シンコペーションとは、強拍に当たる、小節の先頭に来る音を飛ばして、強拍の位置をずらす(抜かす)リズムを言う。 シンコペーションは、リズムを刻む基本となる先頭の拍が無いリズムのため、とたんにリズムがとりにくくなる。 もし、リズム編(1)から一気にここまで読み進んだとしたら、2-3日空けて、今までのリズムをきちんと刻めるようになってから読み進んでほしい。場合によっては、混乱を招くからだ。 準備は良いだろうか? シンコペーションは、強拍に当たる部分を弾かない。楽譜上では、一般に上段のような書き方をするが、実際に鳴る音のイメージとしては下段のようになる。 楽譜の書き方の決まりとしては、下段のような過不足が生じる書き方はできない。そこで、実際の譜面では、タイ(括弧を横倒しした記号)で2つの音符を連結する書き方をする。 おおざっぱに言って同じ音の音符がタイでつながっていたら、そこがシンコペーションだと思って構わない。(四分音符の長さの音なら四分音符で書けばいいのに、わざわざ八分音符をタイで連結した書き方をしているというのは、発音しない拍があるからだ。) タイでつながれる側の音符は音を出さないので、惑わされて音を出さないように気をつけなければならない。 また、通常、八分音符を連続させる場合は、連桁(れんけい)させてひとかたまりにするが、原則として強拍を入れた時点でリセットするようにする。連桁させたひとかたまりの八分音符全体が一つのリズムの単位となっているので、下段のような中途半端な連桁をされると、かえってリズムが取れなくなる。 |
今までは、強拍部分は必ず弾き、弱拍部分を抜いてリズムを刻んでいたが、逆に強拍部分を抜いて弱拍だけ残すのがシンコペーションである。 そこで、まず、弱拍を意識するために、弱拍だけを弾くところから始める。 8ビートの強拍部分を抜いて出てくる4ビートで刻むリズムを作る。 裏拍だけ弾くこと自体は、それほど難しいものではないだろう。 8ビートを「ワン・エン・ツー・エン・スリー・エン・フォー・エン…」と言いながら刻み、「エン」の部分を強調していく。「エン」の部分だけで刻むリズムが、4ビートにおける裏拍である。「ウン、チャッ、ウン、チャッ、…」という感じのリズムだ。 |
基本リズムでは、4ビートと8ビートを混ぜるトレーニングをしたが、それと同様、表拍と裏拍を切り替えるトレーニングをする。 強拍側と弱拍側で色分けするため、1弦を強拍側、2弦を弱拍側とする。形の上では1弦と2弦を交互に弾くことになる。 そうしながら、1弦側をだんだん弾かないように弱めていって、弱拍だけ(2弦だけ)を残す。 |
ある程度できるようになったら、1小節まるごと1弦を弾かずに2弦だけ裏拍リズムキープを続けるパターンに挑戦してみよう。 |
シンコペーションの前振りで出したのと、ほとんど同じ譜面ではあるが、挑戦してみよう。 タイで連結されている側の音は発音しないので、惑わされないように。 さらに八分音符と十六分音符2個の組み合わせにシンコペーションを加えたパターン。 かなりリズムがとりにくくなるため、一度シンコペーションのない場合のリズムを確認しておいた方が良いだろう。 |
ところで、二進数4桁で表現できる二進数の数は、 0000 0001 0010 0011 0100 0101 0110 0111 1000 1001 1010 1011 1100 1101 1110 1111 の16個ある。1=音を出す、0=音を出さないとすると、4分の4拍子で表現できる基本リズムパターンは16個しかない事になる。 これを逆順に並べて楽譜を起こすと、こうなる。 メトロノーム(適当な曲でも良いが)でリズムを聴きながら、実際に弾いてみよう。特に後半は先頭に拍が無いのでリズムが狂わないように気をつけて。 |