを半音下げたキーであることを示すために、五線譜上では、B音の所(ト音記号では第三線)に♭を1つ付けて表す。



変ロ長調(B♭ Major)/ト短調(G minor)(♭×2)
 同様に、キーを変える。
 シの音だけを半音下げ、ファの音から改めてドレミを当てはめる
 へ長調のシの位置はE音なので、E音が半音下がる。
 五線譜上では、さらにE音に♭が追加される。
へ長調       ファ          
シを♭       ファ  シ♭   ファ  
ファをドに            ファ     
音名(英)CD♭DE♭EFG♭GA♭AB♭BCD♭DE♭EFG♭GA♭AB♭BC
音名(和)ハ 変ニニ 変ホホ へ 変トト 変イイ 変ロロ ハ 変ニニ 変ホホ へ 変トト 変イイ 変ロロ ハ 
 これは、B♭音、すなわち変ロ(へん・ロ)音を主音とする長調なので「変ロ長調」あるいは「B♭メジャー(B♭ Major)」という調(キー)になる。
 短調の場合は、ラの音がG音、すなわちト音を主音とする短調となるので「ト短調」あるいは「Gマイナー(G minor)」という調(キー)になる。



変ホ長調(E♭ Major)/ハ短調(C minor)(♭×3)
 同様に、キーを変える。
 シの音だけを半音下げ、ファの音から改めてドレミを当てはめる
 変ロ長調のシの位置はA音なので、A音が半音下がる。
 五線譜上では、さらにA音に♭が追加される。
変ロ長調            ファ     
シを♭   ファ  シ♭   ファ  シ♭   
ファをドに     ファ            
音名(英)CD♭DE♭EFG♭GA♭AB♭BCD♭DE♭EFG♭GA♭AB♭BC
音名(和)ハ 変ニニ 変ホホ へ 変トト 変イイ 変ロロ ハ 変ニニ 変ホホ へ 変トト 変イイ 変ロロ ハ 
 これは、E♭音、すなわち変ホ音を主音とする長調なので「変ホ長調」あるいは「E♭メジャー(E♭ Major)」という調(キー)になる。
 短調の場合は、ラの音がC音、すなわちハ音を主音とする短調となるので「ハ短調」あるいは「Cマイナー(C minor)」という調(キー)になる。



変イ長調(A♭ Major)/へ短調(F minor)(♭×4)
 同様に、キーを変える。
 シの音だけを半音下げ、ファの音から改めてドレミを当てはめる
 変ホ長調のシの位置はD音なので、D音が半音下がる。
 五線譜上では、さらにD音に♭が追加される。
変ホ長調     ファ            
シを♭     ファ  シ♭   ファ    
ファをドに          ファ       
音名(英)CD♭DE♭EFG♭GA♭AB♭BCD♭DE♭EFG♭GA♭AB♭BC
音名(和)ハ 変ニニ 変ホホ へ 変トト 変イイ 変ロロ ハ 変ニニ 変ホホ へ 変トト 変イイ 変ロロ ハ 
 これは、A♭音、すなわち変イ音を主音とする長調なので「変イ長調」あるいは「A♭メジャー(A♭ Major)」という調(キー)になる。
 短調の場合は、ラの音がF音、すなわちへ音を主音とする短調となるので「へ短調」あるいは「Fマイナー(F minor)」という調(キー)になる。



変ニ長調(D♭ Major)/変ロ短調(B♭ minor)(♭×5)
 同様に、キーを変える。
 シの音だけを半音下げ、ファの音から改めてドレミを当てはめる
 変イ長調のシの位置はG音なので、G音が半音下がる。
 五線譜上では、さらにG音に♭が追加される。
変イ長調          ファ       
シを♭ ファ  シ♭   ファ  シ♭     
ファをドに   ファ              
音名(英)CD♭DE♭EFG♭GA♭AB♭BCD♭DE♭EFG♭GA♭AB♭BC
音名(和)ハ 変ニニ 変ホホ へ 変トト 変イイ 変ロロ ハ 変ニニ 変ホホ へ 変トト 変イイ 変ロロ ハ 
 これは、D♭音、すなわち変ニ音を主音とする長調なので「変ニ長調」あるいは「D♭メジャー(D♭ Major)」という調(キー)になる。
 短調の場合は、ラの音がB♭音、すなわち変ロ音を主音とする短調となるので「変ロ短調」あるいは「B♭マイナー(B♭ minor)」という調(キー)になる。



変ト長調(G♭ Major)/変ホ短調(E♭ minor)(♭×6)
 同様に、キーを変える。
 シの音だけを半音下げ、ファの音から改めてドレミを当てはめる
 変ニ長調のシの位置はC音なので、C音が半音下がる。
 五線譜上では、さらにC音に♭が追加される。
変ニ長調   ファ              
シを♭    ファ  シ♭   ファ     
ファをドに        ファ         
音名(英)CD♭DE♭EFG♭GA♭AB♭C♭CD♭DE♭EFG♭GA♭AB♭BC
音名(和)ハ 変ニニ 変ホホ へ 変トト 変イイ 変ロ変ハハ 変ニニ 変ホホ へ 変トト 変イイ 変ロロ ハ 
 これは、G♭音、すなわち変ト音を主音とする長調なので「変ト長調」あるいは「G♭メジャー(G♭ Major)」という調(キー)になる。
 短調の場合は、ラの音がE♭音、すなわち変ホ音を主音とする短調となるので「変ホ短調」あるいは「E♭マイナー(E♭ minor)」という調(キー)になる。



変ハ長調(C♭ Major)/変イ短調(A♭ minor)(♭×7)
 同様に、キーを変える。
 シの音だけを半音下げ、ファの音から改めてドレミを当てはめる
 変ト長調のシの位置はF音なので、F音が半音下がる。
 五線譜上では、さらにF音に♭が追加される。
変ト長       ファ         
シを♭   シ♭   ファ  シ♭   ファ 
ファをドに             ファ    
音名(英)CD♭DE♭F♭FG♭GA♭AB♭C♭CD♭DE♭F♭FG♭GA♭AB♭BC
音名(和)ハ 変ニニ 変ホ変へへ 変トト 変イイ 変ロ変ハハ 変ニニ 変ホ変へへ 変トト 変イイ 変ロロ ハ 
 これは、C♭音、すなわち変ハ音を主音とする長調なので「変ハ長調」あるいは「C♭メジャー(C♭ Major)」という調(キー)になる。
 短調の場合は、ラの音がA♭音、すなわち変イ音を主音とする短調となるので「変イ短調」あるいは「A♭マイナー(A♭ minor)」という調(キー)になる。

ドレミの音名は、C♭,D♭,E♭,F♭,G♭,A♭,B♭,C♭である。

 これで、すべての音名に♭が付いて、すべての音を下げ切ったのでここで終わりである。



五度圏
 まとめてみる。
ハ長調(#×0)  ファ     ファ   
ト長調(#×1)         ファ        
ニ長調(#×2)    ファ             
イ長調(#×3)           ファ      
ホ長調(#×4)      ファ           
ロ長調(#×5)             ファ    
嬰ヘ長調(#×6)        ファ         
嬰ハ長調(#×7)   ファ              
音名(英)CC#DD#EF(E#)F#GG#AA#BCC#DD#EF(E#)F#GG#AA#BC
音名(和)ハ 嬰ハニ 嬰ニホ へ 嬰ヘト 嬰トイ 嬰イロ ハ 嬰ハニ 嬰ニホ へ 嬰ヘト 嬰トイ 嬰イロ ハ 
ハ長調(♭×0)  ファ     ファ   
へ長調(♭×1)       ファ          
変ロ長調(♭×2)            ファ     
変ホ長調(♭×3)     ファ            
変イ長調(♭×4)          ファ       
変ニ長調(♭×5)   ファ              
変ト長調(♭×6)        ファ         
変ハ長調(♭×7)             ファ    
音名(英)CD♭DE♭E(F♭)FG♭GA♭AB♭C♭CD♭DE♭E(F♭)FG♭GA♭AB♭BC
音名(和)ハ 変ニニ 変ホ変へへ 変トト 変イイ 変ロ変ハハ 変ニニ 変ホ変へへ 変トト 変イイ 変ロロ ハ 
 #系のキーは、7半音上がって、5半音下がる(=さらに7半音上がって、1オクターブ下げる)の繰り返し、♭系のキーは逆に7半音下がって、5半音上がる(=さらに7半音下がって、1オクターブ上げる)の繰り返しである事がわかる。
 また、嬰ハ長調(#×7)と変ニ長調(♭×5)、嬰ヘ長調(#×6)と変ト長調(♭×6)、ロ長調(#×5)と変ハ長調(♭×7)が全く同じ音の階名構造であることもわかる。
 「7半音差」とは、完全5度の事なので、主音を完全5度ずつずらして環状に並べたものを五度圏という。

 [図は省略]

 すべての音名を網羅しているかを確認する意味で、半音ピッチでキーを並べてみた。
 耳コピするとき、ドの位置が何の音名であるかを探せれば、その曲のキーを知る事ができる。
ハ長調(#×0)  ファ     ファ   
嬰ハ長調(#×7)   ファ              
変ニ長調(♭×5)   ファ              
ニ長調(#×2)    ファ             
変ホ長調(♭×3)     ファ            
ホ長調(#×4)      ファ           
へ長調(♭×1)       ファ          
嬰ヘ長調(#×6)        ファ         
変ト長調(♭×6)        ファ         
ト長調(#×1)         ファ        
変イ長調(♭×4)          ファ       
イ長調(#×3)           ファ      
変ロ長調(♭×2)            ファ     
ロ長調(#×5)             ファ    
変ハ長調(♭×7)             ファ    
音名(英)CC#DD#EF(E#)F#GG#AA#BCC#DD#EF(E#)F#GG#AA#BC
音名(和)ハ 嬰ハニ 嬰ニホ へ 嬰ヘト 嬰トイ 嬰イロ ハ 嬰ハニ 嬰ニホ へ 嬰ヘト 嬰トイ 嬰イロ ハ 
音名(英)CD♭DE♭E(F♭)FG♭GA♭AB♭C♭CD♭DE♭E(F♭)FG♭GA♭AB♭BC
音名(和)ハ 変ニニ 変ホ変へへ 変トト 変イイ 変ロ変ハハ 変ニニ 変ホ変へへ 変トト 変イイ 変ロロ ハ 


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