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これからは机上での集計作業となります。 まず、プロットしておいた点の平均的な位置を求めて、直線で結び、円の中心を通るように平行移動します。 黒点が日周運動で動いていった方向が西(W)、その反対側が東(E)になります。 黒点の移動方向がわからないようなプロットをしてしまうと、どちらが西でどちらが東か、わからなくなってしまうので注意してください。時間がなくて集計作業が後回しになってしまう場合でも、最低限、東西がわかるようにしておきます。 2007/02/13
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東西を決めたら、南北を決めます。使用する投影板の種類によって投影される像が倒立(正立)の場合と、裏像の場合があるため、注意が必要です。 天頂プリズムで90度折り返すタイプの太陽投影板を使っている場合、倒立(または正立)像となりますので、西(W)を右手にした場合、上が北になります。(今回は、このタイプと仮定します。)
倒立(正立)の場合、何日か連続観測すると、北を上にして見ると、黒点が左から右に移動していくのがわかります。 当ページの画像は、デジタルカメラで直焦点撮影してあるため、正立像です。このため、日を追って黒点は左から右に移動していきます。(Hα画像は、原画は裏像ですが、画像処理の段階で反転処理をして、正立にしています。)
2006/09/18
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観測した日のP(ピー),B0(ビーゼロ),L0(エルゼロ)の値を調べ、観測用紙に記入します。 PとB0については1年で周期的に変化するので、B0とPの簡易対応表を見て記入しても構いません。 ※L0は、時々刻々変わる値なので調べるしかありません。 簡易対応表よりもう少し精度の高い値については、こちらに掲載してありますので、ご参考ください。 ――ところで、P,B0,L0って何? ということで、↓ 2006/09/18
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天球の南北線(子午線)に対して、太陽の自転軸がどれだけ傾いて見えるかを示す値です。 正立(または倒立)像の場合、時計と反対回りに+です。 Pは、1年を通して±26度変化します。 太陽の南北を決める前に、天球の南北(というか、東西)をあらかじめ調べておく必要があります。そのために任意の黒点を選んで日周運動による移動の様子をプロットしておくのです。 それを基準にして、Pの値で補正して、太陽自体の自転軸の向きを決めます。 太陽は、東から昇って、西に沈みます。南に向かって左方向が東、右方向が西、上が北、下が南です。(北半球の国の場合) Pは、天球の南北を基準に、時計と反対回りにプラス、時計回りにマイナスです。 2006/09/18
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太陽という球体の中心が見えるとしたら、太陽表面のどの緯度の場所に見えるかの値です。 簡単に言えば、うなづく方向にどれだけ傾いて見えるかを示す値で、北半球が多く見える(うつむいている)とき+、南半球が多く見える(上を向いている)とき−です。 B0は1年を通して±7.4度の範囲で変化します。 2007/03/04
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地球から見て、太陽の正面の経度が何度かを示す値です。 太陽の自転と地球の公転によって1日約13.2度ずつ(1時間で0.55度ずつ)減っていきます。 L0は日々、時々刻々変化しますので、これは天文年鑑などで調べるか計算するしかありません。(ここに最新の値を掲載しておきます。) 2006/09/18
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P 天球の東西は、地球の自転軸が基準になります。 ところで、地球の自転軸は、地球の公転面の垂線に対して23.4度傾いています。 一方、太陽自体の自転軸も、地球の公転面の垂線に対して7.4度傾いています。 互いに傾いている方向が違うので単純には合算できませんが、それぞれ加わって1年を通して±26度の範囲で変化します。 B0 こちらは純粋に太陽の自転軸が地球の公転面の垂線に対して7.4度傾いているためで、季節によって太陽の北半球が多く見えたり、南半球が多く見えたりします。 地球が1年かけて太陽の周囲を1公転するので1年を通して±7.4度変化します。 L0 これは基本的に太陽の自転による変化です。太陽の自転周期(25.4日で1回転)と、それを追いかけるように地球が公転(1年で1回転)するため、太陽のある面が見えてから、同じ面が見えるまでおよそ27.3日かかります。 2007/02/13
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仮に5月20日の観測だとします。 B0とPの簡易対応表を参照して、5月20日のPとB0を調べます。P=-20度、B0=-2度になります。 B0=-2度なので、8枚ある太陽面経緯度図の中からB0=2度/-2度と記載されたものを選びます。 なお、観測用紙に記載するP、B0は、天文年鑑やWebで計算するフォームなどで調べた場合、0.1度か、それ以上の精度で知ることはできますが、太陽面経緯度図自体の精度がそこまでありませんので、小数点以下を記載したところで意味がありません。 小数点以下がわかっていたとしても、観測用紙には四捨五入して整数で記入します。 2006/12/01
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観測用紙に太陽面経緯度図を重ねます。 さて、今回は、天頂プリズムを使って折り返すタイプです。 B0がマイナスなので、スケッチ用紙の北を上にし、B0が-2と正しく見えるように(北半球が狭くなる/南半球が多く見えるように)太陽面経緯度図を置きます。 次に、Pが-20度と、こちらもマイナスなので東西線(あるいは子午線)を基準に、経緯度図を時計回りに20度回します。(ビクセンの15cm用のPの指定目盛は、直接投影タイプを前提として目盛が振られているので、時計回りにプラスになっています。よって、符号を逆にして+20度に合わせるか、太陽面経緯度図自体を裏返して使います。) なお、ビクセンの15cm用を使う場合は、P設定用目盛が極側にあるので、東西線に直交する、子午線も描く必要があります。 2006/09/18
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太陽面経緯度図を重ねたまま全体を裏返し、観測用紙の裏から赤道を描きます。 その後、表から裏に描かれた赤道をなぞって表に転写します。 ついでに太陽の子午線も書いておきます。 2006/09/18
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太陽黒点は、一般に単極で現れるか、二極で現れるかのどちらかです。 二極で現れる場合は、東西方向に並ぶ場合が多いため、東西方向に数度離れて現れる黒点をセットにして1群と数えます。 複雑に入り組んだ黒点群が接近していたり、中途半端に離れた黒点は、1つの群にまとめるか複数の群に分けるべきかは悩むところです。実際には明確な基準がないため、群分けは国立天文台でもプログラムによる自動判定ではなく、人間が行っているそうです。 また、黒点群はいくつかのタイプに分類することができ、チューリッヒ分類と呼ばれます。A型〜J型(I型は1とまちがえるのでない)の9タイプに分類されており、そのどのタイプになるかも判定します。 2006/09/09
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黒点の緯度と経度を読み取ります。 天頂プリズムで折り返す場合、赤道に対して上が北(+)、下が南(-)、子午線に対して右が西(W)、左が東(E)です。 直接投影した場合は、子午線に対して右が東、左が西です。ここ、間違えないようにしてください。 左側の群は、-8度〜-11度 E18度〜E28度 右側の群は、-1度〜-3度、W32度〜W38度…という感じでしょうか。 2006/09/09
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L0は調べるしかありませんので、天文年鑑などで調べます。 ちなみに2005年5月20日のP,B0,L0は、それぞれ-19.51度、-2.08度、340.96度です。くどいようですが、小数点以下を扱えるほどの精度はないので、小数部を四捨五入して整数化します。 天文年鑑の表は9時(JST)での値で、観測時刻が10時頃なので、観測時のL0は0.5度ぐらい減っています。9時自転のL0(340.96)から0.5度引いて四捨五入し、L0を340度と記載します。 さきほど測定した経度は、中央子午線を基準にした相対値(経度差ΔL)です。 これにL0を考慮して補正し、実際の経度(L)に変換します。 経度は、正立または倒立像の場合北を上にして右が大きくなります。 実際の経度を割り当てると、こんな感じでしょうか。[340]が中央です。 260 270 280 290 300 310 320 330 [340] 350 0 10 20 30 40 50 ※もちろん、鏡像の場合は、北を上にして左が大きくなります。 左側の群は、E18度〜E28度、東側なのでL0(340)から経度差を引いて322〜312度、範囲が逆なので前後を入れ替えて312〜322度となります。 右側の群は、W32度〜W38度、こちらは西側なので、L0を経度差に加え、362〜368度、360度を超えているので、360度を引いて2〜8度となります。 2006/09/18
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黒点群を識別するための番号を振ります。 黒点の座標を前日以前の結果と比較し、連続して見えている場合は同じ番号を振ります。 黒点群番号は、一般には1月1日にリセットして、北に現れる群にN1,N2,N3…、南に現れる群にS1,S2…と振っていきます。 なお、公式な番号がある訳ではなく、観測者ごとに勝手に番号をつけていきます。 見逃したり、他の観測者ではほとんど観察されていない微小黒点を観測できたり、天候不順等でしばらくブランクがあったりといった要素があり、黒点番号は日を追うごとに観測者ごとにどんどんズレていきます。どれが正解ということはありません。 付番規則で注意するのは、回帰群(一度西縁から裏にまわって、また見えてくる群)とわかっていても、新たに番号を付ける点です。 群番号を特定したら、黒点の側に黒点数、群番号、型を書き添えておきます。 たとえば、5個、S15群、D型であれば、 5(S15)D のように書きます。(書き方にはいくつかの流派があります。) なお、他の観測者とのスリ合わせをする場合は、NOAA(National Oceanic and Atmospheric Adminstration)の活動領域番号を使うと便利です。 NOAA番号で注意しなければならないのは、あくまでも活動領域に対して付与される番号なので、活動領域を持たない微小黒点には番号が付与されません。また、黒点群を持たない活動領域には番号が振られるので、黒点群番号として利用する場合は部分的に欠落する場合があります。(このため、どうしても観測者独自の番号を付与する必要があります。) 現在、NOAA番号は1万を超えたので、下位4桁だけを書くのが普通です。 黒点の座標は、観測用紙の欄外に黒点番号とともに書き込みます。 2006/09/09
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黒点相対数を求めます。黒点相対数Rは、 R=k(10g+f) で求められ、gが黒点群の数、fが黒点そのものの数、kは観測者ごとの差を補正する係数で、通常は1にします。 観測用紙の相対数の欄に書き込みます。 以上で、集計作業は終了です。 このデータを元に、各種一覧表、相対数グラフ、蝶形図などを作成します。 2006/09/09
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…と、ここまでの作業を、晴れている限り、毎日続けます。 太陽観測を毎日やっている人は、とってもエライと思います。 私にはできません。(笑) 2006/09/09
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