-プロローグ-
あの日起きたことは、もうなくなった。
夢と現実。
融合。
ローズ病 ルーズ病
ウイルス。
感染者…
夢の橋…。
そして…薔薇の喪失。
ジジジ...
それは、テレビの音。
君は、今テレビを見ている。
ガサガサ...
何かを探っている。
「夢…」
すべての始まり ローズ病
-夢と現実を繋ぐ者。-
「潤野 績。ローズ病感染者。」「今殺さないと、やがて被害が増える一方だ!!!」「ツムギを殺したのは…」「昂治!!!」「由愛!千早!」
ノコルハオマエダケダ-ルパ
真実を語る者。
「僕は、僕のままでありたい。殺してくれ…籠晴」
そして、すべてが合わさったこの世界…。
「魔法なんて、存在しない、存在できるのは、己の幻想のみだ!」
「じゃあ、否定してみろよ…お前こそ、存在しない存在として一生を消滅させるだけだ」
「ローズ病、ルーズ病なんて、存在しない…。そして、僕自身がここにいたのは、二つのウイルスを体に取り込んでいたためではない!!!」
「お前の親は、ローズ病で死に、ルーズ病で、姉妹は苦しんだ」
「嘘だっ!嘘だ、嘘だぁぁぁ!!!」
First day -否定-
それは、現実を取り戻すための旅。
千早の時戻しなど存在しない。
薔薇の喪失もない。
この世に魔法は起こらない。
現実は現実。
夢から具現化した魔法なんて、存在しない。
「僕は、潤野 績。これを他人には否定できない」
「自分自身で存在を否定している」
「違うっ!」
績の目の前にいるのは、紬。
潤野 紬。
績とまた別の人格を持つ、もう一つの存在。
「お前に、一週間の永遠の日々(エンドレスウィーク)。を実感させていたのは、俺だ。もう一つの人格、潤野 績は、存在しない」
そう、彼が告げ、僕がこの永遠の一週間を過ごして、もう数えきれなくなった。
年もとらない、自殺しても、再び一日目からやり直される。
抜けだそうとしても、時は止まらない。
止まるはずもない。
魔法なんて‘存在しない‘のだから。
一体、僕はどうすれば、この永遠の一週間を抜け出せるのだろうか…。
「よぉ、績」
と、いつも通り、昂治が話しかけてくる。
この瞬間、実際にいたのは、僕ではない。
「やあ、日下部。」
紬…。
そして、時は2日間流れ、時は未来。
「潤野…績…お前を…殺す!」
と、目の前に現れたのは、雪嘉。
両手に、二丁拳銃を構えている。
「…僕は、死にはしない。永遠と生き続ける」
「だまれ!!!」
そうして、雪嘉は、飛び上がり、両手に持つ、拳銃を交互に打ってくる。
それを、僕は、軽々しくかわす。
「くそぉぉぉ!!!!」
と、雪嘉は、地面に辿り着き、円陣を取って、グルグルと高速で回る。
とても、眼でおえる速さではない。
たとえるのなら、光。
光の反射を、目の前で見ているようなものだ。
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