それは…ごく普通な少年の物語である…。
第一話 義理の姉妹
潤(ゆたか) 学舂(まなつ)。
今年で高校2年となる16歳。
成績は中よりも下で運動もダメ何をやらせてもダメダメなことからクラスでは、ダメ男などと言われている。
そんな彼には、唯一楽しめることがあった。
それは、音楽だ。
当時、彼は読書が趣味であまり音楽には関心がなかった。
がある日、常連の書店でそれを見つけた。
題名は
‘牡丹‘
まるで音楽に興味がなかったはずの学舂は、それだけには目をひかれ、読むうちに瞳から一滴の涙を流した。
その内容は、儚い一人の病弱な少女とその兄の物語を歌にしたもので、悲しい。
そして、その二人の物語を歌にしたもの…。
ヘッドホンから聞こえるそれは、確実に学舂の心を揺さぶった。
一滴…一滴と頬を伝い流れてゆく涙。
それを聞いていると自然と体は動き、書店にあったCDを取って、家に持ち帰った。無論お金は払っている。
(−−− 自宅 −−−)
「ただいまー…と言っても、誰もいないよね…」
と、普通に帰って来た僕。
僕は都合上アパートを借りて、高校へ登校している。
無論高校にも寮があるのだが、家賃的、経済的にもこちらの方がよく、家から学校へ行く分でも申し分ない。
だから、こちらを選んだのだ。
プルル...プルル...
玄関付近から既に聞こえる電話の音。
もしかしたら、母さんか父さんからかもしれないと思い電話にすぐに出た。
「もしもし?」
「もしもし、学?」
「母さん?」
「ええ、元気してる?」
約一カ月ぶりに声を聞いた。
最近ホームシックと言うか…さびしくなってきたところだ。
「まずまずかな・・・そっちは?」
「ああ、そうそう言い忘れてたわ私ね…お父さんと離婚したの」
「りっ離婚!?どうして!?」
あんなに仲が良かったのに…。
「お父さんの方がね…浮気をしてたの」
「…」
なんともいえぬぞ…父上…。
「それでね、今は再婚して新しいお父さん…というよりも、貴方が生まれる以前に付き合ってた人と結婚したの」
「再婚はやすぎだろ!待てよ…僕が最後に母さんと話したのがたしか5か月前…それじゃあ、まさかその期間中に離婚と再婚を!?」
「まぁ〜そうなるわねぇ、ああ後うれしいニュースよ」
これ以上の不幸なニュースはないだろう。
「貴方に新しい姉と妹ができたの」
…?
「は?」
「だ〜か〜ら〜お父さんの娘たちが〜」
「ちょっと待て!まず話の整理だ!元お父さんは、離婚して…。そして母さんは前に付き合っていたという男性と結婚して…」
「そのお父さんに二人の娘がいたの」
「…じゃあ、そのお父さんって…」
「まぁ〜浮気?」
「平凡そうに言うなー!」
「まぁいいじゃない」
何がだ
「それじゃあ切るわねーバイバー…」
ツーツー
まったく・・・家の母さんは…。
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