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こめこい!

空は、暗雲と雷撃が入り混じり、街には漆黒の闇が取り囲んであった。
そんな中、時版が崩れ、次元の狭間がぽっかりと空いてしまった。

「…ここ…は?」

第一章 選ばれし者の戦い

「今宵、すべての入り混じりし世界を作り、宴を始めよう」

一人の人物は、そう語る。
まるで豪邸のような大きな屋敷のホールに、階段が12段、上がり、その左右に7段ずつ階段があり、その先に、扉がある。
ホール1Fは、扉が4つあり、そのどれもが茶色扉である。
そして、防音に加え、扉は重圧1tあたりまで耐えられる強度である。
しかし、実際には、1tも耐えられる扉などは存在しない。
この扉は夢の力が備わっているのだ。
夢の力とは、人一人が持つ幻想と叶えるべき夢、または自分の思想が入り混じり、現実化させる事である。
また、夢幻とも言われ、その力を使える者は、限られた者らしい。
つまり、超能力者は、自らそれを使っていると断定してもいいだろう。
相手に思想、幻想をインプットすることによって、夢が発動されるのだ。

「まずは、街づくりからだな…」

草原から始まり、時代が動く。
そして、街は作られてゆく…。

「強きものよ、さあ、惑え…」

(−−− 中央ターミナルビル頂上 −−−)

「架空のビル…ねぇ」

ヘリコプターから飛び降りたその人物は黒き羽衣を身につけていた。

「まあいいわ、面白い誰でもいいから相手になってもらおうかしら」

そして、そこらじゅうに、餓えた黒き塊がわめいていた

「グラァア・・・」

その姿、まさに獣。
いや、顔が狼と言っていいが、それ以外は巨体を持つ人間の体である。

「いけない子たち、君たちが相手をしてくれるのね、楽しみ」

「グラァァアア!!!」

そして、それらはその人物へ襲いかかる…。

(−−− 白き空間 −−−)

{オートセッティング、完了 潤野 績エントリー}

「ほわっ!」

バダンッ!と大きな音を立て、績は落ちる。

「っつつ…なんだ?ここは」

どこを見ても、永遠と白が続く世界。

{神に選ばれし者よ、さあすすめ、この世界の覇者となれ}

と、そう脳裏に聞こえた直後、体がふわっと浮き、そして、そこにあったか黒き穴に落とされてしまうのであった。


「…さん、績さん!」

…。ここは…?
いや、というよりも、僕は…誰だ…?
それに、今僕を見て、そう言っているのも…。

「績さん、しっかりしてください!績さん!!!」

…僕は、死んだのかな…声を…出そうとしても、苦しい…。
激痛が…僕を苦しめる…。
痛い…、痛いなぁ…。

---7月26日…、僕は絶命していた。---

第二話 コメコイの使徒たち

「フハハ!!!舞台は整った!後は…」

パンパンッと手を叩く。
そして、サッと現れたのは…

「お呼びですか?ルルティア様」

「ああ、面白いことを始めたんだ」

「死前の記憶を奪い、績をこの世界へと旅立たせた。そして、この世界は、殺し合い、領地を奪い合うこと以外、なんの取り柄がない。いや、たとえそれが成り立ったとしても、いずれこの世界の本能に従わせるようにした。」

「ほほ、で、私めは、何を…?」

「お前には、この世界で、先陣に出てほしい」

「それは、急ですね」

「いや、以前より考えていた」

「まったく…あなたは…」

と、呆れていたその人物に、ルルティアは微笑む

「期待しているよ」

「わかりました」

フッと消えた。

(−−− 白き空間第二地区、第三地区、第四地区... −−−)

{オートセッティング、完了参加者、 24名  以下省略}

各地で、大量の参加者が登場した。

「集いし者よ、さあ挑め!」

第三話 争い

「こちら、第一部隊。HQへ」

「こちら、HQ、どうした?」

「やつら、こちらへ来ます」

「了解、迎撃して相手の出方を見ろ」

ツー。
そこは、街から離れた森とも言える場所。
そこで、彼らは争っていた。

「行くぞ!」

ダッダッダッ...
土を蹴る音、草に当たる音、それ以外のすべての音が入り混じった世界で、彼らは出会う。

「俺は、R.G.G.(連合軍)二番隊副隊尉 日下部 昂治!その命、もらいうける」

「フム、馬鹿隊尉とは、貴方のことか」

「くっ無礼な!」

「我が神火(しんか)に焼かれよ」

そう言った瞬間、周囲に火の手が上がる。

「常勝不敗(アニケトス)の俺様をなめんな!」

その火の手を風圧で吹き飛ばす。
いや、気迫だ。気迫が彼をまとっているのだ!

「こりゃ面白いことになりそうだぜぇ」

「兄貴〜ただ見てるだけなんて、つまんないっすよぉ〜」

「これだから新米(ルーキー)は!」

そこにいたのは、天魔。
羽をなくしたもはや人間に近い悪魔。
感情を制御するために天使を加えられた融合実験体の一部だ。

「まぁいい、いくぞ」

「あっ待ってくださいよぉ〜兄貴〜」

スゥと姿を消し、木々がほとんど揺れず、辺りは風に揺れる草の音。
その音によって、彼らの移動する時の音はかき消される程に小さかった。

「なかなかやるじゃないか常勝不敗」

「お前もな!」

互いに一歩も引かぬ戦いを繰り広げていた。

一方そのころ、街では----

バンッバンッバンッゴゴゴオオオオォ!!!!
大きな爆発音と銃声が鳴り響いていた。

「なんてやつだ・・・俺の銃弾をすべて…くそっ!こうなったら…これを使うしかないな…」

持っていた銃を放り投げ、腰にかけた銃を取り出す。
それは、両腰につけられ、ホルダーを外し、両手に握りしめる。

「双銃使いか…面白い、俺の無限の手(ヘカトンケイル)に勝つというのなら、俺も本気で行くぜ!!!失望させんなよ!」

「そっちこそ!」

バンッバンッ!!

銃声が鳴る。
両手に握った双銃の引き金を引き、銃弾を放った。
右手のヘオスポロスと左手のヘスペロス、その二つを1秒に5発撃つ。
その速さはもはや人間のなす業ではない。
人間の限界を超えている二人は、高みを目指すうちに、身体に以上が出て、究極の体をもつようになってしまったのだ。
走る速さも、人間よりもチーターに近いかもしれない。
または、それ以上と言ったところだろう。

「ヘカトンケイル、百花氷乱舞!」

無限の手、ヘカトンケイルの力を持つ宮鳳 籠晴は、双銃使い、天宮 雪嘉と同じく究極の体を持つ。
身体能力、特に接近戦については匠である。
そして、ヘカトンケイルのもう一つの能力…それは、20m先の標的(ターゲット)にでも攻撃が可能。
そして、拳圧だけで、標的に打撃なるダメージを与えられるが、直接攻撃よりも落ちる。
百花氷乱舞は、籠晴自身が編み出した攻撃方法。
無限の手を使って、あらゆる方向からまるで舞うかのように攻撃を仕掛ける。
その攻撃から逃れられた者は限られている。

「暁に輝き、宵に散れ…明星の名の下に!」

と、雪嘉が唱えた直後、双銃が輝き始め、赤き月を映し出す。

「おもしれぇええ!!!来いよぉおお!!!」

「うおおおおぉぉぉぉおおおお!!!」

第4話 四大天使 降臨

「あんたが…?」

「そう、ようこそ我が城へ」

玉座に座る王、ルルティアは、目の前いるその人物へそう言う。

「何を偉そうに…、あんなビルからよくもまあまあ…」

「まったく、全自動(オート)なんだ硬いことを言うなよ、ルルティ」

ルルティアの義姉ハンカ・ルルティエ。
ものすごく口が悪い。

「私には、御姉さまと呼べって言ってるでしょうがっ!?」

「…、まあいいや…それよりも、ルルティ」

「何よ」

「少し頼みたいことがある」

「黒ダマのこと?」

「その件はこちらで解決する、それよりも…」

(−−− ダウンタウン −−−)

「んもぅ!四大天使がプレイヤー入りなんて、どうかしてるっつうの!!!」

城から出て、街へ来たルルティエは一人、ダウンタウンを進んでいた。


「んなっ!なんだよ…こりゃあ」

「ここは、一時休戦ってことだろうよ…」

そこにいたのは、大きな翼を持ち、黄色の輪っかを頭の上に浮かせ、まるで白いカーテンをはおったような、そんな服装で…。

「くっ、遅かったか!」

「あんた誰だ!」

と、そこへようやくそこへ駆けつけたルルティエが到着する。
ルルティエは、黒く長いコートに、ピンクのお花の髪飾りを左右の頭につけ、ロングスカートをはいている。

「私はルルティエというもので、アレを探していた」

と言い、ルルティエはビル屋上を飛ぶまさに天使に指をさす。


「…、それじゃここは共同戦線ってことでいいっすよね」

そう雪嘉が言うと有無を言わず頭を傾けた。

「俺もやるぜぇ面白そうなことだかんなぁ」

「遅れんな、二人とも」

「「おう!!!」」

シュッ!と一瞬音を立て、3人はバラバラに三方向へ散る。
そして、囲むようにビルに止まる。

(−−− 新原タワー屋上 −−−)

「フム、これは興味深い…魔力数値があちらこちらで…」

目をつむった天使は、そう言う。

「なるほど、第六天魔王、天子魔の子狐が迷い込んでおるようだ」

「そして、その一人がお前ということじゃな?ルルティエ」

「よくご存じで、ミカエル・シルフィード様」

「よくもまあ、そんなチンケなやつらで…クハハハ!いいだろう、見せてみよ、お前の力!」

三人は、己の力を使い、ビルを駆け上がった。
そして、ようやくついた矢先、天使やら天魔やらと…。

「おもっしれぇええ!いくぜぇえ、天使様様よぉおお!!!」

「様は一つで結構!」

無限の手を使い、最初から全力で挑む籠晴。
それをすべて素手で受けるミカエル。
あまりの速さに、ビルの地面にひびが入ってゆく。

「…雪嘉…だったな、私とともにこい」

「作戦か何かっすか?」

「無論、ミカエル・シルフィードを討ち取るなんて、そうやすやすとできたものじゃない…お前の実力でも、あんなふうにもてあそばれるだけだ」

「っ…!なるほど…そう言うことですか」

「あら、勘がいいのね」

たがいに笑みを浮かべ、走る。
移動に気がついたミカエルは、籠晴の攻撃を受け流し、二人を追う。

「まずい!ふせて!」

「…うわぁああ!!!」

突如として、雪嘉の体が宙へ舞う。
それは、天へ放たれ…そして雷がそれを襲う

「うあああああぁぁああああああ!!!」

「雪嘉ぉぉおおお!」

籠晴もそれを見ていたが、追いつけなかったのだ。
そして、雷に撃たれた雪嘉は、ビルを真っ逆さまに落ちてゆく…。

「くそっ!うおおおぉぉおおお!!!」

籠晴は、本能に従いビルの屋上から飛び降りて、すごい速さでビルを走る。
ビルの窓ガラスは割れていく。
だが、それでも走る。
たとえ身体に破片が刺さろうと、関係なかった。

「雪嘉ぉぉおお!」

(−−− 天界 −−−)

「大いなる翼…漆黒の太陽…か」

「まさか、再発するなんてな」

「神が作り、使徒によって消滅させられたとされる殺人ウイルス…ローズウイルス、ルーズウイルス…」

「潤野 績という青年は、まさに究極なる力を備えているであろうな」

「ゲーム盤の中では、制限されたこの力」

「我ら四大天使が遣わされたのは、そもそもウイルスをばら撒くということだったわね〜」

「ウイルスに感染した者は、いずれ死ぬ。例にすれば、潤野 績と言ったところか」

「で、再発をも凌いだのが宮鳳 籠晴…いやこ奴は人間ではない、当たり前というところか」

「人間に限りなく近い、人間によって開発された兵器…本名を明かせば 名は、 鳳凰の籠 と言ったトコか」

「ラファエル、口には気をつけろ…神が聞いたら、なんと申そうか」

「気にスンナ、ウリエルどうにかなる」

「うるさいぞ、静かにしろ」

「絶対の裁判官 ガブリエル様のご登場たぁどういう風の吹きまわしだぁい?」

「ミカエルが緊急救援信号を出している信じられんが…いくぞ」

「「へいへ〜い」」

(−−− ダウンタウン −−−)

 
組み合わせ、技がすべて前作までの内容とは異なりますが、コメコイシリーズのすべてのキャラクターが登場いたします。

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