<補足説明>

新規性の落とし穴
補助事業として採択されるためには、程度の差はありますが、「新規性」が求められます。
これがくせ者です。
「新しい事業がひらめいた!」――そんなときは、すぐにでも着手したいですよね。
大企業がテスト的に新規事業にチャレンジするならいいのでしょうけど、資金の余裕のない中小企業がバクチを打つように事業展開するのはお薦めできません。
「すばらしい事業」を思いついたときは、なぜ他社はやっていないのか考えてみてください。

ところが、事業内容が一見とても良いと、経営者の目もくらみます。
誰から見ても良い事業なのに、誰も手を出さないのには、それなりの理由があるのです。誰も気づいていないから未着手というのは、めったにないと思った方がいいでしょう。
ま、一言でいってしまうと、身もふたもありませんが、

そして、行政側はその「良い事業内容」を求めたがるのです。
「良い事業であるのに、誰も手掛けようとしない」 =“儲からない”、あるいは、 =“すでに手掛けた企業はあったが失敗し撤退した”
ということが多いと考えてください。
物流効率化の失敗→

また、「新しい技術が開発された、まだ商品化されていない。それっ!」というときも、気をつける必要があります。
他の企業が水面下で、すでに技術開発を進めている可能性が高いです。
めでたく補助事業に採択される頃には、たくさんの企業が群がっていて、すでに過当競争になっている、ということもあり得ます。
補助金活用は「早い者勝ち」事業には向かない。

ですので、既存事業から新しい枝を伸ばして新機軸とする、というのが、中小企業にとっては無難なところなのかもしれません。 そういう事業を支援するために、本論では、新規性要求をトーンダウンしています。


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