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結論から言えば、SolarMax60標準のBF-10からBF-15への換装を行ったわけですが、それまでの道のりです。(日記より抜粋) 2006/11/08
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うちのHαの太陽の画像、どう見たって解像度不足です。 PSTで撮った画像にすら負けている気がします。 たぶん、ブロッキングフィルタの径が小さすぎるんじゃないかと。 ま、BF-15を買えば済む話なのかもしれませんが、ホイと151,200円出せる訳はなく。 そこで、エレメント配置を変えてみました。 太陽が出ていないと先にすすまないSolarMaxですが、エタロンを外し(メンテナンス時以外、外すなとマニュアルに書かれていますが…)、ブロッキングフィルタを天頂プリズムに交換するして、月を使ってピントが出るか実験。 普通の31.7mm径天頂プリズムを通して筒内をながめても、レンズセルが結構ギリギリにしか見えなかったので、BF-10ではかなり絞られていた可能性が浮上。 そこで、BF-10の前方にバローレンズを置いて合成Fを引き延ばしておき、その状態でピントが出るように工夫。 何パターンかを再検証した結果、写真のような構成でピントが出ることが確認されました。 もちろん、『ブロッキングフィルタの前にバローレンズを入れて、バローレンズ本体を延長筒に使う』パターンは試していて、ピントが出ないことが確認されていた訳ですが、今回、バローレンズ本体をCEMAXバローではなく、ビクセンのバローレンズの筒を使った所がミソ。 引き延ばし倍率が大きくなる(はず)なので、直前にレデューサーを置いて縮小、という構成です。(使ったレデューサはミザールFA-80用。買ったはいいものの、径があわず、今まで使い物にならなくてホコリかぶってました。:写真は、レデューサを入れる前。) さてさて、果たして像質は改善するでしょうか? 2006/11/07
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今週いっぱい絶望的と見られていた天候も、今朝一瞬だけ太陽が顔をのぞかせました。 今がチャンスとばかりに、一気に168枚(RAW+BASICなので、都合336枚)、ピントを変えたり露出時間を変えたりあれこれ試写してみました。その1枚。 (本当は太陽全体が写っているのですが、その一部。素の画像だと何が写っているかわからないので、コントラスト調整はしてありますが。) んー、…。 一応、BF-10(ブロッキングフィルタ)が「口径絞り」になっていた症状は改善されて、表面の模様がだいぶ詳細に写ってきたのはうれしいのですが、今度はBF-10が「視野絞り」と化してしまい、太陽面の一部しか表面の模様が写りません。 帯に短し襷に長しとはこのことでしょうか? BF-15を買えば済む問題なのか、BF-15でもどうにもならないのか、(取り付けはできないのですが)BF-30クラスでないとダメなのか、エレメント配置にもう少しヒネリを加えると解決する問題なのか…。 2006/11/07
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SolarMax60の撮影システムのレンズ構成を元に戻して、ケラレがないかを再チェック。 結構ギリギリというか、BF-10の中心軸が合ってないのか微妙にソラマメ状にケラレてます。 極端なケラレはないので、もう少しシャープに写ってもいいんじゃないかと、今まで思っていたのですが、ギリギリなのが良くないんでしょうかね。 となれば、BF-15 151,200円かぁ…。 かと言って、BF-15で理想的に改善される保証はないけれども。 しかしモノクロ冷却CCD用RGB+IRフィルタフルセットでさえ5万円あれば買えるっていうのに、この値段はいったい…。 ま、下手にケチると変な所で苦労する(たとえば、安い赤道儀を選んだばかりにガイド撮影を失敗しまくるとか)があるので、金かけるところはかけておかないとダメなんですが…。 根本的にD70/D50というカメラ自体を見直せという意見はあるでしょうが、ワンショットで撮れて便利なので、ここは譲れません。仮にカメラを変えるとなると: コリメート法(COOLPIX990など)…ズームレンズの焦点距離をプリセットして指定できる機能を持ったデジカメは皆無。毎日の安定した観測には不向き。 冷却CCD(BJ41Lなど)…準備と現像に手間がかかるのでダメ。 ただし、16ビット階調は魅力。 手間暇だけの問題なので、あとで誰か貸してください。>北天の方。 Webカメラ(ToUCamなど)…準備と現像に手間がかかる点で冷却CCDと大差なし。意外と素データが莫大なのと、どのフレームをどう組み合わせたかのデータが残らないのでダメ。毎日撮影したらあっという間にハードディスクがパンクするのと、太陽全体を高精細にとらえられるだけの画素数がないのも問題。 ビデオカメラ(WATECのモノクロカメラ)…太陽全体を高精細にとらえられるだけの画素数がない点でダメ。パソコンがないと記録できない点はWebカメラと同じ。おまけにデジタルやハイビジョンはコピープロテクト問題があるので、技術的な面でもいろいろめんどくさい。 といった感じ。 2006/11/07
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開口効率100%となる大きさが太陽の視直径以上となるために要求されるブロッキングフィルタの口径を改めて計算してみました。考えてみれば、ニュートン式反射の要求斜鏡径の計算と同じようなものです。 バローレンズをカメラアダプタ前方に置いたときの合成焦点距離は約1100mm(撮像した太陽像の直径から推定)、有効径は60mm(公称)なのでF値は18.3。 このとき焦点面に投影される太陽像の直径は9.6mm。(太陽の視半径0.25度と設定。2×1100×tan0.25度) ブロッキングフィルタから焦点面までおよそ115mm。(実測。ただし±5mmぐらい) F18.3で太陽全体をケラレなしで焦点に投影するのに要求されるブロッキングフィルタ径は、(9.6mm+115mm÷18.3=)約15.9mm以上。「115mm÷18.3」は、ケラレないための必要マージン。 ということで、SolarMax 60 Telecopeで一眼レフによる直焦点撮影をするためには(計算に間違いがなければ)最低限BF-15が必要(BF-10では口径が全然足りてない)という結果に。 あぁ、やっぱし。(T-T) 2006/11/07
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買えばいいんでしょ、買えば。 2006/11/07
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問い合わせたところ、BF-15にはダイアゴナル仕様(天頂プリズム風)のものの他にストレート仕様というのがあって、ストレート仕様の外観は31.7mmのショートバロー風なそうです。価格はダイアゴナル仕様と同じ。 ブロッキングフィルタは2枚構成なのですが、ストレートタイプは「フィルタ間隔が狭いためコントラスト面で眼視には向かない(BF-30も同様)」だそうですが、純粋にフィルタだけ(ダイアゴナルミラーがない)なので光路長がぐっと短くて済みそう。 なお、現在のBF-15のダイアゴナル仕様には、ティルト調整機構はなく、外観はBF-10と瓜二つ、ティルト機構がないので一眼レフの取り付けも余裕だそうです。 「BF-30にするのがスジなのでしょうが(SolarMax60Tには付けられませんよね)」と振ったら、「接眼部を(クレイフォードに)取り替えることが必要です」と来ました。あぁ、この手があったのか…。 手抜かりがないというか、商売上手というか…。 ま、BF-30は買いませんが(買えませんが)、BF-15:ストレート仕様にするか、ダイアゴナル仕様にするか…。 迷う所です。 2006/11/07
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ストレート仕様を使った場合を再検討。 ・撮影用として狙った設計。(画像を見る限り、カメラアダプタネジが切ってあり、一眼レフ直結可能。バックフォーカスは50〜60mm前後まで短縮。) ・少なくとも焦点距離400mm・追加光学系なし・ケラレなしの直焦点撮影は可能になる。 ・「内部散乱光が多いので、原則として撮影用」がちょっと気になる所。撮影時のコントラストにどう影響するか未知数。 ・純粋に眼視で観察する場合は標準のBF-10を使えばいいので問題はない。 ・レイアウト上の自由度が増すので、バローレンズを使った拡大もできそう。(問題はあるが、ダイアゴナル仕様と同様レベルのもの) 眼視/撮影の切り替えは、BF-10ごと接眼レンズを抜いて、BF-15ごとカメラを取り付ける格好になりますかね。 …コレで行きますか? 2006/11/07
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ちょっとダブルスタックも視野に入れて検討していたのですが、Hαにマッチングする視界が太陽視直径を割り込むほど狭くなる(PSTのような感じになる)ため、見送り。BF-15のみ注文することにいたしました。 0.5Å仕様は、活動領域を局所的に狙うには向いている一方、太陽全体をとらえるのはチョット厳しいようです。 期待させて申し訳ないです。 太陽全体をとらえるための観測用としての位置づけにしてますので。 ま、エアスペースエタロンって反射率90%とかの鏡を1/2波長の隙間を空けて対向させて作る訳ですが、互いの鏡の反射率を上げるほど半値幅を狭くできるので、0.7Å仕様が作れるほどの技術があれば0.5Å仕様を作るのは特に難しい事ではないはずです。 ではなぜ0.5Å仕様の単一エタロンを一般向けに売ってないかと言うと、半値幅を狭くするほどコントラストが上がって模様などがみえやすくなる一方、エタロンは方向依存性がある(傾けると短波長側にシフトする)ので、むやみに半値幅を狭くすると有効視界が狭くなるという事みたいですね。そこで一般用はあえて0.7Å仕様で売っているようです。 2006/11/07
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(おそらく)本邦初公開。BF-15ストレートタイプ! …って、化粧箱付きかいっ!( ̄□ ̄;) 化粧箱付きのバローレンズって今まで見たことないんですけど…。 (本当はフィルタだけど、見た目似たようなもんです。) フィルタ本体ですが、見ての通り、Tリング用ネジが切ってあって、後ろの金色の部分を外してTリングを取り付け、そのままカメラに付けられます。 フィルタ後面から焦点面まで50mm程度になるので余裕でケラレません。 どれだけ解像度が上がるか楽しみなのですが、こういう時に限って当面晴れる見込みがないものです。 2006/11/07
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ちょっとだけ晴れたので、撮ってみました。 斜めのシマシマは雲です。(フィラメントではありません。)
いい具合に解像感が上がった感じです。 にしても、ゴーストがひどい…。 ま、鑑賞用じゃないんで、多少のゴーストは構わないんですが、プロミネンスにかぶるのはちょっと困りますね。 このゴーストはブロッキングフィルタの懐が浅いためにどうしても生じてしまうとのこと。 2006/11/07
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なぜBF-15でゴーストが発生するのか、(発生する事自体は困らないが、太陽像にかぶるのが困る)ちょっと考えました。 まず、フィルタのような平行ガラスは、光軸に対して平行に入れるとモロにゴーストが出ます。たとえば、シュミット系は、開口部に平行ガラス状のもの(補正板)がありますが、これが悪さをします。CCDの表面反射が望遠鏡内を逆行して、主鏡から平行光束として射出され、それが補正板に当たってまた戻ってくるので、よほど上質のコーティングをしない限り、原則としてゴーストを避けることができません。(その点、マクストフ系は曲面ばかりなので、ゴーストはあまり出ません。) ということで、特に表面反射の大きな干渉フィルタ類は平行でないと困る場合(特性が著しく変わるような場合)を除いて、あえて斜めにセットします。ちなみに、SolarMaxのERFは斜めになってます。 さて、ブロッキングフィルタは、2枚の干渉フィルタで構成されているのですが、ゴーストの発生を防ぐために、こちらも微妙に斜めにセットされています。 そこで疑問。 ――ゴーストが出るのがわかっていて、フィルタが斜めにセットされており、しかも観測する相手が太陽だとわかっているのに、ゴーストが太陽像にかぶるのはなぜか? 単純な設計ミス・調整ミスとはかんがえにくいし…と、考えた結果、どうやらブロッキングフィルタの手前でバローレンズで太陽像を拡大していたのが悪かったらしいです。 ブロッキングフィルタ側から見て、対物レンズの焦点距離が2倍、すなわち見かけの太陽視直径が2倍になった(想定されている像の大きさより大きく投影された)ため、太陽像からハズレて投影されるはずのゴーストがかぶった、という事のようです。 2006/11/07
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またもや実験。 まず、バローレンズを取り払っての400mmF6.7直焦点。 右側から、延長筒代わりのバローレンズの本体(レンズなし) → BF-15(31.7mmアダプタなし) → Tリング(Nikon用) → NikonD50。 像は小さいものの、合焦しました。 しか〜し! 見事に「明るすぎ」でした。露出時間を1/4000秒にしても露出オーバーします。 D50って1/8000秒が使えないんでした(T-T)。これ以上はNDフィルタで減光しないと使えません。手元に使えそうなNDフィルタがないので挫折。 ま、バローレンズでの拡大も無意味ではなかったということですね。 で、またバローレンズの登場。「バローレンズはブロッキングフィルタの前方に置けない」という制約から、こんなエレメント配置に。 右側から、延長筒代わりのバローレンズの本体(レンズなし) → BF-15(31.7mmアダプタあり。) → バローレンズとレデューサ付きカメラアダプタ。
予想通り、ゴーストのかぶりを回避できました。(^-^) 光学的にOKでも、これだけアダプタ類が付くと構造的に不安があるんで、もう少し考えてみます。 …しかし、ま、ホント、使いこなしが面倒なフィルタです。 2006/11/07
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・バローレンズを使わないと露出オーバーになる→現状必須。 ・BF15の前方にバローレンズを置くとゴーストがかぶる。同時に使う場合は必ずBF15の後方でなければならない。 ・ブロッキングフィルタ自体が口径絞りや視野絞りになってしまうため、フィルタから焦点面までの距離はなるべく短くしなければならない。 つまり、エレメント配置は必然的に 対物レンズ→ BF-15 → バローレンズ → Tアダプタ(Fマウント) → カメラ ※バローレンズの特性上、バローレンズ後面から焦点面まで60mmが理想。 でなければならないわけです。 これを物理的にどう接続していくか、ですけど、もう、なんだか連立方程式みたいになってきてます。(-.-) んで、えーっと、あれがあーなって、これをこうすればいいから… (数分後) で、こうなりました。延長筒の代わりに普通の天頂プリズムを取り付けてあります。 像の大きさもいい感じ(合成焦点距離683mm)です。 ※ゴーストがどこに行ったかを示すため、あえて太陽の位置をずらしてあります。 カメラを外すと、こんな感じ。 バローレンズセルをBF-15の内側にネジ込んで(もちろんレンズは逆向きにしてあります)、外側にTリングを取り付けました。あとで黒塗りしようかと思ってます。 このときのバローレンズのバックフォーカスはフランジバック程度(40mmぐらい)なので、ちょっと規定外に短い状態。本当は接写リングか何かで15mmぐらい伸ばせば完璧なんですが、ドローチューブの余裕もないのでこんなもんでしょ。 それに、処理プログラムで鏡像反転処理してる関係で、天頂プリズムで裏像になるのもポイントが高いです。 2006/11/08
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黒点どころか、活動領域すらないんで、見栄えはしませんけど、BF-10とBF-15、特に変わり映えしてないです。露出時間は短縮しているのでケラレ問題は解決したと見て良く、BF-15を買ったことも無意味ではないにしても、もう少しビシっと写るかと思ったんですけどねぇ…。 カメラを変えるしかないんでしょうか。 2006/11/07
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