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SolarMaxを買ったはいいものの、D70やD50で実際に撮影してみると、眼視のときとは比べものにならないほどボケてしか写りません。 眼視では活動領域にある磁気ループの詳細までわかるのに、写真に撮ると「もやっと」活動領域がわかる程度にしか写りません。 なぜなのでしょうか??
2006/11/12
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Nikonのデジカメでは、COOLPIX990以降、Hα線がロクに写らなくなったそうです。 D70が出た当時、天体写真を意識して赤外線カットする波長を660nmまで引っ張った(一般には650nmでバッサリ切ってしまう)との証言があったはずで、M42などは他のデジカメに比べて良く写る部類だったと記憶してます。 ただ、これはHα線に対する感度の話であって、Hα線に対する解像度の話ではありません。 それにしても、デジカメの進化の過程で急激にHαの写りが悪化しているのはどういう理由なのでしょう? 画素数だけはどんどん多くなっているのに、Hα線に限ると画質がどんどん劣化しています。 D50の結果だけ言えば、Hα線に対する解像度は、画素数換算すると、100万画素相当以下、下手をすればビデオカメラ映像(35万画素)以下の解像度しかありません。 レンズが充分高い解像度を持つ(回折限界は考えない)場合、画素数が多いほど高解像の画像が得られるのは間違いないわけで、COOLPIX990以降「画素数イコール画質」という単純な公式に当てはまらなくなっている理由は何なんでしょう? 一般に天体写真屋は、Hα線感度を気にするのですが、Hα線に対する解像度を気にした例はほとんど聞きませんからね。そこに写らなくなった鍵があるのかもしれません。 2006/11/12
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ところで、最近のコンパクトデジカメは、顔認識機能というのも静かなブームのようで、写真の中にある顔を判断し、顔が良く見えるように画像を最適化するそうです。実際、脳は人の顔に対して最も強く反応するように作られている(または、相手の表情を読み取る関係で、そう訓練されてきている)ので、写真に顔があると、それに強く反応します。わかりやすく言えば、イメージ通りに表現されていないと素人でも違和感を強く感じる部分と言えます。 そういえば、露出計は人の顔を写すことを前提に露出決定をしていました。被写体の濃淡が激しくて適正露出が決めにくいとき、18%標準反射板というのを使って適正露出を決めますが、18%標準反射板がないとき、手のひらでも代用できます。それは手のひら、つまり人肌の反射率が18%だからであり、標準反射版の反射率が18%という根拠自体、人肌に由来するからです。 「人肌を美しく表現する」というのが、写真という芸術における極限的なテーマなのでしょう。 …であるとすれば、嫌な予感が。 今売ってるかどうか知りませんが、ケンコーのフィルタにポートメイトというのがあります。 このフィルタは、赤色に対して強く分散するような特性を持っていて、小じわ、毛穴の黒ずみ、うぶ毛による影をぼかす作用があります。トーンも柔らかくなるので、ソフトフォーカスレンズを使ったような効果もあります。 ポートメイトを半分かぶせて障子の桟を撮ってみましたが、こんな感じ。 最近のデジカメは画素数が多くなり、ポートレート撮影すれば否が応でも小じわや毛穴の黒ずみがバッチリ写ります。 このフィルタを使うと、エッジ部分に赤のにじみが生じるので、小じわや毛穴の黒ずみを自然に隠してくれます。 カラーCCDの前に入ってるローパスフィルタ。 まさかとは思うのですが、このフィルタに似たような特性のものに切り替わっている可能性は否定できませんね。 2006/11/12
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普通、手間をかけないためにもスタッキングはしないのですが、やってみました。
レジスタックスで18枚コンポジット、PhotoshopElementsでカラー削除、コントラスト調整、着色 んー…まずまずかなぁ。 2006/11/12
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改めてもう一回再処理。
この辺がD70の限界かもしれませんね。 活動領域が西端にあるだけで、フィラメントもなんにもない太陽なので見栄えはしませんが、常にある表面の細かい模様はどうにかとらえられている感じでしょうか。 2006/11/11
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Hαで詳細な像を得るには、 (1)FujifilmのFinePix S3 Pro UVIR の国内販売を待つ (2)(今持っている)D50かD70のフィルタを外す改造をする (3)キヤノン EOS 20Daをどうにかして入手する …といったところしかないようです。FinePix S3 Pro UVIR はちょっと期待しますね。国内販売価格は20万円ちょいぐらいですよね? どちらかと言えばD50/D70は白色用&その予備というポジションなので(2)案は安上がりな案であるものの、ちょっと避けたいですね。(フィルタを外してハッキリ写る保証もないし。) あと、「E5700のモノクロモード+連写+レジスタックス」という作戦も残ってました。無駄な抵抗のような気がしなくもないですが、今度やってみたいと思います。(モノクロモードを使う所がミソ。被写体が真っ赤だと、JPEG圧縮時に一気に劣化するので。) D80やD200での写りがどうかとか、今度カメラ屋さんにSolarMaxを持ち込んで片っ端からテスト撮影するというのもありますね。 2006/11/11
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ローパスフィルタの特性が原因であればローパスフィルタを外してしまえばそれで済むのですが、「ローパスフィルタの特性が原因だ」と特定できている訳ではありません。 その証拠がないので「ローパスフィルタ外し」を躊躇してます。 通常の写真であれば、D70などは他社の同一クラスデジカメに比べてもローパスフィルタはあまり効いていなくて、細かい模様に対してはむしろモアレが出る傾向すらあります。Hα線の画像は、それ以上に像がボケているため、ローパスフィルタが原因とは言い切れない気がします。 その確認のため、画質評価用に庭を撮りました。 レンズはAi Nikkor 28mmを使い、F値を5.6に設定。被写界深度を深めにとって目測でピント合わせをしています。 加えて、1504×1000ピクセルのSmallモード(150万画素)なので、目測でまず間違いなくピントが出ます。
このレンズ、設計が古いので、F5.6と言えども周辺部のシャープさはイマイチなので、中央部分だけで画質評価を行います。 ●カラー画像からモノクロ画像を起こした場合
さきほどの画像(カラー画像)を、Photoshopのレベル補正で青と緑のチャンネルをカットして赤チャンネルのみを抽出した後、カラー削除を行ってモノクロ画像に変換。中央部(さきほどの画像の白枠部分)のみをトリミングした画像です。簡単に言ってしまえば、モノクロフィルムでのR60フィルタによる効果を擬似的に再現した画像です。 こちらは葉脈がシャキっと見えるほど申し分なくシャープに撮れていますね。(そもそも150万画素ですし。) ●R64フィルタで物理的にカットした場合 一方、こちらはR64フィルタを付けて、物理的に青〜緑カットを行った画像。R64フィルタなので、素の画像は真っ赤。カラー削除を行ってモノクロ画像に変換して、中央部分をトリミングしたものです。 こちらは、見ての通りボケボケ。往年の130万画素クラスのデジタルカメラにも劣るんじゃないかというほどです。(600万画素フルサイズだったら、目も当てられないのは、想像がつくでしょう。) なお、この28mmのレンズにはRマークがあって、赤外線撮影時のピント位置が違いますので、球面収差が影響してるんじゃないのかという噂もありますが、これはあくまでも可視光の範囲内の画像です。赤外線カットフィルタは外していませんから、赤外線写真ではありません。 ●まとめ この実験により、カラー画像の赤チャンネルのみを抜粋した画像と、物理的に赤い光だけを透過させて撮影した画像ではシャープさで結果が全く違ってしまうことがわかります。 これはローパスフィルタの作用ではなく、カメラ内部での画像生成処理の問題でしょう。 NikonD80では「事前処理」に磨きがかかったとのこと。 今度、28mmとR64フィルタを持って、カメラ屋さんに行ってみようかと思います。 2006/11/12
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ローパスフィルタが直接の原因でないとすれば、あとはカメラ内の内部処理の問題となります。 たとえば、JPEGの圧縮アルゴリズムをちょっと見ると、色についてはRGB(赤、緑、青)をLab(輝度、赤-緑、青-黄)に変換して、aとbを縦横1/2に圧縮するみたいです。たぶん、RAWとは言え、その辺の影響はあるでしょう。(NikonのRAWは、圧縮されているので、ダークフレームをうまく引けないらしいし。) ということはですよ、輝度情報を得やすい白とか緑色が含まれる普通の画像はシャープに写って、純粋な色情報しかない(Hα線だけの)像では写りにくいということになります。 青〜緑色の迷光を強制的にかぶせて同時露光して、後処理でカットアウトすればいいのでは? という推定が成り立ちます。 そういえば、AEで撮ったら明らかに露出オーバーなのに、緑チャンネルだけ抜き出して(つまり、緑チャンネルで適正露出で撮影して)処理するときれいに写ってたなんていう噂もあったりします。 露出オーバー画像から緑チャンネルを抜く方法、試してみる価値はありそうです。 ※緑フィルタと言えども完璧に赤い光をカットできる訳ではないので、長時間露出すれば赤い光も写ります。もちろん、赤のチャンネルは過剰露出になり、使い物になりません。 ABG(アンチブルーミングゲート)の付いたCCDでないとできない技ですが、民生デジカメCCDならABGは付いているでしょ。 2006/11/12
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ヒストグラムだけを見てカメラ側で適正露出となったと思えるレベルまで露出を稼いで撮影。 原画はこんな感じ。 これをRegiStaxで24枚コンポジット処理後、レベル補正で赤のチャンネルをカット、青と緑だけ補正を行って色を削除。無理矢理持ち上げてみましたが…。
んー、やっぱりシャープには撮れません。 2006/11/11
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買ってませんよっ。 で、D80。物理的に画素数が多い(D50/D70比1.3倍)ので、どうせボケるにしても1.3倍シャープに写るハズ。 ということで、店にレンズとSDカードを持ち込んで(図々しくも)テスト撮影を実施。(もちろん、許可はもらってですが。) 使用するレンズはAi ニッコール28mm。 いずれも最大サイズで撮影して、縮小せずに361×240にトリミング。 ピント位置∞、F5.6。
ちなみに、カメラ屋店内。これは商品のアルバムの平積み。 レンズ側のピント位置が∞なので、ちょっとピンぼけです。 手ぶれも少し入ってるかも。
R64を通すと、やはりボケボケ。 ピンぼけ分を差し引いたとしてもちょっと厳しいです。 ちなみにこちらは比較用のD50の画像。 三脚固定で事実上の∞を撮影。対象が∞相当なのでカリっとシャープです。
一方、R64を通すと、やはりボケボケ。 Hα帯域でのこの急激な画質劣化、どうにかなりませんかねぇ。 2006/11/11
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LPFなし版です。防護用に赤外線カットフィルタが前面にセットされています。 ※オリンパス用のマウントアダプタが付いています。 どんな風に写るのか楽しみですが、その前に使い方から勉強しないと(汗) これで、LPFの問題なのか、カメラの内部画像処理の問題なのか、そもそもNikonを選んでいるのが間違いなのか、ハッキリします。 2006/11/11
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シーイングが悪い上に、特徴的な模様もない平凡きわまりない太陽面なのはご勘弁ください。 カラー削除後に疑似カラー処理を行い、縦横1/2に縮小したあとトリミングを行っています。とりあえず左側に淡いフィラメント、右端に小さなプロミネンスがわかるでしょうか。 ピンぼけじゃないのか、という話はあるかもしれませんが、それでも0.1mmピッチのピント・ブラケティングを行って、それなりにピントが出た(と思われる)画像を選択しています。 まだ画質指定の方法がわからないので画質レベルがどうなっているのかよくわかりません。3072×2048で800KB平均というレベルの画質です。 この画像だけから結論を言うのは早すぎる気はしますが、「(やっぱり)期待したほどハッキリ写らない」(ま、今までの経験から言えば、ほんの少しだけ良く写っている方かな〜)といった感じです。
参考までにNikonD50のRAW画像から同様の処理をしてみたものです。(RAW+BASICで撮ってあるのですが、BASIC画質ではブロックノイズだらけで話になりません。) RAW現像した分だけ模様が少しハッキリしていますが、1枚画像ではこの程度まで仕上げるのが限界です。 やはり、LPF(空間周波数ローパスフィルタ)の問題ではなく、被写体そのものが真っ赤な円盤でしかないので画像処理エンジンが混乱を起こしてしまうというのが真相のようです。(1/2縮小してもまだボケて見えるのは、もはやLPFの問題ではないと言えるでしょう。) …ところで、NikonD80。白黒モードというのが搭載されていたのを忘れてました。また機会があったらR64フィルタをひっさげてカメラ店でテストをしてみたいと思います。 2006/11/11
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ってことで、NikonD80に搭載された白黒モードを使ったときHα輝線がどこまでシャープな描写ができるかのテストです。 ま、SolarMaxを持ち込む訳にもいかないのでR64(640nmでカットする赤色フィルタ)とDR655(655nmで赤外線をカットするフィルタ)を重ねて、640nm〜655nmというバンドしか通さない、疑似輝線透過フィルタを使ってのテスト。(カメラにとっては、650nmも656nmも大差ないですから。) それにしても、こんなナローバンドフィルタを通常の写真レンズに取り付けてAFもAEも可能っていうのはびっくり。最近のカメラは着実に進化してますね。(E5700はR64を付けるとピントが出ずにAFが泳いでしまってテストになりません。) で、Large(3872×2592)/Fine-JPEG/白黒モード/AF/AE で店の外をパチリ。
DR655は干渉フィルタのため、斜めの光に対して青方シフトを起こしてしまうので、R64と組み合わせると外に向かって透過率が落ちます。フィルタ枠のケラレもあいまって元画像は往年の超広角レンズみたいな感じ。 んで、この画像の中央部の原寸大拡大は、こんな感じです。場所は自転車の人の背中あたりです。
…おっ! いくぶんのボケはあるものの、予想していたよりは1段ぐらいシャープだし、ノイズ感も少なくてなめらかです。Hα撮影は意外にいけるかも。 元画像が1000万画素で、18-55mmF3.5-5.6というレンズ、そしてフィルタ2枚重ねということを勘案すれば、意外にいい感じだと思います。 んー、D80かぁ。 2006/11/12
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ってことで、買っちゃいました。 さっそく風景などの試し撮りもせず、いきなり太陽を撮影。 もちろん、シャッターディレイモードにしてミラー振動を抑えつつ、仕上がり設定を白黒に指定して解像度を稼ぎます。 で、何枚かをピントブラケティングで撮影して、シャープに写っている画像を選んで現像。 プロミネンスと本体の模様を際だたせるためにN字トーンカーブをかけて… ………。 ……。 …うっぁ〜( ̄○ ̄) すげ〜〜〜 イッパツですよ、イッパツ。(←コンポジットなし、シングル撮像のみの意)
CaptureNXでN字トーンカーブ調整・コントラスト調整 PhotoshopElementsで縮小、上下反転、トリミング シャッターディレイモード+リモコン 仕上がり設定を白黒に設定 縦横1/3に縮小。 諸事情でJPEGFineで撮りましたが… (CaptureNXって、アップデートしないとD80のRAWを扱えないんですね。) やっとHαも納得のいくレベルにまでなりました。 ここまで写れば、文句はありません。(T−T) (感涙) 今日の太陽は最近にしては珍しくプロミネンスあり、活動領域あり、フィラメントあり。比較用にD50でも撮影しました。 が。
CaptureNXでRAWをN字トーンカーブ調整、白黒化・コントラスト調整 PhotoshopElementsで縮小、上下反転、トリミング 相変わらずねむい画像です。 今借りているEOSKissDigital(Hα高感度化改造版)でも、何度かやってみたのですが、精細度としては似たり寄ったりです。 2007/08/20
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2007/08/20
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