第一話 絶望
もう、どれくらい時が過ぎただろう。
この街にきて…。
どれぐらい…。
周りは、瓦礫の山であった。
(−−− ロンドンシティ −−−)
「バスツアー?」
「そ、隣町のクロスシティからの招待状ともいえるわ」
ここ、ロンドンシティは、法律にとらわれず、何にも囚われることのない自由の街。
今日は、隣町である、クロスシティでは、近日に接客のため、こう言ったツアーを企画している。
また、強制ということもないのだが、それを面白がる者もあらわれ、行かなきゃ損、恥として見られることもある。
「悪夢ツアーとかそう言う関連だろうな」
「そうね…恐怖の館ツアーとかかしら?」
「違いない」
二人は笑う…。
何も知らない二人は…。
(−−− 宮園里 −−−)
「生け贄?」
「そそ君たちにはその代役を務めてもらう」
「勝手な…」
「今の主従関係じゃあ僕に指一つ触れられないよ…負け犬」
「う…」
二人は、牢獄に捕えられ、文字通りの人形のような扱いをされていた。
一人はつるされ、一人は、男と話をしている。
その後…。
二人は、ギロチンによって、身体を分断され、死亡した。
男は、一人笑う…。
赤き部屋となったそこは…もう、人間のいる場所ではなかった…。
(−−− ロンドンシティ −−−)
「ふぁ〜…ったく…」
俺は、青村(あおむら) 道(ワタル)
ここ、ロンドンシティに住んでいる。
…というのは嘘で、今日は友達に誘われ、ここに来た。
俺が住んでいるのは、遠くにある。
今日は泊る予定だ。
「おお、きたかワタル」
「久し振りだなタツ」
こいつの名前は、大笠(おおかさ) 竜(タツ)
俺の友達…。
なのか?
まあ…友達だ。
「さて、今日の件なのだが…これ」
と、見せてきたのは、ツアーチケットとカギ。
妙な形であった。
「絶望ツアーへようこそ…夢と思いたくなるほどの恐怖を実感できます…by主催者」
「その主催者からのチケットで、俺ら二人宛てらしい」
「ふ〜ん」
一応納得しておこう。
(−−− バス101号 −−−)
そして、翌日。
俺らは、例のチケットを使うために、ある場所へ向かっていた。
何でも、そこでこのカギを使うらしい…。
そして、それから30分あたりバスが走り続けた後、ようやくたどり着いた。
「う…」
「どした?酔ったか?」
「まっまぁ…なぁ…う…」
目眩と吐き気が…。
極度の酔いやすい体質なことを、今後悔する…。
「それじゃ、行くぜ」
そびえたつのは、慰霊碑のような少し大きめに作られた三角の建造物。
色は蒼。
周りは、墓で囲まれている。
所々には、人がまだ数人いた。
ここいらは、墓と言っても、十字架を刺しただけである。
「しっかし、不気味だな」
「だな、どういう脳してんだか」
「…」
「んあ?どした?」
「いや、誰かに見られてる気がしてな…」
「そう言えば…なんてな」
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